★ 過去の記録・母と一緒にいると得をする。


どうも母と一緒に旅行をすると、得することが、必ず一つはあるような気がしてきた。・・・って、この親不孝者は、そうそう、母を旅行に連れて行くことはないのだけれど。私は、母と、過去3回ほど、海外旅行を経験している。これは、その2。



★★ 香港 ★★

私のマイレージプログラムが、結構貯まり、ふたり分、アジア圏内ならビジネスクラスで行けることになった。これを、父と母にプレゼントしようとした。しかし。父は、旅行嫌い。いきたくない、という。母は、行きたい、という。どうすっぺ・・・。

当時、わたくし、結婚しておりまして、夫もいました。彼は彼で、エコノミークラスならアジア圏内ひとり分、捻出できるマイレージを貯めておりました。・・・母と私だけビジネスで、夫ひとりエコノミーってのは・・・。

・・・で、残念ながら、ビジネスクラスではなく、母と私と夫の三人で香港へ行くことになりました。今思えば、なんで母とふたり、ビジネスクラスで行かなかった、と後悔もしておりますが。まぁ、あん頃は、かつて香港に住んでいたこともある、っていう夫を置いていくわけにもいかず・・・。

日本国内のシェラトンホテルから、香港のシェラトンに部屋の予約をしておきました。ベッド3つで。

しかし、到着すると、天下のシェラトンが、ものすごい、ちっちゃい、シケた部屋を用意してくれてて。しかも、ホントはツインの部屋に簡易ベッド1個を付け足したもの。そのせいで、部屋は歩けるスペースもない。ドアをあけるとベッドしかない、っていうような。

到着したのが、殆ど午前零時、くらいだったので。母も疲れているようで、さっさと寝ていただいたが。私と夫は、こんな部屋で1週間もじょ〜だんじゃないよなぁ、って思い。母を部屋に残して、近所のホテルの物色を始めた。一週間くらい、贅沢してもいいや、って気分で、ペニンシュラに飛び込む。しかし。空き部屋はなし。リージェントに行くと。空き部屋はあったけど。あんまり広くない。やはり、簡易ベッドになる、という。

それから。斜め前にあった、以前、職場のガイジンに聞いたことのある、でも当時は、あんまりガイドブックにも載っていなかった、『新世界』というホテルを訪ねた。

部屋代も、思っていたほど高くない。続き部屋(スイート)、でね。ここっきゃ、ないでしょう、って思い、即予約。そして、翌日。斜め前にあるホテルに、各々、スーツケースをガラガラ引きづって、移動。

チェックインして、部屋に案内されると・・・・。えっ? これ、スイートじゃないじゃん。

母が、私たちと同じ空間で過ごすこと気を遣うのではないか、って思って(でも違う部屋では心細いというから)、わざわざ、続き部屋を確認して、ある、っていうから予約したのに。案内された部屋は、普通の部屋より、ちょっと広めのワン・ベッドルーム、だけだった。

で、話が違う、って文句を言うと。前日に予約を受けたヒト(夜勤)の勘違いらしくて。通常の続き部屋で空いている部屋はない、とのこと。ど〜してくれるの。こっちはシェラトン、チェックアウトしちゃってるのよ!って文句言うと・・・。VIPフロアと彼らが呼んでいる階にあるスィートが用意された。モチロン。前日予約を入れた300ドルの部屋代で。2000ドルのお部屋!

ここは、ベッドルーム二つで、バスルームも二つ。VIPフロア、というだけあって。1Fのレセプションとは別のレセプショニストがいつもいて。エレベーターは、彼らのデスクにあるボタンで呼んでくれる。それから、朝食は。無料のブッフェが毎朝、VIPフロアのダイニングに用意されている。朝食以外の時間帯も、ラウンジになっており、ドリンク(コーヒー、紅茶、ジュースなどのソフトドリンクだけでなく、ビールやウィスキーも)全て無料。ものすごい、ラッキーです。

二日目、くらいだったか。母とふたりでエレベーターに乗ると、途中の階から、白人の、ちょびっと派手な女性が乗ってきた。母が、『どこの国のひと? 旅行で来てるの? って聞いてくれ。』という。

イヤだよ、恥ずかしい・・・。って思ったけど。彼女が、こっちの様子に気付いてしまった。『何?』って顔をしたから。仕方なく、おハナシを始めたら。

彼女は、このホテルの最上階にあるバーの歌姫だった。母の『態度』が気に入ってしまったらしく。その夜もステージがあるから、是非、来てちょうだい、と言われた。母にロックはダメだろう、と思ったが。母は行きたい、と言う。喜んじゃって。・・・で、彼女の方も嬉しかったようで、『私の名前を出してくれれば、タダ(入場料があるんだわね、その店)で入れるから、絶対来てね!』と、名刺をくれた。

その名刺のお陰で、その夜。我々は、長蛇の列をごぼう抜きし、簡単に店に入場。彼女も母を覚えており、ステージが終わるたびに、話に来てくれる。お陰で、私たちは、店のひとたにちも、『なにもの?』って思われるようなVIP待遇を受けることになる。なんと。盆踊りしか踊れないのでは、って思っていた母が! ロックのリズムに乗せて、ディスコしちゃってるのを・・・。初めて見た・・・。う〜ん・・・・。

★★★

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