熊谷家住宅
Kumagai



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花巻市指定文化財 (平成元年11月24日指定)
岩手県花巻市矢沢第10地割149
建築年代/天保年間
用途区分/農家(肝煎)
指定範囲/主屋・離れ・上蔵・下蔵・屋敷神・小屋・便所
公開状況/公開
東北新幹線の新花巻駅の北西500m程の田園地帯に所在する肝煎屋敷である。昭和57年の新花巻駅開業から随分と時は経ったが、未だに周辺は純農村地帯の風情を留めており、屋敷林に囲まれた当屋敷の風情も往時のままに保たれているようである。当家は屋号を「酢屋」と称し、江戸末期には村役を務める傍ら製酢業を営んでいたとのことで、主屋前には3棟の醸造蔵があったらしいが、今は失われている。主屋は桁行9.5間、梁間6間の規模を有する直屋造の大型民家で、床上部を三列8間取とし、土間部には下手に広大な馬屋を備えている。床上部下手は常居とナカマの2室に分けられるが、囲炉裏を備える常居を奥側に配する奥常居型に分類される形態は、県内では盛岡以南の内陸部にのみ見られるものである。屋敷内には、主屋や離れ、土蔵等の主要な建物の他に便所や屋敷神を祀る小規模な建屋も残されているが、いずれもしっかりとした建前で、とても好ましい印象の民家である。
 




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