ジャンボ! アフリカ 〜12.太る、肥る、ふとるぅぅ〜〜!〜

 

 初めてのサファリドライブでは、ゾウ、グランドガゼル、トムソンガゼル、バッファロー、シマウマ、ヌー、ダチョウ、コサギ、カンムリヅルなどに出会い、ご機嫌な笑顔でロッジに帰ってきた。
 サファリドライブは通常2時間で、この日も18時過ぎにロッジに帰ったが、まずシャワーを浴びてから夕食を摂ることにした。
 なんせ、あの2時間のドライブでたくさんの砂埃を浴びたから、先にシャワーにしようとなった。アンボセリの道は乾燥していて、車が走ればモウモウと砂埃が舞い上がって、先行車があれば前が見えなくなるくらいひどいものだった。当然、車の天井から頭を出して見ていた私も影響を受けるわけで、ズバリ言えば鼻の穴まで真っ黒になった。

 シャワーを浴びてきれいになったところで、ロッジの食堂でカロと一緒に夕食を頂く。
 アフリカのロッジの食事ってどうなんだ?と思われるかもしれない。
 ここで先に書いておくが、今後どこのロッジに行っても大体同じ、3食ともビュッフェ形式(夕食はコース形式の所もあったが)で好きなものを好きなだけ食べ放題だった。

 スープに始まって、パンはロールパンやクロワッサン、ジンジャーパン、黒パン、普通のトーストなどなど、いつも2〜3種類のパンがあって、ここからまず目がウロウロする。バターは日本のように1人分ずつ個別包装されたものではなく、1〜2センチ四方くらいの大きさに切られた物がボウルに入った水の中に浮かんでいて必要なだけ取ることもあったし、ロッジによってはそのままお皿に乗せてテーブルに置いてあることもあった。

 それからサラダ!サラダも常に4〜6種類くらいあって、私はいつも全てを味見してまわっていた。カチュンバリと呼ばれるトマトとタマネギ、シシトウ(あるいはピーマン)のサラダはどこのロッジでもあった。
 ところで、少し話がそれるが、アフリカでは絶対生水を飲んではいけない、お腹の弱い人は生野菜のサラダや絞りたて果実ジュースなども飲食してはいけないと言われている。中には、うがいの水までミネラルウォーターを使ったという人の話も聞いていた。しかしまあ、確かに衛生管理が異常なほど徹底されている日本から来た人間にとっては、不衛生きわまりない環境なんだろう。
 私も、水に関しては生水を避け、ミネラルウォーターを飲んだ。しかし、生野菜のサラダは朝昼晩食べまくっていたし、うがいだって蛇口から出る水をそのまま使った。これ位はその土地の水が体に入ったほうが免疫力アップにつながってよろしい?と勝手に解釈している。
 帰って、医療関係者の友人にこのことを話したら、「体、大丈夫だったの?」と言われたが、旅の間お腹は全然どうもなく、便通も普通だったし、その他体調もすこぶる良く、元気に旅を終えることが出来た。カロにも、「あなたは全然体元気で1番良かった」と誉められたほどだ。
 帰ってからも、体調に全く異変は起こらなかった。

 スープ、パン、サラダときたらメインは肉か魚だが、圧倒的に牛やラム肉が多かった。テラピアなどの魚料理もあったが、小麦粉などで薄皮をつけて油で揚げたものが多かった。ケニアでも東海岸やビクトリア湖でとれた魚が料理されるが、やはり肉料理が中心とカロも言っていた。
 食べ物に関しては結構口にもお腹にもあって、さほど不満もなく、白米とか日本食が恋しいと思うことはなかったが、唯一食べたいなぁと思ったものがある。
「煮魚食べてぇ〜!お刺身食いてぇ〜!」

 そして最後はデザートなのだが、まぁ、なんてたくさんのケーキにプリン、ゼリー、ムース、果物なんでしょう♪目がキラキラキラリンの状態になってしまった。デザートもいつも4〜6種類はあるのだ。
 果物もマンゴーやパイナップル、リンゴ、スイカ、バナナなどがあった。スイカはケニアではほぼ1年中食べられるとカロが言っていたが、水気はたっぷりだがあまり甘くはなかった。リンゴも日本のものよりは小ぶりで少し酸っぱくて、カロも「日本のリンゴの方が美味しい」と言っていた。
 ケーキに関しても、やはり日本の方が美味しいとは思ったが、種類の多さに嬉しくなって、デザートも朝昼晩に食べまくっていた。

 食事はツアー料金に入っているが、飲み物に関しては別にお金を払って注文しないといけない。日本のようにコップに入った水が出てくるわけでもないから、水が飲みたければミネラルウォーターを買わないといけない。
 ロッジによって微妙に料金は違ったが、ミネラルウォーター1リットルが大体100〜150シリングだった。他の飲み物は、フルーツジュースにファンタ、コーラ、スプライト、サイダーに、ビール、ワインなど…。で、正直に書きましょう。私は毎晩タスカービールを飲んでいました。(笑)500ミリリットルの瓶入りのタスカービールが、これもロッジによって違うが180〜200シリングなのだ。水が高いからか、泡出麦茶の方が安くお得に感じられた。
 お味はというと、あっさりした喉越しで、ビール独特の苦味も少なく飲みやすい。日本のあっさりドライラガーといったところか。アルコール度も4・7パーセントと若干軽めで、瓶1本を一気に飲んでもそんなにこたえなかった。
 タスカービールのラベルは黄色地をバックに牙と目だけが白く描かれた黒いアフリカゾウのシルエットがデザインされていて、とっても可愛い。ちなみに、タスカーとは“象牙”という意味なのだそうだ。

 食事の後、紅茶・コーヒーはバーでセルフサービスだが無料飲み放題である。イギリス植民地時代の影響か?コーヒー・紅茶と一緒に用意されているのはお砂糖とホットミルクだけで、ミルクティにして飲むのが一般的である。ケニアやタンザニアはコーヒー・紅茶の産地として世界的に有名なのだ。(カロの説明では、コーヒーはタンザニア、紅茶はケニアの方が美味しいとのこと)ミルクティはコクがあって本当に美味でした。

 それから朝食には必ずタマゴ料理。ってなわけで、どのロッジでも朝は絶対コックさんがフライパンを持ってガスコンロの前に立っていて、頼めば目の前でオムレツを作ってくれるのだ。そのままプレーンでも作ってくれるし、側にあるタマネギ・トマト・チーズをみじん切りにしたものを好きな分だけ一緒にタマゴの中に混ぜて作ってくれる。タマゴも1人に2個ずつといてくれて、なんとも豪華なオムレツである。
 そういえば、ゆで卵が置いてある所はあったけど、目玉焼きは見かけなかったなぁ。

 あと、ロッジによってはケニアの主食ウガリがあって、それも食べてみた。ウガリはトウモロコシや小麦、キャッサバなどの粉を根気よく練って蒸したもので、丸くて、見た目や食感は鹿児島のかるかんみたいだった。味は無くて、食べた感じは日本のソバガキみたいでもあり、味が無いから肉などと一緒に食べるのだと言われた。
 そうそう、マサイマラのフィグツリーでは再びインパラの肉も食べたっけ。カーニボアで焼肉として食べた時はなんじゃこりゃ状態だったが、フィグツリーではビーフシチュー風になっていて、柔らかく煮込んであって美味しかった。

 ま〜、それにしてもケニア滞在中は朝からよく食べたこと、飲んだこと…。下痢にもならなかったので、帰る頃にはお腹周りがヤバイかな?とは思ったが、それでも最後まで食べまくって帰宅した。
 帰ったら体重が2キロも増えていて、ダイエット警報が発令されたのは言うまでもない。