東京高等裁判所 その11
陳 述 書 その7
懲戒解雇手続きについて
- 第一審にて指摘しました通り、運営基準(乙11)第5条の3にも、(懲罰委員会のメンバー構成は)一方に偏しないよう人選すると定められていますし、一般的にも公平性が要求される懲罰委員会について、誰が出席し、どのような協議がされたかを、社外秘であることを理由に(H人事課長供述)、懲戒対象者にも全く明らかにされていません。このことは、懲罰委員会自体が行われたかどうかさえ疑わしいにも拘わらず、そのことについて、一審判決は全く判断していません。
- 労働組合との協議は、運営基準(乙11)第11条に定められているにも拘わらず、一審判決は、「労働組合との協議については、コニカがユニオンと協議すべきであったとしても、労働委員会で団交拒否事件が係属中であったから、協議を行わなくとも、このような手続き上の瑕疵は、懲戒解雇の効力を左右する瑕疵ではない」と判示しています(判決文)。
- しかし、コニカの団交拒否理由は、コニカ労組と協議中であるから、応じられないというものでした。
- 本件懲戒解雇について、コニカ労組は、最初から協議するつもりはないと明言していたのですから(乙1別紙9)、コニカの労働委員会での主張は既に崩れており、ユニオンとの協議に応じられないというコニカの主張は何ら存在していません。
- コニカ労組は、ユニオン・ショップ協定に基づき、コニカに対し、私のの解雇請求をするところだったので、私の懲戒解雇に異議はないと主張しただけで、コニカは、どこの労働組合とも事実上の協議を行っていません。
- したがって、労働組合との協議は、労働者にとって重大な保護法益であり、従前の判例も、協議の規則が存在し、これに違反する懲戒解雇は手続き上の重大な瑕疵があり無効と判示しています。
- なお、コニカは、第一審答弁書において、本件懲戒解雇後、ユニオン・ショップ協定によって、私がコニカ労組の組合員資格を失っていると主張していますが、ユニオン・ショップ協定が存在していても、従業員資格がなくなることと組合員資格がなくなることは全く別です。私がコニカ労組の組合員資格を失ったのは、脱退届けによるものです。
- 運営基準(乙11)第7条には「審議にあたっては事実確認を第一に考え、確認が明確でない事件は懲戒の対象とはしない」と規定されています。
- しかしながら、一審判決は、認定事実について「推認」という表現を何度も使用しています。
- 一審判決は、コニカの手続き上、聴聞の機会を与えることを義務づけていなかったから、手続き上の瑕疵はない(判決文)と判示しています。
- しかし、運営基準(乙11)第7条には「当事者の確認を要する」と規定されています。この条文は、「当事者が法により身柄を拘束されている・・・」と続いていることから、ここでいう当事者とは、懲戒対象者だけを指すことになります。
- しかしながら、コニカは、私の弁明書で「当事者の事実確認」が出来ていないにも拘わらず、出社している私に聴聞などでも「当事者の事実確認」をしませんでした。
- H人事課長は、「聞く必要はない」と供述しています。
- 一審判決は、「弁明に最低限必要な時間がなかったとはいえない」(判決文)と判示しています。
- 私は、通院履歴も示して、かぜを引いているから等と主張し、十分な時間を戴きたいと嘆願していました。
- また、最後の懲罰事由から1ヶ月半も経っていたのに、コニカは、私の休み中に、自宅待機の休日出勤という異例の業務命令を行い、私がかぜを引いている最中に、懲戒解雇処分にしたのです。
- 運営基準(乙11)第13条では、労基署への届け出が義務付けられていますが、コニカが、満額の予告手当を支払おうともせず、届け出を行わなかったことについて、一審判決は何も判断していません。
- また、コニカは、私に対し、単なる嫌がらせ行為としか思えない、離職票の出し渋り行為をした為、私は、正規の失業給付金が受給出来ませんでした(46日分受給出来ませんでした)。
以上陳述します。
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