◆ネオ アトラス◆

 

 ● 製品データ
タイトル  ネオ アトラス
発売日  1998年2月26日 メーカー  アートディンク
定価  5,800円 ジャンル  世界地図作成SLG
廉価版  Playstation the Best/1998年12月3日/アートディンク/2,800円、
 SuperLite 1500シリーズ/2003年6月26日/サクセス/1,500円
関連商品  初出はPC-98シリーズ。攻略本あり。シリーズ最新作はPS2で〜3。
   
 ● 評価
外見衝撃度  航海士の瞳が地球になっている、意外とシュールなパッケージです。
 ★★
超越世界観  噂を信じるか信じないかで、地球の形が決まってしまいます。球体は
 もちろん、端が滝になっている世界や亀と象が支える世界まで!
 ★★★★
声優度  ボイスは一切なしです。
 −
演出度  地味なテーマながらも、壮大なOP・EDムービーや要所イベントで
 表示されるイベント絵など、頑張っています。
 ★★★
時間報奨  時間かけていろいろなものを発見し、エピソードを解き明かしていく
 部分が、このゲームのメインです。
 ★★★★
牽引力  提督からの報告で徐々に未解明領域が解明していく様は、梱包材
 (通称プチプチ)をつぶす楽しさと似たところがあります。
 ★★★
ゲーム性  エピソードの関連性・ヒントが希薄で、自力で楽しむのは無理。
 また、時間経過がオートなので、じっくり考えることができません。
 ★★
快楽性  キーインターフェイスは悪くないけれど、4段階のズームで発見物を
 探索するシステムは、面白さよりも面倒さが上回るデザインです。
 ★★
芸術点  空想物がいい加減すぎ。もっと勉強して欲しかったです。
 −
所有価値  何度も廉価版リニューアル&続編が出ているので、今からあえて
 手に入れる必要はないかと。
 ★
総合評価  完成する世界地図のバリエーションは無限だけれど、目指す目標は
 一緒なので・・・思ったより自由度は感じられなかったです。

42点

   
 ● コメント
イントロ
時は15世紀、場所はポルトガル。かの地で貿易商を営むあなたの元へ、ポルトガル国王から一通の新書が届いた。それによると、あなたは王国の公開事業発展のために未開地を開拓し、発見した事実を国王に宝庫屈しなければならない! しかし、そこで見つけた特産物については、あなたが独占的に貿易の対象とすることができるのだ。貿易のうまみと発見物による報奨、そして開拓地の広さに応じて毎年もらえる援助金を元手に、あなたは世界の真の姿をその目で確認できる第一人者となるのであった。

というようなことが書かれているマニュアルのプロローグを読み終わらないうちに、いきなりリアルタイムでゲームスタート。開始直後の地球は、地中海周辺以外は雲に覆われた未開拓地域です。そこで提督を雇い、探検船団を組織し、探検航海でルートを指定してやれば、彼らは探索結果を携えて戻ってきます。それを繰り返して確定領域を広げ、地球の真なる姿を発見するのです。
レビュー
当時のヨーロッパの人々が、帆船を操って大陸を次々に発見していった、その歴史を体験するSLGです。具体的には、ヨーロッパ大陸を南下してアフリカ大陸の南端、希望峰を見つけ、そこからアフリカ大陸を迂回するように北上してインドを発見、そして最後は日の出ずる国、黄金の国ジパングへ到り着くまでのルート。そしてそれと並行して、大西洋を横断し、南北アメリカ大陸を発見するルート。そして最後にこの両ルートが両端で重なり、地球が丸いことを証明するにいたる・・・。そんな時代のお話です。
もちろん、史実をなぞるだけがゲームではありません。陸地を発見したという提督からの報告や、確定地域を浮遊する「うわさ」のそれぞれを、プレイヤーは信じる/信じないの選択をすることができます。この選択によって、新たな大陸が海上に浮かびあがり、地球の真の姿(球体、滝で囲まれた世界、巨人が支える世界、象と亀が支える世界)を決定することができるのです。

とまぁ非常に浪漫溢れるゲームに思えますが、実際には金策に追われてセコセコとマップをスクロールさせ、発見物を探す作業がメインの忙しいゲームになっています。なにぶんゲームの進行はリアルタイム、ボケッとしていては船の維持費で資産は目減りし、期限までに領域を広げよという国王の勅令も達成することができません。貿易が軌道に乗るまでは発見物による報奨金で糊口を凌ぐしかないのです。
発見物は都市・生物・民族の他にも財宝・アイテム・場所などがあり、特定の提督に特定のアイテムを所持させて特定の場所へ行くと、一連のエピソードが始まることがあります。が、エピソードのログを確認することができないので、攻略本等のヒントなしではイベントをつなげることは無理に近いです。
また、発見物を見つけるために地図のスケールをこまめに切り替え、そしてまた探索中に割込みで入る提督の報告で作業中断させられる部分は、正直かなりのストレスです。そういうゲームだと割り切らないとダメでしょうね。

とりあえず地球の真の形を確定させるとエンディングムービー。これはなかなか綺麗でした。わたしの場合は滝世界を迎えることができましたが、他の世界観を見るために改めてプレイしたいとは思わないです。マジカンベン。

総評:
発見される民族や生物、エピソードの類は空想の産物がふんだんでワクワクさせてくれます。しかし人魚やクラーケンといったメジャーなものを除けば、スタッフがでっちあげたものばかりで、(幻想界の)リアリティに欠けていました。もっと当時の博物誌を紐解き、勉強して欲しかったです。別に原書じゃなくても、荒俣弘や種村幸弘や渋澤龍彦がそういった本をたくさん書いていて、簡単に手に入るじゃないですか。ここらへん、物を作る上での手抜き感が痛いくらいに伝わって、それだけでもう全体の印象ダメダメです。

攻略ガイド
マニュアルの後ろのほうに攻略のヒントが3ページに渡って書かれています。私自身はこのヒントを見ても解けなかった謎があるくらいなので、ここでえらそうに言えることは何もなかったりします。それでも一応のエンディングは見られたので、まずは何も考えずにプレイしてみてはいかがでしょうか。
出演声優
なし
関連ソフト
エターナルアルカディア(DC、GC/セガ)、ドリホー(XBOX/ハイウェイスター)

 

   

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