マサラ日記     previous«  »next

4月8日(土)
           

 朝、「サンバルライス」(南インドの代表的な菜食カレー、サンバルとごはんをおじやっぽくミックスして仕上げる軽食。現地の食堂にもあるティファンtiffinメニューである)をつくって食べる。

 で、そいつを写真に撮って、午後パソコンに取り込もうとしたら、何とデジカメのコンパクトフラッシュに入っている多量の画像が全部消えている。幸い、そのサンバルライスを除いてすべてパソコンに取り込んであるので実害は大きくないが、それにしても不可解かつガッカリ。

 こういうとき、自分の取った行動を反復してみると、たいてい
「落ち度はないはずだが、しかし…」
 という気分になる。
 つまりは中途半端な不安感に陥るのだが、このモヤモヤした気持ちがクセモノ。
 ここでクヨクヨ悩むと、さらにほかのことで墓穴を掘ったりする。

 ええい、終わったことは気にするな。新しいカードを買ったことにして、スカッと出直しだ。
 ということでリスタートする。

 夕暮れ、といってもまだ陽の高い午後5時から、「早大ロッククライミング」にかつて在籍した仲間7、8名で高田馬場「鳥やす」で痛飲する。

 ロッククライミングというのは山登りをするサークルではなく、音楽サークルだ。WEBサイトを拝見するに(サイトがあるのが、私には新鮮な驚き)、今は楽しそうな一般的音楽サークルだが、私がいた頃は学外の連中が多かったり(私がやっていたバンドにも、早大生は私のみというケースがあった)、ライヴハウスに出たりレコードを出したりして、個性的なメンツが多かった。

 今回のメンバーでいちばん年長は私より2学年上のS氏、下は私より2学年下の方々がふたりだったか。いずれにせよ、私はほぼ全員およそ22年ぶりに会う方々ばかり。

 会う前には、自分自身の外見と中味の変貌ぶりが友人たちにどう映るか不安でもあったが、会ってしまえば、すぐにまた昔のノリ。主にバカ話に花が咲く。
 いずれも社会的地位もバッチリとごリッパ、あるいは昔よりパワーが倍増の「カリスマ・ニート」などスゴイ人たちばかりだが、いい意味で見事なまでに中味が変わらない。
 実に楽しいひとときで、遅くまで飲みまくった。

 むしろ、変わっていたのが「鳥やす」。
 レバ刺しがないのはしょうがないとしても、ひとりで5本食べると鼻血が出るといわれた「ホーデン(鶏の精巣)」(かつて、実際に山の手線内で鼻血を出した報告例あり)がないのはダメだろう。
 お客様も、昔は我々貧乏学生や音楽・演劇系、あるいは実直な勤め人、労働者のみであふれていたのが(カップルで来店するなど言語道断の暴挙といわれた)、今はやたら若い女性も多くなっているし、カップルもあり。店員さんも、昔は年季の入ったオッサンだったのが、やはり若い女性。
 われわれオジサンとオバサンは妙な違和感を抱きつつ、焼き鳥を頬張るのだった。

(日記を書いているときのBGM:鳥やすでも話題に出たイギー・アンド・ストゥージズ、1973年発表の畢生の名盤『ロー・パワー』。今も仲間は「サーチ・アンド・デストロイ」をカバーしているらしい。私のバンドは22〜3年前、「シェイク・アピール」という曲に日本語の歌詞を載せてプレイしていた)