2004年6月23日(水)〜27日(日)
於:中野 スタジオ・あくとれ
〒164-0001 中野区中野2-11-2 サン中野マンションB1F
Tel:03-3384-3495
公演は終了致しました。
沢山の御来場、ありがとうございました。
岸田理生の『火學お七』という作品と出会ってから、早い物で二十年以上の月日が流れた。この作品を思う時、私は「宿業」という言葉と「劫火」という言葉、そして「浄化」という言葉を同時に思い浮かべるのである。怨念を浄化していくための焔、そして、一人の女の宿業が癒されるためには、世界の破滅が必要なのだというある種エゴイスティックなロマンチシズムの中に、私は情念の極北としての美を見いだしていたのだ。
放火という行為には性的なストレスが大いに関係しているという説がある。恋しい人との逢瀬を願って火を放った八百屋お七は、十五歳以下の子供の罪は問わないという法度を使って減刑しようとした奉行の計らいに対して、あくまで自分は十六だと主張して火炙りとなったが、『火學お七』のお七は、自分の年齢を偽って、その後十年を生き延び、
「きのう死んでも、よかったような、明日、死んでもいいような……かと言って今日、死にたい程の訳があるじゃなし」
と嘯く。十年の間、ブスブスと燻るように消える事の無かった火種が、その宿業と怨念を浄化する、煉獄の炎のようになって燃え上がる……そんな刹那を現出せしめたら良いと願うばかりである。
もう、四半世紀になろうかという間、私は岸田理生という劇作家の背中を見ながら歩き続けて来た。昨年、岸田理生が「月より遠い場所」へと逝き、もう先達の背中を見る事は出来なくなった。私は、私自身の次の一歩、演劇実験室∴紅王国の更なる一歩の為に、岸田理生の『火學お七』という劫火の芝居で、演劇の荒野を焼き払いたいと思う。その焦土の上を歩いていきたいと思う。その為に燐寸を擦ろうと思う。
紅王
私達、紅王国では、通常の本公演に相当する興行を『召喚式』と呼んで来ました。これは、「演劇を作り上げていく事は魔術的な行為である」という主宰者、紅王こと野中友博の考えに基づいています。
一方、昨年より展開し始めた『補完計画』は、一般の劇団がアトリエ公演、ワークショップ公演などとして行う小公演に相当します。文字通り、創作集団としての私達『演劇実験室∴紅王国』の創作活動でこぼれ落ちていく部分や弱点を補完するという目論見から出発しました。社会性を持った幻想的な様式演劇という紅王国のイメージから外れるスタイルのレパートリー、野中友博以外の作家の作品といったレパートリーを積極的にとりあげ、『召喚式』とはひと味違った紅王国をお見せします。
今後も、『召喚式』と『補完計画』を両面展開する事で、作品の幅を拡げ、密度や完成度も高めて行きたいと思います。
料金 前売.\3,000- 当日.\3,500-
入場券は日時指定自由席。前売り、予約優先の整理券制です。
6/23(水) | 6/24(木) | 6/25(金) | 6/26(土) | 6/27(日) | |
昼の部 | × | × | × | 2:00 | 2:00 |
夜の部 | 7:30 | 7:30 | 7:30 | 7:30 | 6:00 |
公演は終了致しました。
多数の御来場、ありがとう御座いました。
当日券、及び入場整理券は、開演の90分前より発行します。
開場は開演時間の30分前です。
※『岸田理生作品連続上演2004』全プログラム通し券(\10.000-)も御座います。(限定十枚)
通し券についての問い合わせは下記よりメールでお問い合わせ下さい。
kurenai-office@angel.biglobe.ne.jp
「岸田理生作品連続上演2004」
−気鋭の4劇団 岸田理生を食す!−
ルームルーデンス公演
「料理人」
作◎岸田理生、演出◎田辺久弥
期日◎6月15日(火)、16日(水)、17日(木)
場所◎中野スタジオあくとれ
料金◎前売3000円、当日3500円
問合せ◎03−3740−1354(劇団事務所)
榴華殿公演
「捨子物語」
作◎岸田理生、演出◎川松理有
期日◎6月19日(土)、20日(日)、21日(月)
場所◎中野スタジオあくとれ
料金◎前売3000円、当日3500円
問合せ◎0426−69−0889(劇団事務所)
演劇実験室∴紅王国 第弐次補完計画
「火學お七」
作◎岸田理生、演出◎野中友博
期日◎6月23日(水)〜6月27日(日)
場所◎中野スタジオあくとれ
料金◎前売3000円、当日3500円
問合せ◎03-5453−8791(ワークスクリエイティブ)
指輪ホテル公演
「リア」
作◎岸田理生、演出◎羊屋白玉
期日◎7月8日(木)〜11日(日)、15日(木)〜19日(日)
場所◎EXREALM(エクスレルム)
料金◎前売3500円、当日4000円
問合せ◎03−5333−6152(ビーグル株式会社)
* 尚、6月28日(月)には「水妖忌」(偲ぶ会)がスタジオあくとれにて、7月11日(日)指輪ホテルのマチネ終演後にはシンポジウムが、7月5日(月)には旧岸田理生カンパニーのメンバー等によるリーディング「海鰻荘奇談」がエクスレルムにて予定されています。
* 通し券を10000円にて発売致します。このチケット一枚で「水妖忌」以外の催しすべてが見られます。又、当劇団のチケットの半券をお持ちの方は、シンポジウムを無料で、リーディングを1000円にてご覧になれます。
問合せ◎045−663−3082(理生さんを偲ぶ会 宗方)
* 当シリーズは、中野スタジオあくとれ及びEXREALM(エクスレルム)の協力を得、、「理生さんを偲ぶ会」の企画、各劇団の制作によって行われます。
* 尚、シリーズの詳細は下記のホームページでもご覧になれます。
http://www1.odn.ne.jp/~cam70590/rio/
演劇実験室∴紅王国 第二次補完計画
岸田理生一周忌追悼公演 『岸田理生作品連続上演2004』参加
作/岸田理生 構成・演出/野中友博
火學お七
2004年 6月23日(水)〜27日(日)
於・中野スタジオあくとれ