マサラ日記     previous«  »next

1月2日(月)
           

 東京は午前中から冷たい雨。
 起きたのが遅く、ぼんやり大学駅伝など見ながら、昨夜に続き、またも沖縄風ソーキのせごはんを朝昼食兼用で食べる。

 午後、原稿を書きつつ休憩がてらテレビをつけたら、NHKの衛星放送で仏像に関する3時間番組をやっている。マズい。昨日も原稿を書きながら観ていたら、おもしろくて原稿がはかどらなかったヤツだ。
 今日はどうしようかと思ったが、開き直って番組に集中する。やはりおもしろい。京都、奈良、中国、韓国、モンゴル、インド、タイ、ミャンマー、インドネシア、カンボジア、そしてアフガン、アジア各地の仏像がそれぞれに皆美しいことを再認識した。

 テレビを観てから夕食の準備。
 調理前にちょこっとCDラックを整理したら、ナジマの『ナイナー』の日本盤を見つける。訳詩と詳細な訳詩解説は、私も懇意にさせていただいている東京外語大の麻田豊先生である。1989年の作品で日本盤は廃盤らしい。ナジマご本人のサイトを見ても、ディスコグラフィにこの作品のことは出ていない。不思議だ。
 
 調理しながら聴いてみると、いい。いわゆる「ワールド・ミュージック」ブームの典型的な作品だが、飽きのこない魅力にあふれていると思う。ナジマ自身は90年代の中頃にはジミー・ペイジやロバート・プラントとも共演しているし、現在も活躍中。最近の作品も聴いてみたいものだ。

 ナジマを聴きながらつくったのは、彼女と縁のなさそうな南インドの菜食メニュー。
 このやたら白い料理は、サトイモのヨーグルト・カレー(モール・カランなどという)。浮いているのはカレー・リーフとタカノツメ、それにマスタード・シードなど。滋味深いケララ発祥のカレーだ。今月の杉並料理講習でも取り上げる予定のメニューである。
 こちらはセモリナをそばがきのように練り上げる南インドの軽食(ティファン)のひとつ、ラバ・ウプマ。
 ウプマにサトイモのヨーグルト・カレーをかけ、右手指でグチュグチュやってそのまま手で食べるとおいしい。よくかき混ぜた方がおいしいので、手指でやるのが有効なのだ。

 和風の煮物やおでんに入れてもサトイモはイケるが、本場のインド料理にもよく使われる。スパイスや油との相性もいい。そのうち、サトイモを使ったかんたんメニューのレシピを当サイトでもアップしようか。

(日記を書いているときのBGM:クイックシルバーの『アンソロジー』。「フレッシュ・エア」(1970年)がカッコいい)