雑 感 |
平成15年2月19日
街づくりワークショップを終えて(3) 江南市の都市像と街づくり
◆ ふれあいの町、住みたくなる街・江南
「昔の賑わいを!”5”と”10”のつく日は古知野には”市”があって賑わっていた、あの賑わいを!」
とは、ある年配の方のメール。江南駅の玄関口の駅前がいかにも淋しい、と嘆かれる。
しからば、今一度活気ある商店街を、とはどこからも聞こえてこない。
中心市街地と言われる、駅前、本町通りの商店街は、シャッターが下りたままで、中には店舗が取り壊され、駐車場のオンパレード。
中心市街地の活性化をと、始まったワークショップだが、商業の活性化を表立って唱える方はほとんどない。商業者の参加もまばら、と言った状況だ。
結局は、人が集まる魅力がない、と言うのが大方の意見だ。人の集まるところと言えば、買い物でも図書館等文化、スポーツ施設でも郊外に移ってしまった。車社会の到来で、比較的土地確保のしやすく、広い敷地の確保できる郊外へと向かってしまった。
それはそれでよいが、中心市街地が空洞化してしまい、車なくしては買い物でも公共施設でも利用ができなくなってしまった。交通弱者と言われる、お年寄りや子供たちは恩恵に浴しにくい。
時あたかも、超高齢化社会を迎え、その対応が論議されている時期。高齢者に優しい街づくりは、時代の求めるところでもある。また、車社会からの決別も地球環境の保持と言う観点からは今日的な課題だ。
そこで街づくりのコンセプトとして「ふれあいの街、住みたくなる街・江南」が浮かび上がってきた。
コンセプト設定の解説を「江南市中心市街地まちづくり推進協議会」の提言書から拾い出してみよう。
市街地の活性化といえば、まず商業の活性化であって、それから中心市街地の活性化があると認識されるケースが多い。当提言においては、先にいろんな施設 が整い、便利な、そして人とのふれあいもあり、老若男女、心身ともに充実した生活が送れる、きれいな、楽しい、本当に「住みたくなる街」をつくり、結果として商業も活性化される。つまり商業の活性化は、「住みよい街づくり」の結果であるとの認識に立って、まず「住みたくなる街」作りを目指すべきであると考える。
「ふれあいの街」「住みたくなる街」には、物質的な都市環境や自然環境が豊かで美しいと同時に、人と人とのふれあいや歴史・文化など、地域の個性に魅力があると言う両面の充実が不可欠。特に、これからの高齢化・少子化社会にあっては、ともに語らい、楽しみ、支えあう、と言った地域での「ふれあい」こそ、最も大切な要素となる。もちろん、「住みたくなる街」は、健康・医療・福祉が充実し、生きがいを持って生活できる街であることは言うまでもない。
「生涯を安心してゆだねられる街」、これこそ本市が21世紀に目指すべき「街づくり」といえるのではないか。
この考え方は、まさに「江南駅西地区のワークショップ」での協議内容と一致する。しかし、考え方が受け入れられるまでには、かなり困難が予想されることは、策定委員会での協議でも伺える。それだけに粘り強く訴えていく必要がある。20世紀型の”物”の豊かさから21世紀の”質”の豊かさへの転換のためにも。
このコンセプト実現のための要件のひとつとして上記提言書には「情報化・交流の推進」が挙げられている。このことも、駅前のワークショップの考えてきたことと共通している。
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