スペースハリケーン |
SPACE HURRICANE |
LSI GAME 3Dジオラマゲーム/バンダイ |
Written by T鈴木 |
FL最末期ゲーム |
バンダイ「スペースハリケーン」です。
一般の方には馴染みが薄いタイトルかと思われますが、コレクター(主にFLファン)にとってはある意味垂涎アイテム。
ファミコンがすでに登場していた電子ゲームブーム終末期(1985年)に発売されたとあって、その生産数の少なさからさ、オークションサイトや中古ショップなどでは相変わらず高値で取り引きされているようです。
パケに銘打たれている「3Dジオラマゲーム」というコピー。
3Dと言うと先に紹介した「FLザクソン」が思い浮かびますが、果たしてジオラマとは?
電ゲーとジオラマ…。一体どのような関係があるのか!?
3Dジオラマゲームとは? |
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答えから先に言うと、スクリーン内にプラスチックで作られた要塞ジオラマがあるだけです。 左の画像は本体を分解して正面から撮影したものですが、実際にジオラマが置かれているのは手前の(白い)部分だけ。 中央にハーフミラーを挟むことによって、奥の方まで要塞が続いているように見せかけているのです。 この工夫によって、映画「スターウォーズ」における、デススター表面での戦闘シーンを髣髴させる演出をさせているわけですね(でもちょっと苦しいような笑)。 |
言葉で説明すると分かりにくいので絵に描いてみました。 右図は「スペースハリケーン」の横からの断面図なのですが、見ての通りジオラマが置いてあるのはハーフミラーの手前側だけ。 ハーフミラー(マジックミラー)は普通の鏡のように物を反射させるだけでなく、薄っすらと向こう側も見えるという特性を持つので、ジオラマを反射させて奥行きがあるように見せるだけでなく、ミラーの向こう側の蛍光表示管(ゲームキャラクター)も映すことができるのです。 これにより、さもジオラマ内で、キャラクターが戦闘しているように見えるわけですね。
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宇宙の嵐 |
ゲームは5つのパターンから成り立っています。
自機(スペースハリケーン)を操縦桿で左右に動かし、操縦桿上部に付いてるファイヤーキーでミサイルを発射。
なお、操縦桿は縦にも動きますが、自機の操作には関係なし。
ミサイルはボタン押しっぱなしでオート可能だぞ(でも画面中に1発しか撃てないのであった)。
5回ミスすると右のエネルギーゲージがなくなってゲームオーバー。
最高得点は1990点となっています(それ以降は0に戻る)。
スペースハリケーン ストーリー |
ときは西暦2751年… |
登場キャラ |
高速FR-14戦闘機。 通称「スペースハリケーン」だ。 武器は二連装のミサイルのみ。 |
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高速バルガー攻撃戦闘機。 帝国軍のザコ量産機。 集団で出てくるとなかなか侮れない。 |
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サークロイド戦闘機。 ビットミサイルを発射して攻撃する。 (載っているのはニュータイプに違いない) |
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パルス電磁波。 電磁波なのになぜか目に見える。 浴びると健康に悪そうだ。。 |
空母ガルバン&護衛機ゾイダー。 帝国軍最大の切り札だが、 その割に弱い。 |
パターン1 バルガー小隊との戦い |
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パターン1は敵戦闘機「バルガー」との戦いです。 バルガーが弾を撃ちながら次々と飛来してくるので、ミサイルで撃墜してください。 (1機倒せば20点) バルガーは画面に3機までしか現れないので覚えておこう。 一定時間経てば次のパターンに進みます。 |
パターン2 敵のビットミサイルを撃て! |
パターン2は敵攻撃艇サークロイドから送りだされるビットミサイルが次々と攻撃してきます。 ビットミサイルの攻撃をかわし、サークロイド本体を2機撃破すればクリアです。 ビットミサイルを破壊すると20点。サークロイドを破壊すると30点がそれぞれ加算されますが、パターン2のクリア条件はサークロイドの2機撃破。 つまりビットミサイルを延々と破壊し続け、得点稼ぎをすることができるのです。 (と言っても、どうしても流れ弾がサークロイドに当たったりするので激ムズ) |
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パターン3 電磁波攻防戦 |
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パターン3は上から飛んでくるパルス電磁波を左右にかわします。 (こちらの攻撃は何も意味をなさないので念のため) それにしてもこの電磁波、動きがいやらしい! 右と思えば左、左と思えば右… ギリギリまで電磁波を引きつけ、全力で見極めて高速移動でかわすしかない! ハッキリ言って最難関ですが、ここをクリアすれば、もうゲームをクリアしたと思っていいよ(笑 |
パターン4 電磁波の陰に隠れた敵を撃て |
パターン4は、電磁波の隙間にいるバルガーを撃破します。 バルガーの位置を素早く見極め、早めに倒して電磁波の間をすり抜けよう。 一定時間経つと次のパターンへ。 しかしパターン3の極悪さが嘘のようなヌルさ! ちなみにパターン1・3・4は時間制によってクリアとなりますが、途中でやられるとそのパターンの最初からとなります。 しかしパターン終了間際のミスだと、次のパターンに進むことができるぞ(「ゼビウス」みたいなもんですね)。 |
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パターン5 敵の最終防衛ラインを叩け |
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いよいよ最終ステージ、パターン5です。 巨大要塞ガルバンは、それ自体は攻撃してこず、もっぱら護衛のゾイダーが攻撃してきます(何の為にいるのか)。 雨アラレのように弾を降らせてくるゾイダーですが、基本的に弾は直線・一定のリズムで飛んでくるので、容易に避けることができます。 ってかゲーム中最弱!(笑 ゾイダー(30点)を2機破壊すればクリア。 ボーナス150点が入り、スピードUPした2周目に突入します。 |
ニセガンダム |
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…と、ここまで読んで賢明な電ゲーファン諸君なら気付かれたと思われますが…。 「FL機動戦士ガンダム」とまったく同内容ですね。 違うところと言えば横画面が縦になったことと、音関係、キャラ絵のパターンなどですが、それだけでここまで違う雰囲気のゲームになってしまうとは… 液晶ゲームではキャラだけ変えたクローンゲームが横行してるのは周知の事実ですが、FLにおいてクローンゲームが存在するのはちょっと珍しいですね!? てか、名作と歌われている「FLガンダム」に比べ、この「スペースハリケーン」が妙にショボく見えるのはなぜか!?(笑 |
スペハリの悲哀 |
というわけで、希少性があってマニア人気もある割に、作品としてはいまいち評価が低い「スペースハリケーン」。 やはり横画面前提で作られた「FLガンダム」を無理やり縦画面にしたことでゲーム性が破綻したのか、それもと無駄にデカくて操作し辛い操縦桿型スティックが不評だったのか、あるいは単なる置物と化している無駄でチープなジオラマが失笑を買ったのか… とにかく後期FLにありがちな、存在自体が価値カテゴリーに位置づけられてしまってるのが残念です。 とは言っても、ジオラマや操縦桿で他と差別化させようという心意気は評価したいところですし、国内最後のFL機種とあって、時代を語るには外せない1台であることには変わりないので、見つけたら即GETしておくことをお勧めします。 |
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