5月24日(水)
昨日の朝日新聞の朝刊、「週刊アジア」という連載ページで、北インドのベジタリアン料理のメニュー例が出ていたが、これがやたらシンプルでおもしろかった。
ひとつはアールー・ダム。ジャガイモの蒸し煮だが(特に新ジャガを使うといいようだ)、通常はヨーグルトまたはトマトを使って煮込む。ところがこのページに記載されているのは、そんなものは使わず、ジャガイモをクミン・シード、ヒング、ガラム・マサラ、塩で蒸し煮するだけ。
もうひとつはカボチャの炒めもの。これもターメリック、コリアンダー、塩でカボチャを蒸し煮するだけだった。
あまりにシンプルなので拍子抜けしそうだが、これらはおそらくおいしいはずだ。インドの家庭料理とは本来そんなもの。実にシンプルな調理で、素材の味を存分に引き出すのが真骨頂である。
こういうメニューで私が特に好きなのが、オクラの炒めものだ。刻んだオクラを塩とタカノツメ、フライドオニオンで炒めるだけだか、これが実においしい。そんな感じのシンプルメニューはインド亜大陸に山ほどある。
そういえば、昨日、新ジャガをまるごとゆで、そのまま南インド風のスパイス炒めにしてビールや焼酎のつまみにしたら、おいしかった。これだって同じノリだ。
ゴージャスなレストランメニューもいいが、家庭料理にこそインド亜大陸の食文化の真髄がかくされているというのもまた真実だろう。
(日記を書いているときのBGM:ハノイ・ロックスのカムバック第2弾『アナザー・ホスタイル・テイクオーバー』(2005年)。20年ぐらい前の初来日公演が大酔っ払い大会で印象に残っている)