マサラ日記     previous«  »next

7月1日(土)
           

 昼下がり、明治大学の市民講座で「カレー探訪講座」の講義。
 老若男女いろいろなプロフィールの方が参加しているので、どうしても深いところまで踏み込めないのがややつらかったが、それでもいいたいことはできるだけ伝えたつもり。参加者の方が少しでもインドの食文化に興味を持っていただければ、うれしいものだ。

 土曜日に御茶ノ水〜神保町に行くことはあまりない。ひさびさ、土曜の御茶ノ水だ。古書街はもっと店じまいしているところが多いかと思ったが、実際にはそんなこともなく、本好きには心なごむムードでひと安心。

 昔、御茶ノ水は楽器かレコードを物色するためにある街だった。
 今も楽器屋やレコード屋は健在のようだが、以前に比べて健康的であけっぴろげな感じに違和感を覚える。

 1980年代後半のバンドブームから、それまでの100倍以上ぐらいに日本の音楽人口や楽器人口が増えたような気がする。が、あの時期以来、日本のロック系音楽のレベルは一挙に低下したと私は分析する。私がレコード会社を辞めたのも、そういう世情がバカバカしく思えたことが一因だ。

 あの頃以来、楽器屋の店頭はやけに派手になり、入りやすいムードのところが増えたように思う。それが、「いかがわしい楽器屋」が好きな私としては、どうも物足りない。マニアなものを売る、マニアックなスタッフのいる楽器屋。私がよく行ったのはそんな店だが、今の御茶ノ水にそうしたところはあるのだろうか。

 ちなみにインドの楽器屋にはミステリアスなところが多くて、私にはピッタリ来る。

★日記を書いているときのBGM:カーシュ・カーレイの新譜『ブロークン・イングリッシュ』