マサラ日記     previous«  »next

1月19日

 昨日の続き。

 見事ぶっこわれた先代「イワタニのミルサー」の後任をゲットすべく、なぜか、荻窪タウンセブンという複合ビル内にある西友をウロウロ。
 いつもはこういうものを安売り家電店で買うときは荻窪のオリムピックというところでと決めているのだが、あいにく行ってみたら定休日。そこで、急遽、いつもは行かない西友へと足を向けた次第。

 最近のイワタニのミルサーには2種類ある。ひとつは私の使っていた機種の改良版で定価1万円。もうひとつは粉砕物を入れる容器がプラスティックではなく、ガラスのしっかりしたやつになっていて二種類付き、さらには本体自体もがっしりしていて連続運転可能時間も長いやつ。こちらは定価14800円だったか。それらがこの西友では、それぞれ3980円、7980円で販売されているのだから、いかにミキサー類の需要が少ないかわかるというもの。どちらもかなりの値引率である。

 今回はちょっと張り込もうかなとも一瞬考えたが、「またすぐに使いつぶすかもしれん」と思い直し、これまでとおなじくベーシックなほうに決める。

 ミルサーが活躍するのは、もっぱら細かく均一に挽いたほうがいいミックス・スパイス・パウダー、いわゆるマサラづくりのときだ。
 代表的なのはガラム・マサラだが、ほかにも私の場合、サンバル・パウダー、チェティナド・マサラ、ポーク・ビンダルー用のマサラなどを調合して挽くときにもよく使う。ムスリム肉カレーの仕上げに使うグリーン・カルダモンとブラック・ペパーだけのシンプルなミックスなども、ミルサーで挽くと手軽で香りもいい。

 中にはミルサーを使うとおかしなテイストになってしまうマサラもある。
 ラッサム・パウダーがそうだ。ミキサーで微細に挽くとブラック・ペパーの辛みが立ちすぎて、本来の風味がとんでしまう。そこでめんどうだが、すりこぎすり鉢のようなインド製「スパイスつぶし器」を用意し、あくまでていねいに手でつぶしていく。こっちのほうが断然うまい。

 ミルサーやあるいはミキサーにしても、ろくろくまともに使われず、台所の片隅に追いやられるよりは、私のような人間によって存分に使い込まれたほうが本望だろう。
 家電品に限らず、楽器や車などもそうだろうが、ちょっといい道具というのは使ってこそ、その存在感が光るというもの。逆に、使ってやらないと調子が悪くなったり、肝心なときに動いてくれない。
 人間同様、日頃のおつきあいが大事というわけである。