マサラ日記     previous«  »next

1月17日(火)
           

 神戸の大震災から11年。
 去年の日記にも書いたと思うが、あの日、ボンベイ(今のムンバイ)にいた。ホテルのテレビのニュースで神戸の光景が映し出されたとき、信じられない感じがしたのを今でもよく覚えている。
 いつもは陽気な地元の人たちも「お前はジャパニだろ。こんなところにいていいのか? 帰らないとダメじゃないのか?」と真顔で心配してくれた。やさしい人たちだった。

 地震後、何日か経って日本に戻ってきた。地震の詳細を見聞きするに、ある種の喪失感や虚脱感に襲われたのを、やはりよく記憶している。かつて尼崎と西宮に約6年住んでいたし、関西の食や文化は大好きで愛着があった。
 自分の立つ大地が揺らぎすべてが崩壊するとはどうしようもなく、やるせないものである。

 風邪っぽくだるい。まずいなと思い、パワーの出るカレーでもとはせず、ダシ抜きの豚汁、納豆を夕食に食べる。米飯はなし。

 その割に、昼は仕事で訪れた秋葉原のインド料理店。知人がホールを務める店だが、前回、夜行ったときより、ぜんぜんおいしかった。チャナ・ダール、野菜カレーにナーンとサフランライスのセットだが、2種類のカレーがきちんとていねいなつくりでよかった。オーソドクスな北インドの味といえる。

 そういえば、最近、都内では南インド料理店が増えているようだ(inaさん、精力的なレポートありがとうございます)。私はまだ食べていないところが多い。冬が終わって暖かくなる頃にはきちんとチェックしたいと思った。

(日記を書いているときのBGM:マイ・フェイバリットなニール・ヤングの『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』。イギー・ポップとともに「こんな風に歳を取りたい」と思わせる人物だ。人間、安易に丸くなってはいけないことを教えてくれる)