BACK 接客業 それは、仕事にも慣れ、接客が楽しくて仕方ない頃。 こんな時期に限って、思わぬ落とし穴に落ちるものである。 年配のお客様(男性)は、イライラしていた。 込み合った売り場。人が沢山。私も焦っていた。 「いい加減にしろ!いつまで待たせるつもりだ?」 取り込んでいる上に、パニックしてる私に浴びせらた言葉であった。 「申し訳ございません」謝る私に、お客様は 「もういい!!キャンセルだ!」そう言い、売り場から去っていく。 私は、上司まで巻き込み、返金を手にお客様の後を追う。 息を切らした私に、そのお客様は 「あんたらを信用してるから、私は怒ったのだ。」 そう言い、商品キャンセルを取りやめてくださった。 上司からの注意事項は、最もであった。それ以上に 後味の良くない接客をしてしまった私は、 自分に自己嫌悪であった。 後日、例のお客様がご来店。 私が謝ると、「こちらこそ、失礼な態度をとってしまって すみませんでした」と頭を下げ、言ってくれた。 私はビックリしてしまった。 それから、お客様は何度か、売り場に顔を見せてくださった。 そして一年後、このお客様に怒られた思い出話をされた。 どうやら、お客様は高血圧らしく、入院を繰り返していたと言う。 そして命に関わる手術をして、90パーセントの確率で 助からない。と医者に言われたと言う。 しかし、腕のいい医者に出会えた。と言う。 そして「あんたを叱る為に、ワシは生き返ってきたのだ」と 笑顔で言ってくださった。 人生まだまだこれからの、あんたに伝えたい事や 教えたい事があるからだ。とも言ってくださった。 「これからも頑張って、いい商品を伝えてください」と 言ってくれたことが嬉しかった。 接客業は、私を成長させる、ありがたい職業だと思った。 売り場が変わってしまい、あのお客様には会えなくなってしまいましたが どうか、お元気でありますように・・・ペコリ(o_ _)o))リ BACK |