転院〜顕微受精まで
転院してすぐに行なったのは、血液検査が主だった。
病院に行けば必ず取られていた。
そしてホルモン検査もその中に入っていた。
完全に顕微受精が確定なので、卵管や卵巣の検査はほとんどしなかった。
ただ卵巣は年の割りに小さいと言われたが、顕微をするんだったら関係ないそうだ。
そして問題は黄体ホルモン値だった。
標準よりも多少低め。
そこで子宮内の血流検査も行なったが、やはり血流があんまりよくない。
でもこれが原因で着床しないという基準ではなく、着床しなかった時や流産したときに、もしかしたらあれかな・・?という位の数値だそうだ。
しかしそんな数値をも気にならないほどの重大な問題を抱え続けたままだった。
夫の精子検査の結果はこの時点で計3回目になっていた。
しかし2回目のときにたった1匹だけは精子が存在したらしかった。
その事を頼りに、生検を行なわずにぶっつけ本番で行くというのだ。
もしTESEで開けてみて精子がいなかったら、その時点で私の中に出来た卵も不必要な物となるし、またそれまでに掛かった金額もすべてが水の泡となる。
しかしこれには先生の持論があった。
もしも生検をして取り出した精子が最後だったら、それを顕微に使えればその方が子供を手にする確立があがるというのだ。
でもそれはその通りだと思った。
細胞内から沢山の精子が見つかればそれに越した事は無いが、もしも数匹の精子だったら?
そう考えて夫婦そろってこのギャンブルとも言いがたい、作戦に乗ったのだった。
4月に転院をしてその時点での顕微の予約は6月だった。
そしてその2ヶ月の間に検査をして、なおかつ薬での準備に入らなくてはいけなかったのだった。
とうとう6月に入ったが、生理周期が遅れたために、顕微の日は7月の1週目に変更になった。
初めてのスプレキュア。
これには参った。
副作用でだるいし、むくみが出るし、気持ち悪いし・・・。
しかも私はロング法だったので3週間もこんな思いをしなくちゃいけないのだ。
でも2週間もすると段々と収まってきた。
でも採卵する前日までスプレは続くのであった。
スプレが始まり2週間後には、誘発剤の注射が始まった。
これがとっても痛い。
筋肉注射なんてそうしなれていないから、手に汗握るとはまさにこの事だった。
注射は7日間でOKが出た。
注射をはじめて後半には、毎回卵胞をエコーでチェックして、大きさと数を見る。
お腹はパンパンになって、本当に妊婦さんのようだ。
しかも歩いたりしていると、お腹がつれてしまうのでその仕草たるものまさに妊婦。
早く採卵したい気持ちでいっぱいだった。
私の病院は採卵時には入院する形を取っている。
4泊5日のお泊りだ。
しかし夫のほうは1泊2日のお泊りのみ。
入院した日は何もする事が無く、夜にHCGの注射をするのみ。
2日目は新生児室をうろうろしたりと、のほほん気分。
でも夜から絶食になり、何も食べちゃいけない、飲んじゃいけない。
3日目は採卵当日。
麻酔は腰椎麻酔。
でも私は効きが悪かった為に、静脈麻酔も併用した。
そして採卵終了後は計10本ほどの点滴が待っている。
全てが終了して、カテーテルが抜かれたのは、夜中の12時を回っていた。
そして迎えた4日目。
卵も体の中から出して、やっと自由になれた感じ。
友達が来てくれたり、夫が来たりと楽しく過ごした。
そして退院の日。
この日にETをして2時間ほど休んだら、帰宅できる。
そしてこの病院は子宮の角度で休む体制が決まる。
私は子宮前屈だったので、うつ伏せで2時間だった。
後屈だったらよかったのに・・・。
これから12日間が本当の苦しみだったのだが・・・。