マサラ日記     previous«  »next

4月3日(月)
           

 たいした理由もなく、ある料理を食べたい、あるいはつくりたいと思ってどうしようもなくなるときがある。本日がそう。意味もなく「キーマが食べたい」と思ったわけだ。

 キーマというのは挽き肉のカレーのこと。ふつうインドではマトンでつくることが多い。私は間違っても豚肉ではつくらないようにしている。主義主張という点もあるが、根本的に豚挽き肉にキーマのスパイスが今ひとつしっくりなじまないのだ。

 で、今夜は鶏挽き肉のチキン・キーマ。しかも、南インド風のスペシャル・バージョン。
 どうスペシャルかといえば、ココナッツ・ミルクに加えてカシューナッツもペーストにしてグレービー(カレーソースのことだ)にミックスしてある点。そうすることで、コクやうまみがグーンと増幅し、スパイス類の香りも引き立つのだ。
 昔、南インド料理の師であるマニさんが、麹町アジャンタ時代、インド人向けのスペシャルメニューとして、これと同じような1品をつくっていた。

 このカレーは白いごはんがよく似合う。
 
(日記を書いているときのBGM:タルヴィン・シン監修のコンピ『ANOKHA 〜soundz of asian underground』1997年の記念碑的作品だ)