マサラ日記     previous«  »next

2月3日(金)
           

 夜、今まで行かずにいたが行きたかった店のひとつ、私の家から徒歩1分の西荻窪駅前、長安料理店『晏閣(アンカク)』を訪れてみた。

 長安は今の西安。古くから数多くの中国王朝の首都だったところで、食い倒れの街でもあるらしい。シルクロードの東の玄関であり、刀削麺などの小麦粉食、スパイスをきかせた料理の数々などが有名とのこと。

 まずはビールと肴をいくつか。
 

 黒ワラビを練り込んだ春雨の和えもの。なるほど、黒いニョロニョロが香菜、ニンジン、キュウリ、長ネギなどとミックスしてある。塩とゴマ油主体のシンプルな味つけだが、シコシコとした食感でおいしい。黒酢をつけて食べると余計にイケた。新しい味の発見である。

 

 山椒をきかせた麻辣風味の春巻き。ま、おいしい。しかしながら、正直、以前自分がシェフをしていた店で出していた春巻きの方がイケるとも思った。ちょっと残念。

 

 豚ガツ(胃袋)の和えもの。香菜バッチリ。ブラック・ペパーと山椒の刺激が心地よく、かなりのヒット。これだけで生ビール2杯はイケる。

 そのうちビールが紹興酒に変わり、メインの登場。

 麻辣風味の翡翠刀削麺だ。
 麺はグリーンでシコシコ。手打ちうどんのノリに近いが、削った分だけスープとの絡みがよく、食感風味とも秀逸。
 スープは唐辛子やブラック・ペパーがきいた予想通りの味わい。タイやアーンドラ料理的には辛くないが、辛さに弱い方には難物かも。モツ類やタケノコ、ピーマン、キクラゲ、香菜などの具とのコンビネーションもよし。さすがの美味で、意外ともいえるくらいにアッサリしているのも印象的。

 西荻窪の飲食店レベルは高いことを実感する店との遭遇で、なかなか充実した時間をすごせた。
 料理の種類と量が多いので、4人ぐらいでいろいろオーダーするのがいいだろう。

(日記を書いているときのBGM:サラーム海上氏によるコンピCD『シャンティ・シャンティ』。平和な心持ちにさせてくれる1枚だ)