はじめに
 平成十七年の夏、なかなかまとまらない作品と格闘して、おちこんでいたわたしの所に茶色い封筒が届いた。あけてみると、わたしの作品『メールの中のあいつ』((長谷川集平・絵 文研出版)に対する感想文集がはいっていた。ワオッといったか、ギャッといったかは覚えていない。でも、とにかく興奮して家中をとびまわっていた。
 ページを開くと、力強い文字がならんでいた。鉛筆でかかれたそれらの文字は、小学生のその時しかない、きらめきをもっていて、それを見ただけで胸が熱くなった。
 読んでいくと、担任のT先生がとても熱意のこもった工夫された授業をされていたことがわかった。一章ずつプリントにして生徒にわたし、会話の所を空欄にして、「ここにあなただったら、どんな言葉をいれる?」そういう問いかけをしてくださったというのだ。なんてステキな授業だろう!
 このT先生のはたらきかけで、『メールの中のあいつ』は、わたしの書いた一作品から、みんなで読み感想を言い合ったみんなの作品へと発展していってくれた。これは、作品にとって、このうえもなく幸せなことだと思う。
 また、この感想の文集は、先生の強制ではなく、生徒たち自身の話し合いからつくることが決まったという。
 このすばらしい文集を、自分の胸だけにおさめておくのはもったいないと思ったわたしは、ホームぺージに掲載するお願いをした。T先生のご協力のもと、このたび匿名ならと了解がとれたので、ここに全員の文章を掲載するはこびとなった。
 この春、この文章をかいてくれた生徒たちは、小学校を卒業していく。
 ありきたりな言葉だけど、おめでとう。
 キラキラした感性をいつまでも大切にして、自分を輝やかせてほしい。                     赤羽じゅんこ    2006/3/16
はじめに K男
 ぼく達は一学期から今まで、赤羽じゅんこさんがお書きになった「メールの中のあいつ」を使って授業しました。
「この授業は、このお話の登場人物の気持ちになって考える」というものでみんなこの授業のおかげで、すなわちじゅんこさんのおかげで大切なことをおそわりました。
「感謝の気持ちを伝えよう」ということで、最終的に「感想文を書いて送る」ということになりました。
 初めは「色紙一枚にみんなの感想を書く案」や、「色紙四十枚に一人一人の感想を書く案がありました。それぞれ、「気持ち」がストレートに伝わる、という利点、「大切」にしてもらえる、「気持ちがよく伝わる」ということがあがりましたが「大切にしてもらえるし、気持ちがよく伝えられる」ということで
本にまとめることになりました、ぜひ大切に残してください。

メールの中のあいつを読んで… A女
祥太と周ちゃんへ T男
面白い作品でした! A男
私が「メールの中のあいつ」で気に入ったもの T女
メールの中のあいつで楽しんだ事 I男
メールの中のあいつを読んで… T男
祥太について I女
私の思った事とは!? T女
勉強になりました! I女
とても楽しかった授業 T女
メールの中のあいつ O男
熱血先生 N女
本当の自分はここにいる O男
「天然記念物」 N女
「メールの中のあいつ」を読んだ感想 O女
祥太を通じて N女
「メールの中のあいつ」を読んで… K女
本音は大切 H女
勇気と友情の本〜メールの中のあいつ〜 K女
事実 H女
メールの中のあいつを読んで K男
ちょっとしたウソ H女
「とても良かった!!『メールの中のあいつ』」 K男
勇気 H女
メールの中のあいつを読んで K男
祥太 H男
感動した所 K男
僕の思ったこと M男
「ドリームポート」 K男
メールの中のあいつを終えて M女
私の考えと赤羽さんの考え K女
本当の事… M女
メールの中のあいつを見て… S女
メールの中のあいつを読んで M男
「クリームソーダーって子供扱い?」 S女
メールの中のあいつを読んで Y男
「みんなで考えたメール」 S男
あこがれの周ちゃん Y男
ウソをついた祥太 S男
本の世界の住人より Y女