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きっと誰もが一度は経験しているはずですよね?運動以外でも、引越しで重い荷物を運んだとか、日常生活の中でも、いつもとちょっと違った筋肉を使った時などの翌日・翌々日に筋肉痛を経験したことがあると思います。さて、この『筋肉痛』は一体なんで起こるのでしょうか?これには、2つの原因があるとされています!

1、筋肉を動かすには必ずエネルギーが必要です。筋肉内にはいつもATP(アデノシン3リン酸)と呼ばれるエネルギーが蓄えられています。このATPはちょっと使うとすぐに無くなってしまうので、代わりに『グリコーゲン(糖質)』と『脂肪酸』がエネルギーになるんです。そして、この2つがエネルギーになる過程で疲労物質である『乳酸』を作り出すのです。これが筋肉内に溜まり痛みを起こすのです! 乳酸が溜まると、筋肉は酸性になりだんだん筋肉は動かなくなってきます……(例えば、自転車を思いっきりこぎ続けるとだんだんとペダルを踏んでいる足が動かなくなってくる時とか……)。

2、もうひとつの原因は、筋肉(繊維)の損傷による痛み。筋肉の収縮には、短縮しながら力を発揮するコンセントリックな筋収縮と、伸ばされながら力を発揮するエキセントリックな筋収縮とがあり、筋肉痛に大きく関与するのは後者のエキセントリックな筋収縮。これは私達の筋の収縮の中では最大の力を発揮すると言われています。この筋収縮により、強い負荷がかかり筋繊維そのものが損傷したり、筋や腱の結合組織が損傷したりするわけです。この損傷の痛みが『筋肉痛』ということなのです!

時間がたてば筋肉痛は消えますが、できれば早くこの痛みから解放されたいと皆さんも思いますよね?(この痛みが心地よいという人もいますが……?!) ではこの筋肉痛をできるだけ抑えるには?
やはり、十分なウォーミングアップとクールダウンが有効だといわれています。「主運動に入る前に、主運動と似たようなウォーミングアップをすることにより、その動作に関係する神経系が刺激され運動に参加する筋繊維数が増加し、筋繊維1本にかかる負荷が減り筋肉痛の発生が抑えられる」という仮説もあります。その他にも傷害の発生防止にもなりますからねー、ウォーミングアップは十分やりましょう。そして運動後の筋肉は炎症を起こしていますから、アイシングも有効だと思います。試してみてください! でもどうしても、高強度な運動をした後や普段使わない筋肉を使った後には筋肉痛は出てしまうもの……この出てしまった痛みをちょっとでもやわらげるには?
それには、筋肉内に蓄積された「乳酸」を早く取り除くために血行を良くすることをしてあげてください! ウォーキングや軽いジョギング・サウナやお風呂で体を温める・軽いマッサージをするなど……。乳酸は血液やリンパ液にのって肝臓へ運ばれ分解されます。肝臓でも処理しきれない乳酸が、筋肉の凝りや痛みとして出てくるのです。したがって軽い運動などで体の代謝を良くしてあげることが痛みをやわらげるのに効果的。
そういえば、「運動後、2、3日後に筋肉痛が出る人はもう若くない!」などとよく言われますが、これは代謝スピードに関係していることを言っているので、満更、ウソではないのかもしれませんよ! 確かに10代と40代では圧倒的に代謝のスピードは10代のほうが速いですからね……。
サッカーの選手も激しい試合の翌日には、積極的休養として軽いジョギング、ストレッチ、マッサージなどを毎週行っています。できるだけ、疲労を溜めないようにしていかないと長〜〜〜いシーズンの終盤には、体は疲れ果て、思わぬ怪我をしたりすることもありますから。
そして、もう一つ大切なことは運動後の食事(栄養)ですっ!!!
運動後、体に乳酸が溜まると筋肉は酸性に傾きます。筋肉を健康的に動かすためには体はアルカリ性でいる必要があるので、ビタミンB1(豚もも肉・ハム・緑黄色野菜・胚芽米やパン、etc)やクエン酸(酢、etc)それと、エネルギー代謝にかかわるビタミンB2(納豆・卵・さば・干ししいたけ、etc)やB3(かつお・鶏のささみ、etc)の摂取をお勧めします。そして、筋・筋繊維の損傷を修復するためにはタンパク質(牛乳・卵・チーズ・豆腐・肉類、etc)が必要不可欠。特に運動後は多めに摂ることをお勧めします。
『運動』『休養』『栄養』この3つのバランスがうまくコントロールできると、体は健康な状態になってくると思います。最近、運動を始められた方で「朝起きるのが辛い」とか「だるぅ〜〜〜い」とか「なかなか筋肉痛が抜けない」とか感じている方は、是非この3つのバランスを考えてみてください!






                                                                 
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