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  < Phart 1 >
  水分の働きを簡単に説明しましょう!
1、血液とともに酸素や糖分(ブドウ糖など)や脂肪などを筋肉へ運び、二酸化炭素や乳酸などの代謝産物(体の中でいら
  なくなったもの)を運ぶ。
2、尿として代謝産物を除去する。
3、汗として皮膚から熱を消失する。≪体温調節≫
4、唾液、胃液などは食物の消化に役立つ。
5、内臓や皮膚の保護に役立つ。
  などの働きを担っています。

では、運動をすると体の中はどんなことが起きるのでしょうか?
スポーツをしたり体を動かすということは、多くの筋肉を動かすことになりますね。よって、筋肉にもたくさんの血液を送らなければいけません。激しい運動時には、体の全血液量の7割近くが筋肉に流れ込む状態になるといわれていますから……。
このとき、人間の体には「体温調節機能」がありますから、オーバーヒートしないために汗をかきますっ! この汗は、血液を薄めた物と考えても良いでしょう。よって、汗をかいた分だけ大事な血液が体から減っているということになります。運動中に血液の中から減っているものは、赤血球や白血球ではなく、これらが浮いている液体(血漿)が減っているのです。これを食塩水で置き換えて考えてみましょう!コップの中の食塩水に熱が加わると、水だけが蒸発していき食塩だけはそのままということになりますよね……こうなると食塩水の濃度は濃くなり、サラサラだった食塩水がドロドロになって来るのです……(おーしょっぱい???)。この事が血液にも同じ事が起きるんですよー!!!怖いですよね(笑)。当然、細い血管内ではこのドロドロした血液は流れにくくなってくるのです。そして、血液の量も少なくなっているので、体の熱を逃がすことも難しくなってくるわけです!!! 血液が体の中で流れにくくなると……、酸素やエネルギー源(糖質)を脳へ運ぶ量も減り、頭がボーッとしてきて集中力の低下が起きるのです!(真夏に外で運動をしたことのある人であれば一度は経験されていると思います。顔がカーッと熱くなり、頭がボーッとするのをっ!) いわゆる体が脱水状態(オーバーヒート)なのです。これが試合中などに起きると、急激に運動のパフォーマンスが落ち始め、簡単なミスや状況判断のスピードの低下や筋肉の痙攣などが起きるのです。暑い日のサッカーの試合を見ていると、よくこういった場面を目にします……。そうそう、1994年W杯アメリカ大会ではこのような場面を多く目にしたのを皆さんも憶えていませんか? 気温35度ぐらいの炎天下での激しい試合が続き、脚の痙攣を起こしている選手がたくさんいましたよねっ!一概に、体の水分不足だけが脚の痙攣やプレーのミスに繋がるわけではありませんが、人間の体の各器官(脳・神経・筋肉など)を正確に働かすには水分補給はとても大事なことなのです。

  < Phart 2 >
今回は前回に引き続き「水分補給」のお話をいたしましょう。これから暑い夏がやってきます。Beer好きの人でしたら運動後にキーーンと冷えたBeerなどをグビグビ〜〜っと飲みたいところですが、運動中の水分補給や運動選手の水分補給にはBeerでは困りますよねー(私が所属していた草野球の監督さんは試合中に本当に幸せそうな顔をしてベンチでBeerを飲んでいましたが……(笑)。でも本当に美味しいですよねー、天気の良い日に外で汗をかいた後に飲むBeerは格別! Beer好きにはたまらないっすよねー! でも、飲酒してからの運動は絶対にやめてくださいっ。大変危険ですのでっ!!! アルコールには脱水作用がありますので、「水分補給」のはずが、かえって身体を脱水状態へと導きます)。では一体何をどのくらいとれば良いのか……?
汗は単なる水だけではなく、一緒にミネラルやビタミンも体外に出してしまっていることはすでに皆さんもご存じなはず? ここで、単なる水だけを補給していくと体内の水分(体液)はどんどん薄まってしまい体液の量と質のアンバランスが生じ、身体(筋肉や脳)の働きが低下してしまうといわれています。 1時間程度の短時間の運動には水だけで十分ですが、長時間にわたる運動時には、ナトリウム、カリウム、糖質などの電解質が適度に含まれている、いわゆるスポーツドリンクが、やはり良いでしょう(但し、市販のものは砂糖が多いため2倍ぐらい薄める事をお薦めします)。パルマACでは選手の水分補給には何種類かドリンクを用意しています。普段の練習前中後には、ミネラルウォ−タ−(もちろんパルマラット社のもの)とスポーツドリンクを補給(このスポーツドリンクはあらかじめ糖分の少ない薄めの味でして非常に美味しいんですっ! ヒデのお気に入りの1品です?!)。練習後には、ロッカールームに毎日新鮮なフルーツがたくさん置いてあり、そこからビタミン・ミネラルなどの補給をしています。イタリアのフルーツは値段も安く味が濃く美味しくて運動選手には最高ですね〜〜〜!
そして試合時には、ミネラルウォーターにビタミンの錠剤やらナトリウム、カリウム、糖質などが含まれている粉末などなど、5〜6種類のものをトレーナーが上手い具合にブレンドして作るスペシャルドリンク! これも試合前とハーフタイム時とブレンドする中身を微妙に変えています。私は味見係……。(笑) オレンジ味の美味しいドリンクですよっ!
そして、試合翌日の練習後にはまた違うドリンクを積極的に選手にとってもらうようにトレーナーの人達は毎回ロッカールームに準備するのです。ここでもまたまた私は味見係……(笑)と、まぁー激しい試合が続くセリエの選手たちは日頃から「水分補給」に気を配っているわけです。

 ではここで、運動時の水分補給の目安を簡単にご紹介しておきましょう。
・運動前 〜 運動直前30分前ぐらい250〜500mlを数回に分けて
・運動中 〜 20分前後毎、1回に一口から200ml程度まで
・運動後 〜 直後から食事での食べ物も含め就寝前まで体重減少分を補える量に分けて

 この他に、尿の色と量をチェック!
・色が濃く、量が少ない時 代謝産物が多く、もっと水分をとる必要あり!
・色が薄く、黄色い時 水の出納バランスが保たれている証拠です。

「のどが乾いたっ!」と思ったときにはすでに身体の中で「脱水」が始まっているのです。心拍数も上昇しはじめ、運動時にはパフォーマンスも落ちはじめるとされています。なのでサッカーでいえば、試合前のウォーミングアップから前半のゲーム中も可能な限りこまめに「水分補給」しておくことが、後半のパフォーマンス・集中力の低下を防ぐ手段でもあるのです(んー、ちょっと難しい話? 興味がない方にはごめんなさ〜〜〜い!)。運動時以外の日常時の水分補給としては、水のみならず個人の好みに合ったもので良いでしょう(アルコール、コーヒー、紅茶などは「水分補給」としてはお薦めしませんが)。とにかく、これからの暑い夏に向け日頃から水分を多めにとることによって、暑さに対するストレスに強くなっておきましょう。「水分補給」は身体の疲労回復を早めてくれます。なので、長時間の運動で筋肉を疲労させた方、それからついつい美味しくてたくさんお酒を飲んだ方は、就寝前までに普段より多めに「水分補給」をしてくださいねっ! きっと翌朝はすっきりしてるはずっ!

人間には必要不可欠な「水分」……、健康でいるためにも上手に補給をして暑い夏を乗り切ってください!!!






                                                                 
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