マサラ日記     previous«  »next

12月14日(木)           

 まずは業務連絡から。
 最近、書店やamazonで品薄のため、皆さんに迷惑をかけていた拙著『カレーな薬膳』の増刷が決定した。SPECIAL THANKS TO 晶文社さんである。

 ちなみに、私の旧著『誰も知らないインド料理』『ごちそうはバナナの葉の上に』の2冊は売り切れで、しかも現版元については増刷の意思がないらしい。つまりは絶版=廃盤。ネットのオークションで数千円の値がついているらしいが、はっきりいって私には悲しい話である。
 全国の出版社の皆さん、これら2冊の改訂再版のご依頼、気長にお待ちしています。

 昼に、安いのだけが取り柄という感じの中華屋についフラフラと入る。定食や麺類がすべて650円、しかも麺類にはもれなくご飯が付いてくる(私はこういう物量作戦に興味がない)。
 私が五目焼きそばを注文すると、隣に座った中年サラリーマンが坦々麺を食べているのが目に入った。
 見れば、この方、坦々麺の麺だけをご飯の上にのせて食べている。しかもご飯と麺を同時に口に入れることも。
 坦々麺の麺を食べ終わり、残ったスープに白いご飯を入れる食べ方がおいしいのはよく知っている。しかし、麺をご飯にのせるのは初耳かつ、とうにも苦手な感じだ。
 結局、この方、坦々麺のスープは残したが、麺とご飯は完食。見ているこちらにとっては、どうにも奇妙なランチタイムとなった。

 夜、さるところから、国産大豆で作ったテンペのサンプルが送られてきた。テンペといえば、私の場合昔から本場インドネシア産のファン。もちろん国産のも食べたが、アクが弱く、風味も軟弱という印象だ。で、ティック状にカットしてからフライパンで焼いて食べたら、やはり香りが薄めのあっさり仕立て。一般の日本人にはこういうタイプが受けるだろう。だから商品の方向性としてはよしである。ただし私個人には今ひとつ。もっとにおいの強いのが好きなのだ。




日記を書いているときのBGM:リトル・フィートの『セイリン・シューズ』。スワンプでファンキーなサード以降もいいが、キャプテン・ビーフハートに通ずる屈折したブルース感覚が横溢したこの作品も大好きだ。こんなバンドもやりたかった。