◆◆◆アルナムの牙◆◆◆
● 製品データ | |||
タイトル | アルナムの牙 | ||
発売日 | 1996年2月2日 | メーカー | ライトスタッフ |
定価 | 3,980円 | ジャンル | 一本道ADV |
廉価版 | なし | ||
関連商品 | PC-Engine版からの移植ですが、ジャンルがRPGからADVになって います。また、続編である「アルナムの翼」というゲームも存在します。 |
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● 評価 | |
外見衝撃度 | パッケージに登場するキャラクターの面々がちっともゲームに 出てこないなぁと思ったら、サブキャラオンパレードでした。あれま。 |
★★★★ | |
超越世界観 | この世界は一度滅んだ後に作られた偽りの世界・・・という展開は いいんですが、結局は壮大な家族喧嘩だったと。 |
★★★★ | |
声優度 | 豪華ですが、悲しいほどにしゃべらないです。 |
★★ | |
演出度 | オープニングやイベントシーンでムービーが入るけど、荒い。 発売当時にこれ見ても、これはあんまりだと思う。 |
★★ | |
時間報奨 | コマンド総当りのADVですから、誰でもいつかはクリア可能。 たとえ詰まって先に進めなくても、章セレクトで先の展開見れます。 |
★★★★★ | |
牽引力 | 物語のテンポが早かったせいもあるけど、先へぐいぐい引っ張って いかれました。 |
★★★★ | |
ゲーム性 | 元となった作品はRPGですが、これは一本道のテキストノベルです。 |
★ | |
快楽性 | データセーブ機能がそもそもないだけに中断される感覚はないです。 ボイス入るシーンは強制オートモード進行というのは珍しい。 |
★★★★ | |
芸術点 | プレイ時間をいたずらに増やすだけの戦闘シーンを入れなかった点、 データセーブなしでタイトルから自由に章スキップできる点を評価。 |
★★★★ | |
所有価値 | 元ネタを知っている人や、ゲームを遊びたい人にはオススメできない です。何らかのソフトウェアで不快感なく時間つぶしたい人向け。 |
★ | |
総合評価 | 定価3,980円と言うところにスタッフの良心を見ました。 |
62点 |
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● コメント | |||
イントロ | |||
ここはアルナムと呼ばれる世界・・・。獣族として生まれた少年ケンブは、この世界を統治する中央府・清都からの呼び出しにより、旅立つところであった。”人間”が統治するこの清都の周囲でも、最近は異形の怪物”肉叢(ししむら)”が徘徊するようになったらしく、その自治に、駆り出されたのであった。それが壮大な物語の始まり、永遠に続くと思われていた人間達の統治の時代の終わりとは知らずに・・・。 こんな感じで、人間に虐げられている獣族の代表12人が集まってこの世界の真実を垣間見るADVです。獣族は十二支に相当する12匹の獣の血を受け継いでおり、必要に応じ獣化(全体or部分)してその能力を使える便利仕様。というわけでキャラ紹介。 ・ケンブ(犬):17歳。このゲームの主人公。正義感溢れる少年だが目先のことに捕われやすい。 ・トエイ(兎):17歳。メインヒロイン。少々気が強いが割と素直。 ・シャッコ(虎):23歳。短気だが義理堅く、剣の腕はなかなか。妹に頭が上がらない。 ・トバリ(鳥):19歳。主人公が最初に出あう気の弱い青年。飛べるという特技以外、利用価値は無いと思われ。 ・スズメ(馬):21歳。お約束のポニーテールでさっぱりしたお姉さん。18禁レートなら主人公の初物をおいしく頂いちゃうようなキャラ。 ・バッソ(鼠):18歳。子悪党。シャッコを兄貴と慕ってまとわりついてる。 ・タランダ(蛇):25歳。怪しい雰囲気ムンムンだが男嫌いの熟女。ラストではシャッコにツンデレ。 ・ランチョ(猪):35歳。豪快オヤジ。妻子持ち。 ・ギュウ(牛):27歳。無口だが頼りになるでかい男。インディアン嘘つかない。 ・ヨウガン(羊):20歳。争いが嫌いという理由で逃げてばっかりの青年。本人気づかずに周りに不幸を撒き散らすイッテヨシな人種。 ・ヒエン(猿):16歳。知恵が回るばかりに生意気な少年。母親の過保護がこういう性格を生み出しており、本人もそれに気づいているフシがあるところは憎めない。 ・リョウスイ(龍):年齢不詳。ラスト近くでオイシイとこもっていく謎の青年。 |
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レビュー | |||
タイトル画面で「はじめから」を選択すると、長老に清都へ行けと言われてゲームスタート。村の広場に出ると「移動」「会話」という2つのコマンドが出現。こんな感じでコマンド選択して進んでいくのですが、どのシーンでも通常コマンドは最大2つ(移動・会話または移動・調査)しか出てこないステキ仕様。これを手抜きと見るか、何も考えなくていいやラッキーと思うかはプレイヤー次第ですが、後者の人でないと今後の腰砕け展開はつらいかも。 そんな感じで清都へ到着すると皆の憧れであるマリエーン様からありがたい励ましのお言葉を頂き、晴れて地方の街の警備につくことに。それから後はお使いイベントの連続でラストまで突っ走ります。途中、お使いイベントの最中にまた別のお使いイベントが出現するという入れ子が発生しますが、メッセージを読んでいれば次に行く場所は明確なので困りません。大抵、連続するお使いイベントは目的地が近くに集中しているので、むやみにあっちへフラフラこっちへフラフラさせられない点はかなりグッドです。プレイ時間3時間ほどでエンディング。 ケンブ以外の獣族の皆さんは、ケンブに同行すると言う形で彼のミッションにつきそうのですが、実のところ「この近くに私の村があるから寄って行きなよ」てな感じで冒険ものストーリーのゲストみたいな扱い。まぁ最後は全員終結→4パーティーに分かれてラスボスを倒すのですが、温度差があってどうもパーティーに馴染めない約2名はそこには参加しないという、実にわかってらっしゃる展開で感情移入度をさらに高めてくれます。 それと、物語のラストに明かされる驚愕の事実について。この世界は人類がほぼ壊滅した後になんとかいう能力者が地下に再生した世界らしいです。そのときにノアの箱舟よろしく現存する獣たちを避難させ、それらを遺伝子操作して生まれた存在が獣族とのことですが龍って現存してたんですかそうですか。何はともあれ、人間の驕り高ぶった精神が地球を滅ぼしたんだから地下世界では獣族を支配者としてみますた、しかし今度は龍族が独裁支配で人間族の反乱で今にいたるそうで、もうぐちゃぐちゃです。地下世界を構築した能力者は、自ら地下世界の太陽となってそれを黙って見てるだけで、世界統治は娘のマリエーン様に投げっぱなし。・・・ゴメン、自分でも何書いてるかわからなくなってきました。 その頃地上世界では、能力者の妻が地上を再生させようと自分の息子(マリエーン様の実兄)を肉体改造したら失敗して再生能力だけの肉塊になってしまい、それが地下へ溢れたのがイントロで述べた肉叢でしたと。こんな感じでひたすら明かされていくラスト近くのトンデモ展開はもう笑うしかないです。 んでラストバトルはその実兄と。彼を倒したところで夫に振られた母(地上世界の支配者)が出てくるのですが、捕われていたはずのマリエーン様が奇跡起こして兄と母を吸収。ついでに「痛みに耐えてよくやった。感動した。」としゃしゃり出てきた父親(諸悪の根源である能力者)までも吸収して無敵の存在に。ラストはマリエーン様にこの世界を再生していただいてハッピーエンド?ですけど、どうしてこんなトンデモ両親から聖女のようなマリエーン様が生まれたのか、その謎については最後まで明かされませんでした。 総評: RPGでは肝となっていた戦闘シーンですが、このソフトでは戦闘シーン風味のコマンド選択で実現しています。「頭を狙う」「体を狙う」「足を狙う」という3つのコマンドが出てくるので選択すると、「ケンブは噛み付いた。ダメージを与えた。反撃を受けた。」みたいなメッセージが出てきます。しかしこのメッセージはあらかじめ決まっており、それぞれ4回ずつ選択すれば強制的に次へ進むという子供だましでしかありません。個人的にはこれって全然オッケー、不条理な選択ミスで突然ゲームオーバーされるよりよっぽどいいと思うんですけど、そういう考えって変かしらね。 |
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攻略ガイド | |||
コマンド総当りのお使いゲーですから、攻略と呼べるものはありません。ただ、ラストの迷路は面倒くさいかも。メモとりつつ進むとよいです。どうしても面倒なら、一旦タイトルに戻り、そこから次のシーンを選択しちゃったほうが早いかもね。 | |||
出演声優 | |||
冬馬由美、篠原恵美、真柴摩利、田中真弓、島本須美、吉田古奈美、松下美由紀、根谷美智子、山田美穂、山本美由紀、岡本嘉子 | |||
関連ソフト | |||
BURAI(PC/リバーヒルソフト)、豪血寺一族シリーズ(AC、SS、PS/アトラス)、ぱにっくちゃん(SS/イマジニア) |
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