熊 公 鍛 冶 工 房


熊公の工房における鍛冶作業の日誌
特別な事柄は印を付け『鍛冶作業記録』にも書き込みます

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2025年01月06日(月)
2025年 鞴始め(初打ち)

 工房着:午前10時00分  作業開始:午前10時20分−作業終了:午後4時10分
 工房の気温:2度

  2025年

  乙巳
  

 2025年(令和7年)が明けました。昨年28日から9連休を貰いました。正月2日には長男・次男夫婦に孫、義妹夫婦が我が家に集まりました。10人での新年の集まり、狭い我が家、良くは入れたものです・・・。やはり孫が中心になりました。ハイハイをして、お座りが出来る状態、なんでも口に入れる時期ですから目が離せませんが、本当に可愛いです。3月末に名古屋に会いに行くつもりでいます。

 長男は大晦日に蕎麦打ちをしに来ました。熊公は蕎麦粉や蕎麦打ち道具をなどを準備するだけ、あとは時々アドバイスをするくらいでした。蕎麦粉1.2kgを良く打ち上げましたが、我が家の蕎麦は『九割り蕎麦』なのでちょっと要領が必要です。今回は延ばし方が悪かったのでしょう、細く長くではなく、細く短い蕎麦になりました。でも、蕎麦粉は戸隠から取り寄せたもの、味は甘くて美味しい蕎麦でした。義妹夫婦、お嫁さんの実家に届けに行きました。長男の蕎麦打ちは三回目です。あと数回やればちゃんとしたお蕎麦を打てるでしょう・・・。

 いつもだと4日か5日に『鞴始め』をしますが、今年はお休みの関係で今日6日成りました。今日も小林 一茶の俳句 『百福のはじまる 鞴はじめ哉』 の句を頭に浮かべながら作業しました。『三品』は少し小さく造ろうと思って居ましたが、いつもと同じ大きさになりました。

 
  今年最初の火は火打ち石で                        今年最初の火    

 新年最初の採火はやはり神聖な気持ちになります。ガスバーナーでチョイと火を付ける気持ちには成りません。今年も火打ち石を使って採火しました。今回の採火で『火口』が心もとなくなってきたので近いうちに作ろうと思って居ます。

 『三品』製作は『鍵』→『鎌』→『矛』の順で作りました。採火作業は11時頃からになりました。『三品』の鍛造は2時半過ぎでした。ここから台に据え付ける作業。そして、並べておいてある棚に並べました。今年は工房開設20年を過ぎましたから、並んでいる『三品』はちょっと迫力が出て来ました。

 
      今年の『三品』                       ずらりと並んだ20年分の『三品』

 『三品』の製作後は火床の掃除をしてハンマーに注油、そして、水道の元栓が凍りつくことが多くなって来たので、凍結防止に発泡ウレタンを巻いてやることにして作業しました。その後、長ネギの収穫をしようと思ったら雨が降り出しました。40日ぶりくらいの雨でした。畑には恵みの雨に成りました。

 さて、2025年はどんな年に成るでしょうか・・・。昨年は依頼品製作で農作業のタイミングを逃すことが多かったので、週に1度位は自分の日を作るつもりで居ます。

 明日からは『大型 四方手裏剣』の制作に取り掛かります。10枚製作しますが、四方手裏剣は全ての辺に刃付けをするので時間が掛かります。その為、4枚鍛造して、2枚ずつ仕上げるペースで作業しようと思っています。
2025年01月07日(火)
 工房着:午前10時05分  作業開始:午前10時25分−作業終了:午後2時55分
 工房の気温:6度

 朝少し雨が降っていましたが、家を出るときには上がっていて、青空も見え始めました。荒川を渡るところで浅間山の形をした雲が眺められました。これは浅間山遠望にはカウント出来ないですね・・・。

 今日からは通常の作業です。まずは『伊蔵』さん依頼のものを仕上げていきます。まず最初は『大型 四方手裏剣』10枚の製作、4枚鍛造して2枚ずつ仕上げていくと考えましたが、6枚は鍛造出来そうですから、6枚鍛造して、2枚ずつ3日で仕上げていくことにしました。

 まずは素材の切り出し、そして、切れ込みを入れていく作業です。そして、11時頃から鍛造作業をスタートしました。十字に開くところまでは6枚一緒、そこから打ち広げて行く作業は2枚ずつ行いました。2時前には鍛造作業は終了しました。
 素材の大きさ少し大きすぎました。切り捨てるところが多くなってしまいました・・・。

 
        焼き鈍し直前の手裏剣             火床の掃除で出たコークスのスラグ(火床2回使用)

 コークスのスラグ・灰捨ての一斗缶を新しくしたので、昨日、今日の2日の作業で出たスラグの写真を撮りました。ロストル上面のスラグは2回の作業でこのくらいです。『灰受』に落ちた灰は20kg燃焼して1.5L位でしょうか・・・。120kg燃焼すると灰とスラグで一斗缶8分目くらいになります。

 
暮れに綺麗にした火床                       2回使用後の火床

 掃除後の火床の写真も撮ってみました。耐火レンガに灰が積もり始めています。

 明日は6枚冷間鍛造して、2枚を仕上げることにします。四方手裏剣は全ての辺に刃が付くので、刃付け作業に時間が掛かります。無理せず2枚ずつ仕上げることにします。

 今日は早めに引き上げてきました。なんと東京都に入ったところで雨が降り出しました。傘はいらない程度で良かったです。
2025年01月08日(水)
 工房着:午前9時45分  作業開始:午前10時05分−作業終了:午後5時30分
 工房の気温:7度

 今日も荒川を渡るとき『浅間山』の形をした雲を眺めました。ほぼ『浅間山』でしたが、遠望回数にはカウントしないことにしました。冬型の気圧配置が強まる予報ですから、『浅間山』辺りは雪ですね・・・。
 工房に着いて畑を見回ったら、昨夕の雨が芽キャベツの葉の上に溜まって、それが凍りついていました。冬を感じました。霜柱も確り立っていました。

 
           凍りついた水玉                 素材が大きすぎ切り捨てる部分が多くなりました

 今日の作業は焼き鈍しの灰から手裏剣を6枚取り出し、冷間鍛造して歪取りまで行い、2枚仕上げる作業です。ただ、ひょっとして3枚仕上げられるかも知れないと、3枚鎚目付けまで行いました。
 やはり素材が大きすぎ、その為、切り捨てる部分が多くなってしまいました。ただ、素材が短すぎると鍛造作業はちょっと大変になりますからこれくらいは良いのかも取れないです。

 コバを整え、面を整えて鎚目付けをしました。中央の穴を四角に指定されているので、ここで少々時間が掛かります。1時半頃から刃付け作業に取り掛かりました。さすがに3枚は仕上げられないと考え、ここからは2枚仕上げることにして作業しました。

 やはり刃付け作業は時間が掛かりました。1枚に1時間半くらい掛かります。4時半まで掛かりました。そこから銘とロットナンバーを刻印、焼入れして黒染めを終えたら5時を回っていました。

 今日はヤスリを新調したのでヤスリの切れ味は良かったです。大体6ヶ月でヤスリを交換することになります。

 
     作品No.2061・2062 『大型 四方手裏剣』       鎚目付けまで行ったものと 冷間鍛造・歪取りをを終えた3枚

 さすがに5時半は真っ暗です。鍵穴が分からないくらいの暗さでした。その代わり新大宮バイパスはすいていました。

 明日は1枚を成形して鎚目付けまでして、そこから2枚を仕上げます。今日よりは1時間は早く終わると思っています。
2025年01月09日(木)
 工房着:午前10時00分  作業開始:午前10時20分−作業終了:午後3時40分
 工房の気温:5度

 今日は『大型 四方手裏剣』2枚を仕上げる予定で工房へ行きました。昨日、1枚は鎚目付けまで終えてありますから、もう1枚をその状態に持っていき、刃付け作業に入る予定で作業を始めました。面を整えている最中に外で、バンバンと何か破裂する音がするので様子を見に外に出てみると工房の東側50m位の所の物置が燃えていました。詳しくは知りませんが、枝を払ったりする仕事をしている業者さんのようで、時々枝などを燃やしているのが見られました。家庭菜園の雑草などを焼却処分するのとは違います。本来ならきちんと処分場に持ち込まなければならないはずです。もしそうだとすれば違法行為ですね・・・。
 朝、工房に車を止めるとき既に焼却作業をしているところでした。その火が飛び火して火災となったようです。燃やしていた人が119番をして消防車を呼びました。

 
 火災発生すぐの状態                      消防車到着 消火活動開始

 熊公は水道管理の仕事をしていますから消防署の方や上尾警察署の方達と話さなければならないこともあって、今日の作業はメチャクチャに成りました。

 119番の連絡は10時42分に入ったと言うことで、消防車到着は56分でしたから、14分掛かりました。小さな物置小屋ですから消防車到着の時はほぼ焼け落ち、火の勢いもかなり衰えていました。消防車は3台、救急車1台が出場して来ましたが、状況を見て消防車1台が残って色々な確認をしていました。火災を起こした小屋の両サイドの方達には被害がありました。隣の小屋は熱で溶け落ちてしまった所が有りました。また、写真に写っている車も背面の樹脂製部分は溶けちゃいました。

 警察・消防の方に小屋の持ち主や車の持ち主の連絡先などを知らせ、詳しい番地などは地籍図を渡しました。結局作業が出来るようになったのは12時近くに成っていました。そこで今日は仕上げはしないことにして、すぐに刃付け作業が出来る状態まで持っていく事にしました。中央の穴を四角に穿孔して、刃付けのための罫書きまで終えたら1時半になっていました。ここで帰ってしまうのは早すぎるので、残りの2枚をコバを整えるところまで作業しておくことにしました。

 
  すぐに刃付け作業が出来る状態の手裏剣         切り出してコバを整えるところまで終えた手裏剣

 明日は刃付け作業からスタート、刃付けに3時間、焼き入れ黒染めで1時間と考えて2時半頃には終わりそうです。

 それにしても火災は全てが無くなってしまいますから本当に怖いです。鍛冶屋は火を使う仕事ですから一番気を付けなければならないですね・・・。
 不幸中の幸いだったのは、壁が一部溶けてしまった隣の小屋はなんと明日取り壊し予定だという事でした。持ち主も「補償なんかいらない・・・」 とケロリとしていましたし、車の持ち主も近々処分する予定だったから大丈夫と言っていました。トラブルにならずに良かったです。 ヽ(^o^)ノ

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