マサラ日記     previous«  »next

12月16日(土)           

 金曜の夜更け。
 最近は余り観ない(というより観る暇がない)テレビをつけたら、新生サディスティック・ミカ(エラ)・バンドのライブ演奏映像(完全に生音)が目に飛び込み、しばし見入る。

 木村カエラは歌がうまいし(歴代の3人の中ではダントツだろう。当たり前か)、とにかくキュートでかわいい。バックのおじさんたちも「金持ちインテリ不良オヤジ(ただしレオン的ではない)」ともいうべき、思わずこちらがあやかりたくなるようなナイスなオーラがムンムンしている。さすがロキシー・ミュージックとツアーをし、ジャパンのメンバーなどに影響を与えただけある。とにかく演奏がメチャクチャうまいし、今のガキバンドには絶対にまねのできないグルーヴ感がある。
 などと感心していたら、桃井かおりさんと加藤和彦氏の味のある対談をはさんで、またもミカ・バンドのライブ(昔、東京に出てきて初めて生で観た女性芸能人が桃井さん。「もう頬杖はつかない」という私には何とも退屈な小説を映画化したものの撮影で、私が入学した大学に来ていた。いやはや、あの時もまたきれいだったな)。ニューアルバムの1曲目だが、CD同様、グラムっぽいノリがよかった。

 対談の中で「10年前より今の自分が好き」というおふたりの発言を聞いて、テレビに向かってフムフムと頷いてしまった。そういう年の重ね方はホント大事だと痛感する最近の私である。私も10年前より今の自分が好きだ、といい切ってしまおう。

 新生ミカ・ハンドの演奏に感激したら、今度はタモリ倶楽部だ。
 先日逝去したポール・モーリア氏にちなんで(私は「アドロ」という曲が好き)、彼のオーケストラやフランク・プールセルなどイージーリスニングの名曲に意味のない日本語歌詞をつけたものを、歌詞だけ見てどの曲か当てるという、この番組ならではのアホ企画をやっていた。
 これだけでも個人的になごむのだが、出演者のひとりに何と、私が長年尊敬する近田春夫氏がいたので、さらにビックリ。氏は薄くなった後頭部にもかかわらず妙な長髪で登場(歌謡評論界の小林秀雄というのにピッタリか)、ハルオフォン以来のポップで猥雑なノリを周囲に振りまいていた。

 ミカ・バンドや近田さんを見ると、「よし。オレもまだまだやらねば」という気分になる。偉大な先達と勝手に呼ばせていただきたい。

 そんなこんなで本日、昼間は仕事。
 家でミカ・バンドの新譜を大音量でかけた後、中央線の各駅停車に乗ったら、その瞬間、なぜか頭の中でエアロスミスの「ドリームオン」が鳴り出して、うろたえた。

 朝、皮付きムング・ダールのカレーをインディカ米にかけて食べる。続いてランチにネパール人のやっているインド料理のセット。


 ナーンが食べ放題で950円。カレーは左がベジ(グレービーの味付けは典型的な北インド流。そんな中、ジャガイモ、ニンジン、グリンピース、インゲンの他、キノコの具材として本シメジが入っていたのがネパール的)、右はアールー・パラク(北インド風ジャガイモとホウレンソウのカレー)。
 カレー、ナーンともきちんと標準的な北インドのテイスト。
 ネパールのインド料理調理人には日本人のインド料理人同様、勤勉で器用な人が多い。総じてネパールの方の作るインド料理は好感が持てる。

 それでも帰り際、店の人と少し話しをしたら、本音的にはネパール料理で勝負したいらしい。まったくそれはごもっともだと思う。おそらくもう少し「ナーン信仰」が後退すれば、そうした願いはかなうはずだ。地道に頑張っていただきたい。

日記を書いているときのBGM:「エッセンシャル・オジー・オズボーン」というベストCD。オジーさんのボーカルは終始一貫して粘っこくていいが、ことギターに関していえば、ザック・ワイルドの完成度の高いギターも捨てがたいが、やっぱりランディ・ローズがいい。総合的な表現力はエディ・バン・ヘイレン君より上かも。