ジャンボ! アフリカ 〜番外.“コリオリの力”の真実〜

 

 さて、ケニアで初めて赤道を越えた感動と、本当に赤道を挟んで渦が変化するコリオリの力を目撃した興奮は自分にとって一生忘れられない旅の想い出になった…と思っていた。
 ところがどっこい、そんな旅の良き想い出が根底から覆される事実が、帰国して3ヶ月もたってから発覚したのである!?(旅行記は旅の直後に書いたが、この番外は旅から3ヶ月たった時点で書いている)

 4月19日、某TVの新番組を何気なく見ていた時のこと。
 それは、世界各地の自慢すべき技などを持った人を紹介する…といった趣旨の番組だったが、その中でケニアの赤道にて観光客相手に“コリオリの力”の実験をしている男性が紹介されたいた。
 場所はナニュキュだったが、実験の道具や方法(プラスチックのボウルや木の小枝を使い、赤道を挟んで南と北半球・赤道の真上の3ヶ所で行う)、渦の巻き方(北半球では時計回り、南半球では反時計回り)、お金を取って実験を行い、赤道通過証明書を発行するところなど、全て私がニャフルルで見たことと同じだった。

 問題なのはその先。その“コリオリの力”のVTRを見た日本の科学者さんが、ケニアの赤道で行われていることは理論上ありえない、つまり“インチキ”だというのである。

 …えっ?! ( ̄□ ̄;) 

 それじゃあケニアで私が見たのは一体何だったの??ケニアを旅すると、ナニュキュを始め赤道では観光客相手にコリオリの力を実験して商売する人が必ずいる。そのことはガイドブックやツアー会社のパンフレットでも紹介され、半ば公認の事実なのに…????

 その番組での解説によれば、“コリオリの力”の現象は地球の自転によって起きるが、台風のような大きな力でないと作用しない。そして渦の巻き方も、北半球では反時計回り、南半球では時計回りが正しいのである。(考えてみれば、日本に来る台風は反時計周りに動きながら進んでいるじゃないか!)
 よって、赤道で行われている実験は理論上ありえないということなのだそうだ。
 でも、私が実際に見た実験も、その番組で紹介されていた実験も、渦は“理論”とは反対の巻き方をしている。

 ではなぜ、理論上ではありえない水が渦を巻く現象が起きたのか?それも赤道を挟んで理論とは反対の渦の巻き方をしたのか?
 その番組の推測によれば、それはポットからボウルに水を流し入れるときのちょっとした手加減によって、渦を自在に起こせるらしい。そして、赤道の真上で渦が巻かなかったのは、渦が起きないようにソッと流しいれただけのことだとか…。

 つ、つまりはだまされたってことですか〜〜??しかも、その番組スタッフは200シリングを払っていたが、私はその倍以上の500シリング払ったんだぞぉ〜?!
 それより、その実験を見た時、子供のようにはしゃいでしまった私って一体…。( ▽|||) コリオリの力が何たるかを知らずに、自分の無知をさらしただけじゃん!!
 だまされたとかいうより、自分の無知で間違った事実を真実のように思って喜んでいたことが1番ショックだった。

 この事実を自分の目で確かめるべく、再びケニアへ、そして赤道へ行きたいという想いがあらためて強くなったことは言うまでもない。(←そういうものか?!)
 最後に、もし、これからケニアに旅行しようと考えている方、ネタばらししちゃってゴメンナサイm(_ _)m