熊 公 鍛 冶 工 房


熊公の工房における鍛冶作業の日誌
特別な事柄は印を付け『鍛冶作業記録』にも書き込みます

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2024年02月01日(木)
 工房着:午前9時55分  作業開始:午前10時15分−作業終了:午後2時25分
 工房の気温:14度

 2月に入りました。2024年も一ヶ月終わってしまいました。『能登半島地震』から一ヶ月です。復旧・復興にはまだまだ時間が掛かるようです。1分間で4mも隆起するような地震ですから、上下水道はズタズタなわけですね。一日も早く元通りの生活に戻ることが出来るように祈りたいです。

 今日は風は強かったもののポカポカ陽気でした。φ22mmのS45Cの丸棒が届きましたから、穴開け治具の制作をすることにして工房へ行きました。
 まずは穴開けの際の受けにするものを造りました。現在、5〜9mmの穴の受けと16mmの穴の受けを作ってあります。それ以外のものは蜂の巣の丸穴を使っていますが、最初の穴開けの際9mmでは小さい時が有りすぎました。また、いつも16mmから22mmの蜂の巣の穴に移行する際に傷を付けやすかったので、その間を埋める物を作ることにしました。
 まずは最初の穴開けの際に使えるように、12mmの穴の受けを作りました。これはφ12mmのドリルで穴開けするだけですから簡単です。16mmから22mmの間のものは20mmの穴を開けます。これがやっかいです。まずは10mmの穴を開けて、その後『ステップドリル』を使って20mmに広げますが、穴の中央に凸部分ができてしまうのです。これを取り除くために、ルーターを使って削って行きました。

 受けを作った後はφ22mmの穴開け治具を作ります。これは旋盤を使いますが熊公の持っている旋盤は木工用のもの、ダマシダマシ使っています。アア〜〜〜ッ、貫通軸20mm以上の金工旋盤が欲しいです・・・。
 旋盤は外で作業するので風は強くてもポカポカ陽気で助かりました。

 穴の大きさを決めて行く治具は、φ20mm・φ22mm・φ24mm・φ26mmの四つができました。この間の径の物は深川八幡の古道具市でゲットした指輪の径を修正する棒を使って行くことになります。これまでφ22mmの物が無かったので少々大変でしたが、これで少し作業が楽になるものと思います。

 
    木工旋盤を金工用として使う             穴開けの治具 赤丸印が今日作ったもの

 旋盤を片付けたりしていたら12時半を廻っていました。お昼を食べながら明日は何をしようかと考えて居ました。自在バイスのストッパーのネジの頭が折れてしまっていたことを思い出したので、状況を見ることにして明日自在バイスの修理をすることにしようと考えました。
 分解して汚れを落とし、折れたネジの様子を見ると足の方が出ていましたから、これをペンチで挟んで廻してみたところビックリするくらい楽に抜くことができました。それではと新しいネジを準備して組み直したところ今日の内に直ってしまいました。


交換したネジ

 この自在バイスはもう販売されていませんから、とにかく修理しながら使っていかなければ成りません。そして、締め付けのネジ(レバー)とそれを調整するネジが一番壊れやすいです。部品はしばらく購入出来るようですが、大切に使わなければ成りません・・・。

 時計は2時になっていました。今日はこれでお終いにして帰路に着くことにしましたが、明日は何をするか・・・。来週あたり『忍士団』の方から忍具の発注が入る感じなので、明日はお休みにすることにして、今年計画している奥出雲の旅の資料作りをしようと思って居ます。
2024年02月07日(水)
 工房着:午前10時05分  作業開始:午前10時25分−作業終了:午後2時45分
 工房の気温:3度

 月曜日は午後から雪になりました。スタッドレス履いているし、車は四駆ですから工房に行けたのですが、腰痛が出てしまいました。1日の作業で木工旋盤を外に出して使いましたが、その出し入れで背筋が筋肉痛を起こしたようです。いつもの骨盤のズレによる痛みとは違っていました。筋肉痛が遅れて出て来るのは歳のせいですね・・・。

 昨日は朝は雨に成っていましたが6cm位は積もっていました。東京周辺は交通麻痺を起こしますから腰の調子は良くなったのですがお休みにしちゃいました。5日間もお休みしちゃったことになります。
 このお休みしている期間に『忍士団』と『伊蔵』さんから発注が入りました。『伊蔵』さんからの発注はかなりの量です。3月中に終われるでしょうか・・・。ということで、今日は鋼材のチェックをすることにして工房へ行きました。

 少し不安なことがありました。それは駐車スペースの屋根の上に掛けたシートが雪の重さで切れちゃっていたりしないかと言うことです。本当は『野地板』を差し込んでたわみをできるだけ無くすようにした方が良いのですが、先日休憩室に棚を作った際に準備した『野地板』使ってしまいました。その後サッサと作業しなかったので・・・。
 工房に着いて様子を見ると切れたりはしていませんでしたが、やはり雪がたわんだところに沢山積もっている状態でした。まずはこの雪を落とす作業をしました。落とし終えたところで車を駐車スペースに駐めました。

 続いて、畑を見回りましたがいよいよヒヨドリにやられました。いつもなら1月に入るとやられるのですが、暖かい冬だから食べるものが有るのだと思います。全く喰われること無くここまできました。しかし、雪が降るとさすがに食べるものは雪の下、そこで雪から顔を出している野菜を食べるわけですね・・・。暖冬だから平気だろうと防鳥ネット掛けずにいたのでやられちゃいました。ノラボウ菜→小松菜→小カブの順に喰われている量が減っていっていました。鳥も上手いもの知っているんですね・・・。そこで遅ればせながら防鳥ネットを張ることにしました。

 
      畑は雪景色                       ヒヨドリに食われたノラボウ菜

 駐車スペースのシートや畑の作業をしていたら11時半頃になっていました。そこから鋼材のチェックをして行きました。足りないものが幾つもありました。今晩発注します。届くのは来週後半かな? チェックがてら切り出す線を引きましたから、コンターで切断する作業をしました。

 
   ノラボウ菜の畝に防鳥ネットを張る             切り出した鋼材これで半分くらいでしょうか・・・

 明日から作業開始しますが、まずは『車剣』を制作しようと思っています。上の鋼材の写真を撮ったあと『車剣』の鋼材を切り出して居ないことに気付き、帰路に着く直前に切り出しました。二つ作るので明日はこれを作ろうと思います。また、コークスが2袋分しか有りませんから発注しなければならないです。また値上がりしているのだろうな・・・。

 帰る前に水道の元栓を閉めようと外に出たら、隣の畑からもの凄い数のヒヨドリが飛び立ちました。まるでムクドリのようでした。あの数で食べられたら裸になっちゃいますね・・・。

 帰路に着き、交通状況をチェックしたら雪で閉鎖になっている首都高など状況の知らせが長くて、肝心の一般道の事が後回しになりました。いつも通り新大宮バイパスを使うつもりで走っていたら、工房から500m位走った時に新大宮バイパスの状況が伝えられました。首都高大宮新都心線が通行止めなので、乗れない車が新大宮バイパスを使うので、結果渋滞が起きているようした。確実に30分位渋滞に巻き込まれるようでした。そこでUターンして荒川右岸コースで帰ってきました。Uターンしたところから50分少々で帰ってくることが出来ました。右岸コースはいつもより空いていて、スイスイ走れました。渋滞でイライラすること無く良かったです。
2024年02月08日(木)
 工房着:午前9時55分  作業開始:午前10時15分−作業終了:午後4時00分
 工房の気温:3度

 今日から『伊蔵』さん依頼の忍具製作です。平行して作れる時は『忍士団』さんの依頼品も合わせて作って行きます。まずは『車剣』2つの鍛造です。昨年10月に鍛造した際に閃いたことがありました。今日はそれを確かめて行くつもりで工房へ行きました。

 閃いたと言っても大したことは無いのですが、素材を準備する際の切り取った部分の加工と、変形させていく時の手順について考えたことを実行するわけです。

 切り取る棘の切断は今日は2.5mmのドリルで幾つか穴を開けて。ルーターの切断砥石で半分くらいまで切り込みを入れて、鏨で切り落とします。その際の鏨、レンガ切断用の鏨が良い感じに使えました。S45Cで作った鏨はやはり柔らかすぎる感じでした。使えなくなったヤスリを鏨にするのも有りかもしれないです。切断面はルーターを使って綺麗にしてやりました。

@                           A
 
 素材の準備                          素材を変形していく

B                         C
 
 最初に矢印部分の棘を打ち延ばしていく          切り出した素材と鍛造終了した物との比較


作品No.1766・1767 『車剣』

 素材の準備は2個でおよそ一時間かかりました。@の写真の赤丸の部分切断したままにして変形させていきます。Aの写真のように大体『棘』を開いたところで、赤矢印の『棘』を最初に打ち延ばしていき、この『棘』を基準にして他の『棘』も打ち延ばしていきます。
 Bの写真は基準になる『棘』を打ち延ばし、奥に見える『棘』を打ち延ばした状態です。残りの『棘』を打ち延ばしたあと、中央部分の成形をしていきます。
 それぞれの直角を出したり赤丸の部分を落ち着かせるためには『ギロチン』を使っていくことになります。最後に全ての直角をきちんと出すための治具を今後造ろうと思って居ます。

 写真や言葉で鍛造手順を記すのはなかなか難しいです。でも、今回の作業で『車剣』鍛造の手順を確立できた感じがして居ます。『棘』の歪みも気にならない状態に打ち上げることが出ました。

 黒染め完了は3時15分頃でした。1つ作るのに2時間30分位かかる計算です。

 今日作業していて『棘』を押さえるヤットコの嘴の根元部分に強度が足りない感じを受けました。明日はここを溶接によって肉盛りして強度を増すようにしようと考えて居ます。次の鍛造は『伊賀流棒手裏剣』を考えて居ますが、明日は溶接の練習に当てようかな・・・。
2024年02月09日(金)
 工房着:午前10時15分  作業開始:午前10時30分−作業終了:午後4時25分
 工房の気温:7度

 今日は行き掛けにホームセンターに寄って野地板を購入しました。本当の野地板は安いのですが4mの長さがあるので、鋸を持っていけば購入後切断して持ち帰れましたが今回は残念・・・。1×4の180cm物を購入しました。杉材の野地板の3倍くらいの値段です・・・。これからは鋸持って歩こうかな・・・。

 工房に着いてまずは駐車スペースのシートの補強作業をしました。これで雪が降っても撓んでしまうことは無くなると思います。

 シートの補強のあとはヤットコの補強作業です。しかし、ヤットコの補強作業は簡単に終わりますから、その後溶接練習をすることにして、ただ練習するだけでは面白くありませんから単管の端材を使ってロケットストーブを作る事にして素材を準備しました。

 
駐車スペースのシートの補強                   棘つかみ用のヤットコの補強

 まずはヤットコの口の部分の形を整えて元の部分に溶接で肉盛りをしました。これは簡単に終了しました。続いてロケットストーブの制作です。まずは台になる板をフラットバー2枚を溶接して作りました。その次に単管を使って燃焼部分と薪をくべる部分を溶接して、最後に台に組み合わせた単管を溶接しました。溶接の練習には成りましたが綺麗なビードには成りませんでした・・・。f(^_^)

 
  何もしない状態の燃焼の様子                少し風を送ってやった時の燃焼の様子

 単管で作る場合は吸気口を作るべきでした。薪をくべると空気の通りが悪くなってしまいます。上の写真の左側のものは何もしない状態の燃焼の様子。右側は横座背面の扇風機を回して手でその風を送り込んだ状態の燃焼の様子です。明らかに燃焼のパワーがあるのが分かります。自然に煙突効果で酸素を取り込んでくれないとつまらないですから、根元部分に穴を開けてみようと思って居ます。

 なんで『ロケットストーブ』を作ったかというと、棒手裏剣とかの焼き入れする際にガスバーナーを使うと結構高くついてしまいます。そこで小さい『ロケットストーブ』で先端部分を焼入れしようと考えたわけです。改良して実際に使えるようになると良いですが・・・。燃焼温度も800度まで上がると良いな〜〜〜!!

 来週13日(火)は教え子が遊びに来ることになっています。鉄道が好きな子で色々調べて、それをまとめたものを見せてくれた子です。現在大学3年生、就活に入る前に遊びに来たいという事です。本当は2年程前に打診があったのですが熊公の本命手術の副産物、『膀胱の出血』で色々大変だった時だったので待って貰って居ました。
 この教え子は高校生の頃も発表した自由研究で賞を貰ったと報告してくれました。2年ほど前には隣の駅に行くに当たって、できるだけ遠回りで行くという旅をして、それをまとめたものを送ってくれました。それも、途中の路線や駅の事など色々細かく調べて、写真入りで読んでいるこちらがワクワクしてくるものでした。

 小学生の頃は知識を詰め込むのではなく、『知的好奇心』を持って調べたり、まとめたりするのが一番良い勉強だと思って居ます。その為 『何でもノート』 ということを奨励していました。お料理のレシピを紹介しても良し、詩を書いても、日記を書いても良し、漢字の練習、計算練習に使っても良しです。不思議だな、面白いな、もっと知りたい・・・という気持ち(好奇心)が起きた時、ノートに記して、それを深めることを薦めていました。
 何人もの子供達を受け持ちましたが、この『何でもノート』を進んでやった子達は10人くらいでしょうか・・・。でも、これをやった子達はみんな立派になっています。やはり詰め込みの学習では無く、自分から能動的に学習を進める習慣性を身に付ける事が大切だと思っています。
 親が「そんなことやっている時間は無いでしょ!!」 と、『何でもノート』をやりたいと思って居る子の気持ちを抑えつけてしまう事が随分有りました。逆に親が子供に任せたり、一緒に調べたりした家庭の子達は良い結果を出していました。人生には余裕というか、ゆとりというか、いつもワクワクしていることが重要なんだと思います。
 実際にそれをやってきた教え子と10年ぶりくらいに会いますから、熊公もワクワクしています。面白い鉄道の話を聞けると思います。熊公は大阪-神戸間に敷設された双頭レールや余部鉄橋の橋梁部材、忍具類なんかを見せようと思って居ます。勿論『鉄の話』も沢山するんだろうな・・・。お昼はカレーを食べに行こうと思っています。
 今日は最後に掃除をして帰路に着きました。

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