保険金詐取「私は騙された事になります。」

(2002年11月14日)

年末が近づくと金融機関に強盗が入る。郵便局も例外ではないが郵便局に押し入っても高額のお金は取れないし、必ず捕まるから止めた方がいい。まあ、防犯態勢がお粗末な局(ないと思うけど)や職員が全員女性という局を狙ったら確率は高くなるが、取れる金額は低くなる。どっちにしても止めた方がいい。成功する事はない。

私が郵便局に勤めている間に強盗に入られた経験はないが、保険金詐取事件には遭遇した。郵便局の簡易保険はその名のとおり国民の健康と福祉の増進に寄与するもので、書類が揃っていれば即時払いが原則である。死亡保険金も、入院保険金も請求のあったその場で支払う。
ある時私は、交通事故による入院保険金の支払いをした。そして後日、それは保険金目当てで交通事故を偽装し、保険金を詐取したと新聞報道された。私は警察の事情聴取を受け、調書にサインさせられた。事情聴取は保険金支払いの時の様子を聞かれ数日後警察官が書いた調書を読み上げられそれにサインするというもの。その内容は忘れたが一つだけ鮮明に覚えている事がある。調書の最後で「以上のような事が事実であるならば私は騙された事になります。」と書いてあり、間違いありませんと言って記名押印した。

でも本当は納得いかない。私は騙されていない。警察が発行した交通事故の証明書が提出されたし、入院証明書も医者が診断した正規のものだった。その他の書類も揃っており本人確認も行っている。すべて正規の取り扱いをしており、私は騙されてはいない。騙されたのは警察と医者だろう。

余談になるが保険金の支払いをしているといろんな人がいる。例えば次から次に保険金の請求をする人。まず、交通事故で入院、しばらくするとベッドから落ちて肋骨骨折。続いてベランダから転落して足を骨折。などなど。ほんとに不幸な人なのか、保険金目当てなのか疑うというより心配になってくる。正規の取り扱いをして支払う事にする。もし万が一保険金目当てだったとしても痛い思いをしているんだから払ってあげようよ。(適切な表現ではないかもしれません。お許しください。)
指かり族がはやった時も、それは明らかに保険金目当てだから犯罪なのだけど、痛い思いしてるんだから努力賞として払ってあげたいと内心思ったりもした。

最後にひとこと。
お客様から保険料として預かったお金は大切に運用して保険金の支払いに備えなければならないものだから、不正を働いて保険金を詐取しようとするものに対しては断固として支払い拒否をしなければならないものであり、当然そのようにしている事を申し添えます。

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