中国の民家
chaina house

中国山西省平遥市
世界遺産・平遥古城内
平遥は山西省の省都・太原より列車で1時間半ほど南へ下ったところにある
小さな町。この地域は鎮国寺や双林寺といった古い建物や仏像がよく残されて
いることでも有名で、交通の要衝として山西商人が活躍する拠点でもあった。
平遥の旧市街は今でも往時の城壁が四周を廻っており、一歩足を踏み入れると
まるで昔にタイムスリップしたような気分にさせてくれる。
世界遺産に指定されてからは、ちらほらと欧米の観光客もみかけるようになった
とのことであるが、中国の古い伝統的な町家が軒を連ねている様子に皆満足げで
ある。ちなみに欧米の観光客の中では何故かフランス人が多いらしい。
平遥の伝統工芸品として有名なのが漆器。ここで購った厚5mmほども朱と黒漆を  
塗り重ねたお盆は、とても美しく我が家の宝物である。
中国遼寧省大連市
旧ロシア人居留地区内
遼寧省第二の都市・大連は、戦前の日本にとっては満蒙開拓における
大陸への第一歩という港町であり、今でも日本企業が多く進出し、中国の
都市の中では比較的馴染み易い場所だろうと思います。
しかし日本が侵略する以前においては、帝政ロシアによる植民計画が進んで
おり、大連駅の北方付近は旧ロシア人街として今も往時の建物が僅かでは
あるものの残されています。
ちなみに旧日本人街は駅から少し離れた南側の山麓に発展しました。
同じ居留地でありながら、全く両者の雰囲気は異なっており、やはりロシア側
の建物が見栄えするようです。
中国遼寧省瀋陽市

瀋陽の町からは往時の面影は急速に失われつつある。
あまりにも近代的な町へと変貌をとげているので正直、唖然とさせられた。
往時の建物が残る地域を探して回ったが殆ど残されていない。
瀋陽駅裏あたりに多少残されていたが、再開発は時間の問題であろう。



中国遼寧省瀋陽市
張氏帥府正門(国家級文物保存単位)
張氏=軍閥・張作霖一族が中国東北部を統治した際の住居兼事務所である。
日本の中国侵攻にあたって軍閥の果たした役割をどう評価するかは難しい
ところであろうが、現在に至って軍閥関係の豪壮な建物群が文化財として
残すに値するものであったことだけは素直に評価したい。




中国北京市

四合院の典型







中国広東省広州市
陳氏書院(国家級文物保存単位)







中国山西省静升村







中国山西省静升村
王家大院(国家級文物保存単位)
「黄土大地が広がる山西省南部の山間に巨大な城砦のような民家がある」という
記事を読んだのは、10年以上も前に乗った全日空の機内誌でのこと。
それから幾星霜、ようやく念願叶った。
平遥駅からタクシーをチャーターして90分ほど。到着するまでの間には崖の側面に
造られた洞窟状の住居「ヤオトン」が散在するような田舎である。こんなところに
本当に巨大な邸宅が存在するのかと不安に思いながらの旅であった。
黒い瓦屋根が連なる風景は古い集落のようだが、間違いなく一軒の邸宅である。

中国青海省
中国最大の湖である青海湖の畔に建つ民家である。
民家といっても泥煉瓦を箱型に積み上げただけの簡素なものである。
奥の建物がヒトが住むところ、手前の囲いが羊が住むところ。
少数民族の蔵族(ハンゾク)が住んでおり、羊やヤクを育てることを生業としている。
付近にはモンゴル高原の住まいとして有名なパオなども多く見受けられる。
青海湖はチベット高原の入口に当たる内陸部にあり、青海省の省都・西寧から
200kmほど西に向かったところにある美しい湖である。
私が訪れた8月には湖畔の油菜畑が黄色の絨毯と化し、青い湖面とのコントラストが
それは美しいものであった。
海抜3000mほどの高原にあり、あまりの美しさにはしゃぎすぎるとすぐに息が
上るのでご用心である。

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