<イタリアを歩く>

−Nord (北イタリア)
 ベローナ
  ベルガモ
  ベネチア
 スキーリゾート  クールマイヨール
 スキーリゾート  チェルビニア

−Centro(中部イタリア)
 ルッカ
  ルッカの光祭り
  ピサ
 シエナ
 スペッロの花まつり
  グッビオのろうそく競争
 アッシジ
 オルビエート
  キャンチアーノ・テルメ
 ヴァーニョ・サン・フィリッポ
 コローディ村のピノキオ公園
  モンタルチーノ
 ローマの噴水
 ローマのブルゲーゼ公園
 バチカン市国

−Sud(南部イタリア)
 ポンペイ
  カプリ島


<ロミオとジュリエットの街「ベローナ」 ’97/3>

  シェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」の舞台になった「ヴェローナ」。ミラノとベネチアのちょうど真ん中当たりになるこの街は、しっとりと落 ちついた雰囲気を保ち、ヴェネト州きっての芸術の街として知られています。ミラノからもベネチアからも、日帰りで手軽に出かけられますので、旅のルートに 組み込んでみてはいかがでしょう? ヴェローナの見どころ、エピソードを、簡単にご紹介します。


*史実に基づく「ロミオ&ジュリエット」

  イギリスの劇作家シェイクスピアがこの作品を書いたのは16世紀末のことですが、実は、この悲劇の恋は一応、史実に基 づいており、14世紀初頭、街が教皇派と皇帝派に分かれて対立していた頃の話なのだそうです。教皇派に属していたのが、ロミオの実家モンテッキ(モンタ ギュー)家、皇帝派に与していたのがジュリエットの実家カプレーティ(キュピレット)家。両家の対立は、最初にダンテの名作「神曲」の中で紹介され、その 後、イタリアの作家パンデッロが二人の悲劇的な恋をテーマにした作品を発表しました。シェイクスピアは、この英訳をもとに作品を仕上げたと言われていま す。


*ジュリエットの家

  ベローナを訪れる観光客が必ずと言っていいほど足を運ぶのが「ジュリエットの家」。街を囲むように流れるアディジェ川の近くに、かつてカプレーティ家の屋敷であったといわれるゴチック様式の建物があり、一般公開されています。
建物はそれほど大きなものではありませんが、内部には、シェイクスピアの胸像やロミオとジュリエットの絵が飾られています。場所が場所だけにカップルで訪 れる人が多いのか、白い壁はいたるところ落書きだらけで、ハートマークも結構目に付きました。もちろん本当は禁止ですけれど・・。
 中庭にはジュリエットの可憐なブロンズ像があり、その上方に彼女が姿を表したというバルコニーも残されています。このバルコニーは7mもの高さのところ にあるうえ、近くには登っていけるような木もないので、ここにロミオがしのんで行ったというのは脚色であることが明白! ただ、煉瓦の壁にはツタが絡ま り、なかなか素敵な雰囲気に包まれていますので、そっと目を閉じると、「ロミオ、なぜあなたはロミオなの・・・」という名セリフが聞こえてきそうな気もし そう・・。中庭でバルコニーを背景に写真を撮る人も大勢見られますが、残念ながら、バルコニーにたたずんでの写真撮影は出来ません!


*ジュリエットの墓とロミオの家

  物語で二人が結婚式をあげたとされるサン・フランチェスコ・アル・コルソ教会には、「ジュリエットの墓」と伝えられる古い石棺が残されており、一般公開されています(ロミオも一緒に命を絶ったはずなのに、なぜジュリエットの墓だけなのかはよくわかりません・・)。
また、ロミオの実家モンテッキ家の屋敷も近くにありますが、こちらは1階がカフェになっていて、それ以外の部分は入ることができません。
 どちらも、ジュリエットの家から歩いて行ける距離ですので、帰りに訪れてみてはいかがでしょうか?

 *エルベ広場からシニョーリ広場へ

  ジュリエットの家から200mほどのところにあるエルベ広場は、かつてローマのフォーラム(広場)だったところで、周 りは宮殿や古い家に囲まれ、とても素敵な雰囲気を醸し出しています。中央には、政令や判決が読み上げられていた、という16世紀の演台や噴水、円柱なども 残されています。
 現在もここは、ヴェローナ市の中心地のようで、大きなメルカート(市)が立ち、アンティークから食べ物までいろいろなものが売られています。これは見て歩くだけでも、結構楽しいのでは?!
 エルベ広場のそばにあるコスタ門を抜けるとシニョーリ広場に続きますが、こちらには、ダンテの像や12世紀建造のの市庁舎、風格ある「ランベルティの 塔」(高さ84m)などがあります。塔は13世紀末期のものですが、ここの鐘は現在も使われており、ひとついは議会招集用、もうひとつは火災などの非常用 とされているそうです。

 *野外オペラの舞台「アレーナ」

 ヴェローナの「アレーナ(円形劇場)」は、紀元前1世紀の建築で、現存するローマ時代のアレーナのなかでも、ほぼ原型を 保つ貴重な建物として知られています。大きさは、約45m*約74mの楕円形で、44段の階段席があり、収容人員は2万5千人。建物は一般公開されてい て、観客席の最上部からは、街の風景はもちろんのこと、天候が良ければアルプスまでも見渡すことができます。
 でも・・、どうせアレーナを訪れるなら、やはり野外オペラを楽しみに出かけたいもの。毎年7月と8月は、夜9時頃から「アイーダ」などのオペラ作品が上 演され、深夜まで賑わいますが、これは、雰囲気も音響も抜群だと高く評価されています。カノマリア・カラスもプラシド・ドミンゴも、この舞台でデビューし ました。
 残念ながら私がヴェローナを訪れたのは冬場だったので、オペラは楽しめませんでしたが、友人の話によると、当日はまず入り口でろうそくを渡され、開演 前、当たりが暗くなると(イタリアは夏時間になると夜8時過ぎまで明るい)、それに一斉に火がともされる、とのこと。その瞬間は幻想的かつロマンチック で、とても素晴らしいそうです。
 ただ、野外オペラは人気が高いので、この時期、ヴェローナのホテルは予約が取りにくく、仕方なく郊外にホテルを取ると、今度は終演が遅くてホテルまで帰るのが大変だった、とも話していました。ご注意を・・。

 *ヴェローナへのアクセス

  ミラノとベネチアからは、それぞれ列車で約1時間40分、本数も多く便利です。国鉄ヴェローナ駅から市街地まではバスかタクシーで。アレーナのあるブラ広場で降りて、後はのんびり散策されるといいと思います。
 ブラ広場からエルベ広場(前述)までは、ショッピングストリートになっていますし、運が良ければ、ブラ広場で大道芸なども楽しめます! 


<ベルガモは、大人の街 ’96/7>

 ミラノから列車で1時間ほど、日帰りの小旅行にぴったりの街、ベルガモ。 優雅で落ちついた雰囲気のこの街にいると、時間が普段よりゆったりと流れているような気になります。広場のバールでくつろぐもよし、ショッピングするもよ し・・、リゾート気分で、のんびりと楽しみたい方に、ぜひおすすめしたいと思います。  以下、簡単にベルガモについて、ご紹介します。


*ベルガモの二つの街*

  ミラノ中央駅か北駅から普通列車に乗って、ベルガモ駅で降り立つと、駅前には大きな並木通りが続いています。かなり道 幅の広い道路で、両側にはブティックやリストランテ、バールなどが並んでいますが、まずは、この通りをまっすぐ歩いて、フニクラーレ(ケーブルカー)の駅 を目指します。駅までは20分くらい、もちろんバスもあります。  というのは、ベルガモは、美しく整備された麓の街「ベルガモ・バッサ」と、標高336mの小高い丘の上にある中世そのままの街「ベルガモ・アルタ」の二 つの街で構成されていて、その二つはフニクラーレで結ばれているからです。  「ベルガモ・バッサ」も、なかなか雰囲気のいい街ですが、やはり見処は「ベルガモ・アルタ」。街並みも、丘の上から見下ろす景色も素晴らしく、またオ シャレなブティックも軒を連ねているのでショッピングも楽しめます。

*「ベルガモ・アルタ」*

 「ベルガモ・アルタ」は、16世紀にヴェネチア共和国によって築かれた城壁に囲まれています。なかは、くねくねとした石 畳の路地が張り巡らされていますが、迷子になってしまうほど大きな街ではないので、人の流れについていけば大丈夫。フニクラーレを降りて5分も歩けば、中 央のヴェッキア広場にでます。  ヴェッキア広場の真ん中には、18世紀に造られた噴水があります。そして、その周りには高級そうなリストランテやホテル、ジェラートを売るバール、イン フォメーションなど。お天気のいい日には、広場を埋めるように、テーブルとイスが並べられて、のんびりワインを飲みながらくつろいでいる人がたくさんいま す。

*「ラジョーネ宮殿」と「コレオーニ礼拝堂」*

  ヴェッキオ広場には、イタリアで最も古い市の政庁とされる「ラジョーネ宮殿」があります。もともとは12世紀に建てら れたそうですが、現在のものは16世紀に再建されました。中央のバルコニーの上には、この街がヴェネチア共和国の支配下にあったことを示す「聖マルコの獅 子」も残されていて、遠い歴史をしのばせています。隣には鐘楼もあり、実際に上まで登ってみることができますが、ただし、こちらは有料!鐘楼から見下ろす ベルガモの景色も、また違った雰囲気で、なかなかのものでした・・。  そして、この「ラジョーネ宮殿」の奥にあるのが、ロンバルディア・ルネッサンスの傑作とされる「コレオーニ礼拝堂」。フィレンツエやミラノのドゥオーモ のように、外見は派手ではありませんが、どっしりと落ちついた雰囲気で、繊細な彫刻も一面に施されていますし、礼拝堂の中には、画家ティエボロのフレスコ 画や寄木細工の聖歌隊席などが残されています。ちなみに「コレオーニ」というのは、ベルガモの領主でヴェネチアの傭兵隊長を務めた人物の名前で、この礼拝 堂は、彼の柩を収めるべく造られたものだそうです。

*ベルガモでショッピング*

 「ヴェッキア広場」から続く「コレオーニ通り」は、「ベルガモ・アルタ」のメインストリーロ。道幅はせいぜい3mくらい の小さな石畳の路地(車は通れない!)ですが、両側にズラリと、ブティックやリストランテ、お菓子屋さん、パン屋さんなどが並んでいて、まさにショッピン グ・ストリート。とても素敵な雰囲気で、ウインドウを眺めながらのんびり散歩するだけでも楽しめます。  ブティックの中で目に付いたのは、ネクタイやスカーフなど絹製品を扱っているお店。値段も手頃で、ネクタイなどは2万リラ(1500円程度)位のもので もなかなかステキでしたし、動物柄など日本ではあまり目にすることのないような変わったデザインも、たくさん揃っていました。スカーフも種類は相当、豊 富。おみやげにおすすめだと思います! ベルガモに近いコモ近辺は、絹織物の生産地として知られていて、有名ブランドの工場もありますから、そのあたりか ら商品がきているのでしょうか・・? また、コレオーニ通りを道なりに進んだ先の小さな広場では、のみの市も開かれていました。ちょうど日曜日だったからでしょうが、アクセサリーや小物類から 家具、食器、銀製品、絵画、などなどいろいろ揃っていて、結構楽しめました。ただ、値段はどれも割と高めでしたが・・。

*ベルガモへのアクセス*

 ミラノから列車で1時間程度なので、日帰りで十分ですが、問題は本数が少ないことです。 特に午前中は、1本逃すとなかなか後がないので、必ず前の日にチェックしておきましょう。その時に、ミラノ中央駅(Centrale.F.S)発だけでな く、ランブラーテ駅(Lambrate.F.S)発の列車も調べてみること。ランブラーテ駅までは、地下鉄の2番線でいけるので、不便さはありません。地 下鉄の駅から国鉄の駅までは、構内に表示が出ていますし、歩いても2、3分です。ランブラーテ駅は小さいので、ホームなども、かえって中央駅よりわかりや すいかも!  料金ははっきり覚えていませんが、片道千円もしなかったと思います。私が行ったのは、日曜日だったせいか、列車はがらがらでした。  なお、国鉄の時刻表をよくみると、+印とか*印とか、いろいろついています。これを見逃すと結構、悲惨。これは休日運休などの印です。私も・・、ずっと 列車を待っているのに、全然こない・・、という悲しい思いをしました! もともと列車の本数が少ないので、ご注意を!

*おまけに・・*

 私がベルガモを訪れた今年の4月は、まるで初夏のような陽気でした。今回はあまり夜遅くならないようミラノに戻る予定 で、夕方5時頃には「ベルガモ・アルタ」を後にしようとしたのですが、フニクラーレの駅に行ってみると、登りの便が大混雑! どうやら地元の人たちが、夕 涼みがてら「ベルガモ・アルタ」に出かけてきたようなのです。夕方4時頃から、なんだか人が増えてきたなあ、と思ってはいましたが、見る見るうちに、人が 増えてきて、石畳の路地は人で埋め尽くされてしまいました。きっと、天気もいいことだし、ゆっくり買い物や食事を楽しもう、というところだったんでしょう ね!。  イタリアはサマータイムを採用しているので、夜8時、9時まで明るく、まさに「長い夜」という感じがあります。あんな暮らし方もなかなかいいな、と、そ れ以来、私はサマータイム賛成派になりました・・。


<ベネチアのカーニバル ’96/3>

「幻想的」という言葉がぴったりのベネチアのカーニバル。
イタリア語では「カルネヴァーレ」と言いますが、この華やかなお祭りは、冬の最中、2月に行われます。霧が立ちこめるサン・マルコ広場に、仮装した人々が 集う姿は、まるで映画のワンシーンのよう。中世にタイムスリップしたような想いさえ、味わえるのではないでしょうか。その歴史や雰囲気を、簡単にご紹介し ます。


*カルネヴァーレの歴史*

カルネヴァーレは、カトリックの宗教と結びついたお祭りです。かつて、カトリックの信者は、復活祭前の40日間は肉食を 断って修行しなければならなかったため、その修行に入る前に多いに肉を食べ、酒を飲み、バカ騒ぎしようと、祭りが始められたとか。カルネヴァーレとい 、言葉も、カルネ(肉)+レヴァーレ(取り除く、遠ざかる)からきています。祭りが始まる日は毎年違っていますが、これは、カルネヴァーレは復活祭の始ま る50日前から、と決められているため。今年は日程はまだ最終決定していませんが、2月9日または10日から10日間で、1月30日に決定する予定です。

*中断と再開*

17世紀から18世紀にかけて、ベネチアではカルネヴァーレがどんどんエスカレートし、人々は何カ月もの間、飲んだり騒い だりして楽しんでいたのだそうです。それが、18世紀の終わりにペストが流行して、多くの犠牲者が出、贅沢なことはいっさい禁止! と相成りました。それ 以後、すっかり華やかさは失われていたのですが、2世紀の空白を破って、1980年にカルネヴァーレが再開され、ベネチア市の主催で、人々の仮装を競うイ ベントが始められたのです。今や、カルネヴァーレはベネチアの一大イベントで、全世界から観光客が集まり、ホテルもなかなか取れないほどの賑わいをみせま す。

*カルネヴァーレの仮装*

ベネチア市は毎年、カルネヴァーレの開幕1カ月前に、その年のテーマを発表します。仮装の決め手は、なんといっても「マス ケラ(仮面)」。仮面を付けるようになったのは、18世紀の頃からですが、これは仮面をつけることで日常を離れ、自由の身になって祭りを楽しもう、という 意味がこめられているそうです。
仮面にも、目だけを隠す小さなものから、レースや羽根や金銀の縁飾りがある豪華なものまで、いろいろありますが、みんな、それを見事に衣装とコーディネイ トしているのが素晴らしい!イタリア人の美的センスの高さと、遊び心の豊かさを映し出しています。衣装も中世風から現代的なものまでいろいろあるようです が、やはり絵になるのは中世の貴族風。ベネチアに行くと、仮装した人々の写真やポスターを、いたるところで目にすることが出来ます。


*街の様子*

カルネヴァーレの期間中、街には仮装用のレンタルショップが登場し、リストランテには特別メニューが並び、旅行者でも参加できる仮面舞踏会なども催されます。どうせなら、なりきってしまうのも、カルネヴァーレのひとつの楽しみ方かもしれません!
でも、そこまでは出来ないと言うなら、サンマルコ広場やフェニーチェ劇場など人の集まる場所に足を運んで、その雰囲気をゆっくり楽しむ・・、そして、さりげなく写真にでも納める!
ベネチアの街自体、どこを撮っても絵になるほど魅力的ですが、カルネヴァールの期間はいっそう美しく、幻想的で、不思議なムードが漂っています。

*おみやげ*

ベネチアでは、どの店にもカルネヴァーレに関わるお土産物が並べられています。マスケラをモチーフにした物が最も多く、壁掛けからアクセサリーまでいろいろありますが、手軽なのはブローチやイヤリングなど。案外、値段も安くて、日本円で5百円から2千円くらいです。
これは、日本でも販売されていたりしますが、やはり種類は少ない。東京では、三軒茶屋の「アンニ・ヴェルディ」という店に置いてあります。
そのほか、カルネヴァーレのカレンダー、ポストカードもおすすめ。これは、イタリア国内でも、ベネチア以外ではまず手に入りません。とってもオシャレで素敵です! 私は、去年は、
新婚旅行でベネチアに行った友人にカレンダーを買ってきてもらい、使い終わった今は、その写真を切り取って、額に入れて飾っています。ポストカードも額に入れると、ちょっとした部屋飾りになりますょ・・。


<イタリアでスキー!!クールマイヨール編 ’96/3>


イタリアで楽しむスキー第2弾は、モンブラン(伊語でモンテ・ビアンコ)の麓に拡がる、「クールマイヨール」です。ここは、古くからの高級スキーリゾート で、町はシックで落ちついた雰囲気。石畳の道が続き、「アルプス博物館」(こじんまりとしていますが・・)や18世紀に作られた教会、映画館、スケートリ ンクもありますし、高級ブティックも顔を揃えています。スキー+αという感じで、楽しめるのではないでしょうか・・。
ちなみに、この街の近くには、イタリアでも評判の有名なレストランがあります!

*クールマイヨールについて*

街の標高は1224m。ミラノからは210キロ、バスで3時間程で、その先、モンブラン・トンネルを抜けると、そこはフラ ンス、シャモニーです。モンブランが国境なんですね・・。春先にはクールマイヨール近くのラ・パルードという街からロープウエーを3回乗り継いで、ヴァ レー・ブランシュ氷河の国境越えスキー(約18キロ)を楽しむことができます。ただしこれは、ガイドを頼んだほうが無難! なんといっても、アルプスのス キー場は、日本では想像がつかないくらい壮大ですし、天気も変わりやすいので、要注意です。
ゲレンデのオープンは、年によっても違いますが、12月初旬あたりから4月下旬まで。

*ゲレンデ*


ゲレンデには、ゴンドラが2本、ロープウエイが7本、リフトが7本、Jバーリフト14本あって、一番上まで行くと標高3470m! クールマイヨールの街まで、標高差2200mのコースを、様々なルートで楽しむことが出来ます。初心者、中級者でもOKですが、もちろん、
ハードなワールドカップ大回転開催コースもあります! 
とにかく景色は素晴らしく、堂々とそびえ立つモンブランを眺めながら、ゆったりと滑れるのが、このスキー場の特徴。やはり、感動ものです!!
ちなみに、リフト料金は、全エリア共通で、大人6日券が19万リラ=およそ1万3千円なり。
(これはマップルマガジン「飛行機で行くスキースノーボード 96」を参照)。なんだか、タダみたいな金額ですよね・・、うらやましい限りです。
ちなみに、イタリアではスキーに行くというと、1週間単位の人が多いので、こんな料金設定も可能なのでしょう。ホテルも、パッケージなどは1週間単位になっているようです。

*アフター・スキー*

高級リゾートなので、アフタースキーはなんでもあり! です。ディスコも何軒もありますし、オシャレなバール、レストラン も数多し。「ロイヤル&ゴルフ」というホテルには、プールもありました。石畳の通りには、メジャーなブランドのブティック、高級雑貨の店などもあるので、 ショッピングもOK。イタリアの商店は、ウインドウ・ディスプレイも、相当レベルが高いので、ウインドウ・ショッピングだけでも結構楽しめると思います。
クールマイヨールのすぐ近くにある「アントレーヴ」の街には「メゾン・デ・フィリッポ」という超有名なレストランがあって、ここは35品にも及ぶフルコースが安く味わえるとか・・。
残念ながら私は行けませんでしたが、建物は田舎の農家を改造していて、雰囲気もいいらしい!。もし機会があればお出かけしてみては?


*クールマイヨールへのアクセス*

トリノとミラノから長距離バス(プルマン)があります。ミラノのバス乗り場は、チェルビニア行きと同じく、スフォルツェスコ城前の広場にあります。ただ、本数は多くないので要注意。
トリノからなら、1時間に1本程度運行していますが、いずれにせよ、アオスタで乗り換える場合もあります。アオスタからなら本数も多く、乗っている時間も1時間程なので、アオスタから日帰りで行くこともできます。バス代は安いょ!
  

*イタリアへのスキーツアー*

チェルビニア編でもご紹介しましたが、旅行代理店の中では、アリタリア航空系のイタリアツアー社の代理店「ミキ・ツーリスト」が、ホテルのパッケージを扱っています。7泊ベース、3ツ星で5、6万円から、4ツ星だと10万円以上。クリスマス・ニューイヤー期間を除くと、
2月10日〜3月9日がハイシーズンで、この時期は2万円くらい高くなっています。
別に「ミキ・ツーリスト」には、何の恩義もないのですが、日本の旅行代理店は、まだあまりイタリアスキーに詳しくないので、たぶんここが一番無難。もちろん、もっとほかにもあるかもしれないので、何かご存じの方がいらっしゃったら、ぜひ教えて下さい。


<イタリアでスキー!!チェルビニア編 ’96/1

「ヨーロッパでスキー!」というと、フランスやスイスをイメージする方が多いと思いますが、イタリアでだってスキーを楽し むことは出来ます。マッターホルンを臨む広々としたゲレンデは、そりゃあもう最高!! 私が行ったときは、とてもお天気が良くて、真っ白の尖った山頂がす ぐそこにくっきりと見え・・、もう神々しいほどの美しさでした。
イタリアでのスキーは、食べ物も美味しいし、ショッピングも楽しめるし・・、スイスよりもお勧めだと思います。まだあまりメジャーではありませんが、アク セスも以外と便利で、頑張ればミラノから日帰りで出かけることも可能ですし、アオスタからなら、十分、日帰り圏内です。冬場は航空運賃も安いので・・、ぜ ひ、イタリアでのスキーにチャレンジを。

*チェルビニアについて*


ミラノからバスで3時間半のところにある街「ブロイル・チェルビニア」。
ここは、マッターホルン(イタリア語ではチェルビーノ、標高4478m)の南側山麓にあるスキーリゾートです。街はそれほど大きくありませんが、ホテルも いっぱいありますし、ショッピングも食事もいろいろと楽しむことが出来ます。11月中旬から滑走可能で、ちなみにスケートリンクもあります。


*ゲレンデ*

ゲレンデには、ロープウエイが7本、リフトが5本、Jバーリフト16本あって、一番上まで行くと標高3492m。また、標 高3480mまで上がるコースもあります。麓のブロイルーチェルビニアの標高は2050mですから、標高差1400mのコースを、様々なルートで楽しむこ とが出来ます。もちろん初心者から上級者までOK! 
雪質はいいし、ゲレンデは広くて長いし、景色は素晴らしいし・・、もう感動ものです。日本のスキー場とはスケールが違います。しかも、嬉しいのはゲレンデ に人が少なくて周りの人を気にしながら滑る必要がないこと。本当は多いのかもしれないけれど、とにかく広いので、他の人の存在が気にならないし、リフト待 ちもほとんどなく、くたくたになるまでスキーを堪能できます。

*スキーで国境越え*

滑っても滑っても終わらない(!)ロングコースが、チェルビニアのウリですが、もうひとつの目玉は、スキーをはいたまま国 境越えができるスイス・チェルマットへのツアー。ロープウエーで山頂付近に向かい、テオドール峠越えて滑って行きます。国境超えといっても、税関もなけれ ば警備の人もいなくて、ただイタリアとスイスの国旗が掲げられているだけですが、こんな経験はここでしか出来ないでしょう! ただ、このルートへのロープ ウエーは、風が強いと止まってしまうので、それが難点と言えば難点。実は、私も残念ながらこのコースは滑れなくて、くやしい思いをしました。反対に、スイ ス側からツアーでやって来て、イタリアで美味しい食事をとって帰る人も多いようです。

 

*山頂付近でのスキー*

日本のゲレンデでは、夕方になると、山頂に近いコースからクローズされていきますが、このチェルビニアでは逆。麓のほうか らリフトがストップし、上のゲレンデへのロープウエーは、最後まで運転しています。日が落ちてくると、下のゲレンデは頂の影になるため、滑れなくなります が、山頂は、まわりに何もさえぎるものがないから、最後まで日が当たり、より長く滑れるというわけです。スキーヤーはみんな、夕方近くなると上のゲレンデ で滑り、最後はまたロープウエーで降りてきます。麓は薄暗くなっているのに、上はまだ明るい、という光景は、なんだか不思議なものでした・・。

*スキー・ギア*

ブロイルーチェルビニアでは、あちこちにレンタルショップがありますので、ウエアさえ持っていれば大丈夫です。揃っている 用具も結構品質がよく、上級者でも満足できると思います。値段もそれほど高くありませんでした。ただ、貸し出しの時の身分証明にパスポートを持っていくの を忘れずに! ウエアに関しては、防寒対策を十分に。天気が良くても、やはり相当寒いですょ・・。また、小物類は、スキーショップなどでもオシャレなもの が売られています。

*チェルビニアへのアクセス*

トリノとミラノから長距離バス(プルマン)があります。トリノのほうが、距離的には近いのですが、旅の日程などを考える と、たぶんミラノのほうが便利でしょう。バス乗り場は、市内のスフォルツェスコ城までの広場にあります。ただ、本数は多くないので要注意。アオスタで乗り 換える場合もあります。アオスタからなら本数は結構あるので、もしチェルビニアでホテルが取れなかったら、アオスタから日帰りで行くのもいいかもしれませ ん。ちなみに、私は、そのアオスタ泊まりでチェルビニアに行きましたが、帰りのバスの時間をまちがえて、あわやヒッチハイクか、という目にあいまし た・・。バス代は高くなかったと思います。
  

*イタリアへのスキーツアー*

イタリアでのスキーは、まだ旅行代理店もあまり扱っていないので、めったなところに頼むととんでもない目にあいます。私 は、イタリアに詳しいと言われる某旅行代理店に手配を頼みましたが、全然情報を持っていなくて、結局、自分で手配しなおしました。旅行代理店の中では、ア リタリア航空系のイタリアツアー社の代理店「ミキ・ツーリスト」が、いろいろパッケージを扱っているのでいいかも・・。ただ、ヨーロッパのスキーリゾート では、普通は1週間単位での予約になるようなので、あまり短い日程だと受けてもらえないかもしれません。

<遺跡の町、ポンペイ ’97/4>

ナポリ近郊の遺跡の街「ポンペイ」。まるで時が止まったかのような静かなたたずまいのこの遺跡は、ローマ文化の一端を知る上で貴重な場所とされ、世界中か ら多くの観光客を集めています。ナポリと組み合わせたツアーもたくさん出ていますので、訪れたことのある方も多いでしょうが、2千年前の建物を丁寧に見学 するもよし、散歩気分でのんびり散策するもよし・・、と、なかなか興味深い場所ですので、お出かけになってみてはいかがでしょう。
以下、ポンペイについて簡単にご紹介します。


*ポンペイの歴史

紀元前8世紀に建設されたというポンペイの街。ローマ時代には、裕福な貴族達が好んでこの地に滞在し、商業も発達して人 口は2万5千人にもなった、と伝えられています。街並みも美しく合理的に整備され、住人達は演劇や競技なども楽しみながら、まさに豊かさに溢れた日々を 送っていたのです。
しかし、紀元79年8月24日のベスビオ火山の大爆発で、その幸せは一瞬のうちに闇に葬られてしまいました。街は大音響に包まれ、あちこちで火柱があが り、火山灰がとめどなく振り続き・・、灰の量はなんと2日間で厚さ6、7メートルにもなり、街のすべてがうめ尽くしてしまったのでした。
再び、ポンペイが注目されたのは18世紀になってからのこと。ブルボン家によって組織的な発掘が始められ、当時の街の様子が少しずつ明らかになりました。 灰の中から突如あらわれた世界の、あまりの素晴らしさ!その生活水準の高さには目をみはるものがありました・・。やがて、ポンペイの名は世界的に知られる ようになり、現在にいたっています。

*ポンペイを歩く

 ポンペイの廃墟は、現在、大きな公園のようになっていて、入り口でチケットを買い入場する仕組みになっています。とに かく広くて、迷子になりそうなので、できればガイドさんに案内してもらうほうがよいでしょう。もちろん、1日たっぷり楽しめるというなら、地図を片手にの んびり歩いてみるのもおすすめです。
詳しい解説はガイドブックをみて頂くほうがよいと思いますが、チェックポイントをいくつかあげると・・、

・アポロン神殿やバシリカが並び、足元は大理石の板石で舗装されていたという「フォロ(広場)」
・紀元前80年、最古のものと言われる「円形劇場」
・男女別に分かれた複数の浴室を持ち、床が二重構造になっているため一定の室温に保たれていた、という「スタビアーネ浴場」
・入り口の床に、モザイクで、鎖につながれた犬の姿と”猛犬注意”の一言が描かれている「悲劇詩人の家」
・装飾が豪華なことで知られ、現在はアトリウムや噴水、庭園などが再現されているほか、部屋の壁に色鮮やかな絵が描かれている、富豪の住居「ヴェッティの家」
・大小50の部屋があり、ある部屋の壁一面に赤地の鮮やかな絵が描かれている、貴族の旧別荘「秘儀荘」
といったところでしょうか?

ほかにも、商店だったと思われる建物に、ワイン用の大きなカメが並んでいたり、パンをやいたであろうかまどがあったり、また、道路は歩道より一段低くなっ ていて、ところどころに横断用の飛び石がおかれ、雨がふってもぬれないで渡れるようになっているなど、細かい部分にも思わぬ発見があります。当時の人々の 発想の豊かさには驚くばかりです。



*ポンペイの赤

ポンペイのいくつかの建物には、濃い赤の色調で描かれたフレスコ画が残されています。これは”ポンペイの赤”と呼ばれている独特のもので、もともとは、魔除けの意味が込められていたそうです。
「秘儀荘」のほうは、ある広間の大きな壁一面に描かれていて、その内容は、若い花嫁に”ディオニュソスの秘儀”を手ほどきする、というものだとか・・。ま た「ヴェッティ家」のものは、神話から題材をとった絵や当時の人々の生活の様子を描いた絵が残されています。そのほか「娼婦の家」にも、なんとも思わせぶ りな絵が描かれていたような・・。まぁ、これは御自身でお確かめ下さい!

*2千年前の空間を歩く不思議さ

 ポンペイの街を歩いていると、まるでタイムスリップしてしまったような不思議な感覚を味わうことができます。私が訪れ たのは晩秋で、人が少なかったせいもあるでしょうが、2千年近く前に、ここに多くの人々が集い、毎日の暮らしを楽しみ、時には恋の駆け引きも行われていた かと思うと、なんだか胸が熱くなるようでした。遺跡としての面白さを探るだけでなく、いろいろとイメージを膨らませながら歩いてみる
のも、楽しめるのではないでしょうか・・。

*最後に・・

 なお、ポンペイ観光はツアーの場合、ガイドさんが付きますので、チェックポイントを効率よく案内してくれると思います。ポンペイは交通の便もあまりよくないので、時間的なことを考えても、日帰りツアーに参加されたほうがいいかもしれません。
ローマのホテルで申し込めるバスツアーもありますが、ただ、ガイドは英語のことが多いので、やはり日本語のガイドブックを持っていかれたほうがいいと思います。


<カプリ島でバカンス!>

リゾートスポットとして知られるカプリ島。ナポリの港から水中翼船で1時間余りと近く、
ローマから、日帰りのツアーなども出ていますので、チャンスがあれば、ぜひお出かけになってみて下さい! なんといっても「青の洞窟(Grotta Azuurra)」は、最高です!!


*カプリ島の歴史*

 古代ローマ時代には、初代皇帝アウグストゥスやティベリウスが滞在したという、歴史深いカプリ島。19世以降は、芸術 家や音楽家、俳優などが好んでこの島を訪れるようになり、今も島のあちこちにたくさんの別荘が点在し、高級リゾートホテルも軒を連ねています。といって も、それほど俗化した感じはなく、どちらかといえば素朴で落ちついたイメージがあります。ただ、私はシーズンオフに行ったので、夏場は全く雰囲気が違うか もしれませんが・・。
 この島の魅力は、なんといっても美しい景観。海の色が、透き通るようなコバルトブルーで、本当に美しく、感動的でした。

*マリーナ・グランデ*

 ナポリの港から水中翼船で1時間余り、船は島の北側にある港「マリーナ・グランデ」に到着します。グランデといったって、そんなに大きくなく、お土産物屋さんも数えるほどですが、
海側からみると、真っ白に塗られた家が並んでいて、なかなかいい雰囲気です。「青の洞窟」に行く船も、ここから出ています。
 なお、カプリの街は高台にあるので、このマリーナ・グランデからケーブルカーで登ることになりますが、距離はほんのわずかなので、あっというまに着きます。また、バス便もあり、このバスはカプリの街を経て、もう一つの街アナカプリまで行っています。
 ちなみに、マリーナ・グランデのお土産物屋さんには、Tシャツや絵はがきなどに混じって、貝を使った飾り物など海辺のリゾートらしい商品が並んでいました。

*青の洞窟(Grotta Azuurra)*

 

 カプリ島で絶対見逃せないのが「青の洞窟」、洞窟は島の北西部にあり、マリーナ・グランデから遊覧船で向かうことになります。天候や波の状態によって船が出ないときもあり、特に冬場はチャンスが少ないそうですが、私は運良く訪れることができました。
 まず遊覧船は、洞窟の沖合いに向かい、そこで、5、6人乗りの小さな手こぎボートに乗り換えます。これは、洞窟の入り口が小さく、ボートでしか入れない ため。しかも、洞窟に入るときはみんな身をかがめなければなりません。でも、中に入ってしまえば、もう別世界。洞窟の中に差し込む光の屈折の関係で、海は 不思議なほどキラキラと輝き、その色は「青(BLU)」というより、まさに「水色(AZZURRO)」そのもの。あんな美しい色は見たことがなく、どう表 現すれば伝わるのか・・。水の中に手を入れると、それがくっきりと見えるほど透明度が高く、洞窟のなかも明るく照らし出されていました。
 もうひとつステキなのは、ボートの船頭さんたちがカンツォーネを歌ってくれること。洞窟の中には、観光客を乗せたボートが何漕も入るので、お互いの位置 を知らせるために歌を歌うと聞きましたが(もちろん、サービスの意味もあるでしょうね・・)、何人もの歌声が洞窟の中に反響して、それはもう、うっとりす るほどの素晴らしさでした。
 実は、その様子をテープに録音してきましたので、近日中に公開したいと思います。ぜひ、お聞き下さい!!

*カプリの街*

 マリーナ・グランデから、ケーブルカーに乗ると、街の中心ウンベルト1世広場に着きます。とっても小さな広場ですが、 周りの建物は石灰で真っ白に塗られていて、なんともロマンチック。近くにはお土産物屋さんや高級ブランドのブティック、リストランテ、ホテルが並んでいま す。広場からつながる石畳の道は、ティベリウス帝の別荘だった「ジョヴィス宮」や「カンノーネの見晴らし台」につながっていますが、この見晴らし台からの 眺めも最高でした。自然が作り上げた素晴らしい景観に乾杯! という感じでした。

*ローマからの日帰りツアー*

  カラーニ社の「ナポリ・カプリ島・ソレント」のパッケージツアーは、朝7時半出発(ホテルへの迎えは7時)、夜10時帰着。ガイドは英語ですが、手軽に出かけたい方にはオススメだと思います・・。