コニカ争議団報告書(NO.1)

残業予算ゼロでいいのでしょうか?

労働問題はこうして始まりました!

 私たちの組合員Tは、6年前、殆ど残業代が支払われないにも拘わらず、毎日の様に深夜までの残業と月2〜3日の休日出勤があり、新たに上長として赴任した元コニカ労組専従役員にその疲労困憊を訴えました。するとその上司は、「労組専従役員なんかは残業代も支給されずにやっているんだ。けど活動費名目で手当が出るんだ。僕が専従をやっていた20年位前で月7万円だった。」と一蹴されただけで何の改善も見られませんでした。
 それどころかTは、毎年表彰状をもらっていたにも拘わらず、度々退職勧奨を受ける様になり、(後日判ったことですが)新規顧客がなかった等明らかに事実を偽った報告で、新入社員格にまで降格、毎年毎年減給し続けられました。
 Tは何度も何度も会社にかけ合いましたが埒があがらなかったので、弁護士先生に相談し、私たちの組合に加入、問題解決を模索しました。

コニカはどうして平和的な話し合いを避けるのでしょうか? 

 私たちの組合加入をコニカに通知したと同時に、コニカ労組執行部は、Tを呼び出し、「会社から聞いたので、問題を預からせてほしい。」と言ってきました。Tは平和的に解決出来ればと思い、「協力してくれるのならお願いします。」と答えました。
 その後Tは、コニカ労組執行部の呼び出しに何度か応じましたが、その内容は、「他の組合を脱退して欲しい。会社とは闘わないで欲しい。」との懇願ばかりで膠着状態に陥りました。この為私たちの組合は、コニカ労組に対し、お互いの組合員であるTの労働条件に付き、コニカとどの様に交渉していくか組合間協議を持ち掛けました。しかし無視されましたので、私たちはコニカ労組に断りを入れ、充分な期間を経て、コニカに団交申入をしました。
 しかしコニカは、Tがコニカ労組員であることを理由として、私たちとの交渉を拒否しました。そこで私たちとT本人は、コニカ労組に対し、コニカとの協議に関する委任状の作成をお願いしましたが、拒否されたので、Tはやむを得ず、コニカ労組に対し、脱退の意思表示をしました。そして私たちは、再度コニカに団交申入をしましたが、コニカは尚もTがコニカ労組員であると主張し、交渉を拒否しました。コニカは、やっている事に自信があるのならば、正々堂々と交渉の席上で主張すればいいのではないでしょうか。 

都労委申立と査問委員会につながりはあるのでしょうか?

 コニカがどうしても交渉に応じないので、私たちは都労委に救済申立をしました。するとコニカ労組は、T個人を誹謗中傷し、査問委員会で処罰する旨のビラを配布しました。Tは、過去の例に照らし、法的に脱退していると主張し、査問委員会の呼び出しには応じていません。Tは、その査問委員会招集の書き損じ封筒が社内メール用の袋として、人事部の非組合員W氏から使用を始めていたのを職場で見つけ、一層コニカ労組に不審を感じました。
 都労委においても会社側は、証人尋問を除いて、弁護士しか出席せず、Tがコニカ労組より団交が行われていた事など聞かされてはいないのに、コニカはコニカ労組と協議していたところ私たちが邪魔をしたと主張し、話し合いを行おうとしません。また、人事課長の証人尋問時、コニカ労組執行部は人事部等の面々に囲まれ、Tに会釈一つすることなく、傍聴していたことも、Tがコニカ労組を信用出来なくなった一面です。
 そしてコニカは、コニカ労組H副委員長を会社の為の証人として申請しました。都労委は苦渋の顔を示し、審理を中断してしまいました。私たちが闘っているのはコニカという会社であって、コニカ労組でありません。

コニカ労組と裁判になるのでしょうか? 

 あくまでもコニカがTをコニカ労組員と主張し、私たちとの団交を拒否し続けるならば、既に1年以上コニカ労組費を支払っていないTは、出来れば避けたいと考えますが、コニカ労組と裁判をし、確定判決をもって、脱退届を提出した時点で脱退していたことを明らかにせざるを得ないと考えています。この様なことを避ける為、Tは、コニカ労組に対し、除名でも何でもいいから、コニカ労組員でないと言って欲しいと思っています。

労基署是正勧告のあった職場は公平に比例配分制で残業代を支払っていました! 

 私たちが労基署へ申告したのは、コニカが都労委で事実を偽った準備書面を提出したからです。私たちは全社員に未払い残業代を支払うようにと申告はしましたが、労基署は証拠のあるものは支払えと勧告したのに止まったようです。では支払いのあった職場は何故証拠なる物が存在したのでしょうか?それは比例配分制を採用していたから、その元資料が残っていたのです。この方法を用いると、月約70時間程残業のあった人で元々30時間分位支給されていました。残業代予算2分の1以降、上限月10時間とされていた職場に比して良心的な職場ではないでしょうか?元資料がない分は証拠が無いからと支払われていません。
 もし過労死問題が発生したら、「その方は毎日定時で帰社していました。何かオーバーワークしていたという証拠でもお有りなんですか?」と会社側は答えるのでしょう。これらの為にも、私たちは、コニカに勤務時間の正確な記録を残させることを労基署に要望しましたが、摘要すべき法律がないと叶えられませんでした。しかし私たちは団交で会社に要望していきたいと考えます。 

コニカの人事システムに間違いがあったのでしょうか? 

 余談ですが、労基署において、私たちより次々と証拠が提出され会社が観念した時、会社側は、「もう俺はTの気持ちは分かる。しかし、Tの以前の上司(元コニカ労組専従役員)を連れて来て、謝らせたからといって済む問題ではない。」と吐露していたと、私たちは監督官より報告を受けました。ならば今後どの様に労使関係を回復するかを、まずは話し合いの席につかなければ何も始まらないのです。
 人事としては、職場からの報告をそのまま信じざるを得ないのかもしれませんが、その報告に間違いがあったことを見つければ、次にどうするかが大切なのです。 

社員に仕事をさせずに給与を支払う愚行に及んでいます! 

 私たちが、労基署の件で広く情報宣伝活動を行った後、コニカはTの仕事をすっかり取り上げ、ついには、業務指示をしなくなりました。しかし給与は支払われているのです。Tも、他の社員に申し訳ないと感じているし、社員の士気にも影響するものです。私たちはTを正常な業務に従事させる為にも、一日も早くコニカと話し合いを行いたいたいです。 

残業予算ゼロは新たなる裁量労働制度をスムーズに導入させる布石では?

  コニカが残業予算ゼロ提案をした背景には、(残業代に代わる性格を併せ持つ営業手当や裁量労働手当が残業予算ゼロでも支給されているだろうことを勘案すると、)僅かな手当でもゼロよりはましとの考えを植え込めば、労基法の改正により、殆どの職種で適用可能になる裁量労働制度が導入し易しと考えている側面もあるのではないでしょうか?この労基法改正に、当初はコニカ労組も連合指導の元、反対署名を集め、Tも署名しました。この制度は、僅かな手当で労働者を好きなだけ残業させることの出来る制度です。
 評価制度の改訂、残業予算ゼロ、ベアゼロ、更に、殆どの社員が出向・転籍させられる危惧のある分社制度構想等々労働条件改悪問題は山積みです。

コニカの取締役に自己責任制はないのでしょうか?

  巨額特損、PS版事業の販売権譲渡で年間約100億円の売上減等にも拘わらず、役員は、儲かった時に支払われる性格の強い(通常の夏冬の賞与とは違う)決算賞与をまだ受け取っているようですが…。役員の報酬は、労務の対価として会社の経費から支出されますが、賞与は、利益をあげた功労に酬い、配当と同じく会社の利益の一部より与えられるものです。

【終わりに】

 私たちも好き好んで争議を行っている訳ではありません。私たちは正常な労使関係構築の為、コニカ労組同席でも構わないので、コニカに団体交渉に応じることを新たに要望します。拒否し続ければ、不本意ですが、様々な場所で行動を起こさざるを得ないと考えます。

抗議先:コニカ
連絡先:ユニオン


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