ETとその後


自然周期で凍結を戻す為に、自然排卵をするのを待つ。
しかし1回目のあとから体温表は当てにならないほどガタガタだった。
でも超音波で見ると順調に卵胞は育っていた。
内膜も豆乳効果なのか十分なほどだった。
自分の気持ちとは裏腹に1日おきに病院に行き、ET出来るのを待った。

1日おきに病院に通ううちに、私の気持ちは段々と落ち着いてきた。
病院で出来た友達に会ったり、毎日の病院でリズムが出来たりと通院が苦ではなくなっていた。

そして豆乳が良いと聞いたので、毎日のように苦しい思いをしながらも飲み続けた。
豆乳の効果なのかはわからないが、前回よりも内膜が厚くなっていたのも自信に繋がったのかもしれない。
初回は何もかも目新しくて、初めての体験。
しかしマイナス判定は自信を無くすほどショックだったらしかった。

不妊治療をしている人はよく「メンタル的な部分が治療で1番大切だよね。」と言っていた。
本当の所、よく意味がわからなかった。
でも今ならわかる。
マイナス判定が出れば、着床が私には出来ないんじゃないか?
いつかは着床する日が来るのだろうか?
着床・着床・着床・・・・。
着床の事だけで頭がいっぱいになってしまうのだった。

そうしているうちに結局18日目に排卵した。
そしてその2日後にET。
その頃になると前回の私に戻る事が出来ていた。

ET当日はもう一人、凍結を戻す人がいたので心強かった。
同じ部屋でお昼を食べたり、おしゃべりをしたりして時間が来るのを待った。
そして私が先に呼ばれてETをした。

IVFルームに入り、ベットでセッティングをして待つ。
先生は今からすることをちゃんと説明しながら処置をしてくれた。
凍結してあった卵は3つ。
解凍できた卵も3つ。
無事に解凍に耐えたグレードの低い卵たち。
20分ほどで終わり、ここから2時間は前回と同じく2時間、うつ伏せでの安静時間。
そして出血もしなく、無事に家に帰ってきた。

前回と大きく違う所は毎日、家にいられる事。
思い描いていたET後のお姫様生活!

でも腹巻をしてサプリメントで葉酸を取り、グレープフルーツジュースを片手に生活しているお姫様だった。
トイレに行くたびにドキドキして、おりものの感覚があればまたトイレに行く。
1時間が、1日が過ぎるのが1番遅く感じる期間。

そしてまた恐れていた事が起きてしまった。
前回もそうだったのだが、ET後は情緒不安定になる。
しかも2日目と12〜13日目が1番不安定。
前回の2日目は夫と泣きながらケンカをして、12・13日は母を相手にケンカを吹っ掛けていた。
今回も2日目には夫を相手にケンカを吹っ掛けていた。
でも今回の違う所はET前から情緒不安定になる事を予測して、夫にお願いをしておいたのだ。

どんなに理不尽ないちゃもんを私がつけても絶対にまともに受けるな、と。
夫自身のフラストレーションが溜まっても、私に対してやさしくしてね、と。
よく考えればワガママの何者でもないが、私はかなり真面目な気持ちでお願いをした。
不安定になるのが解るんだったらガマンすれば良いと思うかもしれないが、それが出来ないのだ。
出来るくらいなら最初から問題にはならない。

そして2日目には前回と同じように情緒不安定になったのだった。
情緒不安定といってもいろんな症状があるとは思うが、私の場合は何もかもが気に触る。
夫の行動、言動全てが癇に障るのだ。
でもそれは夫だけじゃない。
誰にでもだ。

こればっかりは仕方が無い。