◆破壊王◆

 

 ● 製品データ
タイトル  破壊王 キング・オブ・クラッシャー
発売日  1998年11月12日 メーカー  ファブ コミュニケーションズ
定価  5,800円 ジャンル  3Dアクション
廉価版  なし。
関連商品  特になし。
   
 ● 評価
外見衝撃度  パッケージ表面にでかでかと「サラリーマン、壊しまくり。」の文字が。
 インパクトあっていいんじゃないでしょうか。
 ★★★
超越世界観  平凡なサラリーマンが破壊衝動の赴くまま破壊を続け、最後は
 巨大怪獣となって自由の女神と戦う(←ココ重要)お話。
 ★★★
声優度  主人公を破壊屋に導く謎の羽虫が、エフェクト懸かりまくりのボイスで
 しゃべります。
 ★
演出度  ステージごとにその謎の羽虫が囁くシーンが入り、新たな怪物・怪獣
 への変形はきちんと説明いれてるところが好感触。
 ★★★★
時間報奨  マップの大きさとか破壊効果の高いオブジェクトの位置とか、典型
 的な覚えゲーなんですが、2度とプレイしたくないステージばかり。
 ★
牽引力  ストーリーが気になるなら?
 ★★
ゲーム性  ただ壊すだけではなく、逃げなければいけない敵もいるので★2つに
 しました。そのぶん快楽性が下がりましたが。
 ★★
快楽性  キャラの動きがもっさりしていて、プレイ中は楽しいこと一つもない
 です。セーブ・ロードが軽かったことを評価して★1つ。
 ★
芸術点  わかりやすいコンセプトを形にしたという企画〜制作までのレールを
 評価します。
 ★★
所有価値  店頭でもほとんど見かけない、市場価格も高めのソフトですが、
 消費者はこれが手に入りにくいことを感謝しましょう。
 ★
総合評価  シンプルなコンセプトは悪くないのですがそれを実現できてません。

40点

   
 ● コメント
イントロ
平凡なサラリーマン、司馬九造は妻と生まれたばかりの子供との3人暮らし。ある夜、いつものように夕食後のTVを見ていた彼の元に奇妙な羽虫が近づく。その羽虫は彼の首筋に噛み付くと、「破壊せよ・・・本能のままに・・・」と囁きかけた。その声によって何かに目覚めた司馬。彼は突然立ち上がリ、目の前にある机を一撃で破壊する。赤子を抱えてその場から逃げ出す妻。悪夢のような物語の始まりであった・・・。

ステージ1の開始はこんな感じです。プレイヤーは主人公・司馬九造を操作してモノを破壊しまくり、破壊率ゲージを蓄積していきます。破壊率ゲージがMAXになったところでステージの最奥にあるゴール地点へたどり着けばクリア。ただし、攻撃を受けたり、時間とともに減少していくドーパミンゲージがゼロになってしまうとゲームオーバーです(このドーパミンゲージはモノを破壊することで回復していきます)。
攻撃方法はパンチ・キック・頭突きといった基本操作の他に、サマーソルトキックや回し蹴りも可能。また、ステージが進んで人間から怪獣へと進化すると、火炎放射攻撃や尻尾攻撃が使えるようになります。
レビュー
ゲーム始めて10秒後、主人公の動きがやたらもっさりしていることに気づきます。移動はまるで水の中を泳いでいるよう、攻撃も当たり判定が小さく、パンチ2発以外はつながりません。なんか不自由なゲームダナと思いつつも破壊できるオブジェクトに目を向けますが、これがまた貧相でがっかり。部屋の中には机とイスとTVしかありません。これまで幸せな新婚生活を送ってきたと思っていたのですが、生活を豊かにするものは皆無です。それとも資金を溜めてやっと購入した念願のマンションに3日前越してきたばかりで、荷物のほとんどはまだ前の借家にあるのでしょうか。それくらいに壊せるものが何もないです、破壊のゲームなのに。
ステージ1はそれでも家の中のものを適当に壊して玄関(多分)へたどり着ければクリア。妻と子供はどっか行ってしまいましたがそもそも足の速さが倍くらい違うので追いかけるだけ無駄です。ステージ2では職場が舞台。出社すると上司が「今頃来てなんだその服装は!」とお小言垂れるのですが、その一言でプッツン来てサラリーマン壊しまくり。羽虫のせいかもしれないけど辛抱足らない主人公に感情移入できません。これまた貧相なオフィスで事務机やロッカーを破壊しますが肝心の憎い上司へは攻撃が届きません!
そう、このゲームでは無生物を「破壊する」ことはできても、生物を「殺傷する」ことはできないのです。キャッチコピーに嘘偽りはありませんが、これがステージ3になると街中で警官が発砲してきたり、野良犬が噛み付いてきたりします。このステージで晴れて一段階怪物へと変形できたのに警官や犬からは逃げるだけ。なんか違う、こんなゲームがやりたかったわけじゃないんだ。

その後も警官からは逃げつつも無生物を破壊してだんだんと舞台のスケールが大きくなっていくのですが、相変わらず主人公の動きはもっさり、オブジェクトの位置はまばらで、オブジェクトを破壊して次のオブジェクトへ移動するまで1分かかるような展開です。
その間もドーパミンゲージは減り続けるから次のオブジェクトを求めてもっさり移動を必死にやるのですが、これがホントに破壊ゲーなの?と自問したらもうゲームを続けられなくなりました。

総評:
動きが遅いのもオブジェクトの数が少ないのも技術力に問題があることが明らかですが、一説によるとゲームオーバー時に回転して見せる、というディレクター(かスポンサー)のワガママからポリゴン数確保できなくなったことが原因らしいです。作っている側もこれ面白くないよなーと自覚しながらも作っていたと思われますが、それを買わされるほうはたまったものじゃないです。
攻略ガイド
とりあえず最初の難関であるステージ3の攻略でも。発砲してくる警官は無視。家屋は左手前にプロパンガスがあるのでこれを破壊すると誘爆します。自動販売機はドーパミン回復効果が高いので全て破壊していきましょう。
その後のステージもこんな感じで無視する敵(オブジェクト)と、いろいろとおいしいので積極的に破壊するオブジェクトの識別ができれば攻略がスムーズに行くのですが・・・やってみて身体で覚えるしかないのがつらいところ。
出演声優
不明。
関連ソフト
塊魂(PS2、PSP/ナムコ)、暴れん坊天狗(FC/メルダック)。

 

   

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