ファイア アタック
FIRE ATTACK
GAME&WATCH WIDE SCREEN/任天堂


Written by T鈴木





スキマゲームウォッチ登場


センセーショナルを巻き起こした「ゲーム&ウォッチ」ブームも、'81年末に発売されたワイドスクリーン版「ファイア」を持ってひとまず終息。
そして年が明けた’82年。
任天堂はワイドシリーズの新たな商品として「タートルブリッジ」「ファイアアタック」「スヌーピーテニス」を投入しました。

この3機種が従来のワイドシリーズと違うところは

・本体色はブラックにストライプが入っている(スヌーピーテニス除く)。
・サウンドに従来作の使い回しを廃止。
・最高得点が従来の999点から9999点に変更

・200点、500点到達時などにチャンスタイム導入(後述)

などで、過去作との差別化を図ろうという意欲は見られるのですが、売上的にはまったくの不振(だったらしい)。
既に他社からも数多くの液晶ゲームが発売されており、G&Wシリーズだけが突出した存在であり続けることは難しくなってきたのです。

この不振は同年「ドンキーコング」「オイルパニック」などのマルチスクリーンシリーズが発売されるまで続くのですが、そのマルチスクリーンがあまりにも大ヒットしてしまったために、その直前に発売されたこの3機種は、存在がひどくマイナーになってしまった、スキマゲームウォッチとして、大層不遇な扱いを受けていると言えます。

「タートルブリッジ」「スヌーピーテニス」の内容は過去記事を参照してもらうとして、今回はその3機種の中から最後の1台、「ファイアアタック」を紹介しましょう。
1982年3月26日発売。





登場生物の色々



開拓時代のアメリカ西部。
騎兵隊の砦にインディアン(現在はネイティブアメリカンと言うらしいが、当時の取説にそう書いてあるので、敢えてそのままの名称を使用します)がたいまつを持って焼き討ち攻撃をしてきました。
兵士をうまく操作して砦を守ってください。



兵士
ハンマーを振りかざし、たった1人で砦を守る。
インディアン(上段)
崖の上に現れ、火の付いたたいまつを投げる。
インディアン(下段)
地上から歩いて接近。同じくたいまつで砦に火を付けようとする。
ラッパ兵
ゲーム中には登場しない、アラーム用キャラ。





4つのボタンで砦を守れ


出てきた順に叩け!
上下4方向から敵のインディアンが砦に火を付けようとしてきます。
それぞれの方向に対応した4つのボタンを押し、インディアンやたいまつを叩き落としましょう。
こう書くと同シリーズ「マンホール」や「ミッキーマウス」を思い出されるかと思われますが、それらのタイトルと決定的に異なるのが「叩く」という行為。
そう、ただ敵が来た方向に移動するだけではなく、さらにその場でもう一度ボタンを押し、ハンマーで敵を叩き落とさなければならないのです!

これを画期的と見るか、テンポが悪いと見るか!?
ここが「ファイアアタック」が、ファンから評価を2分される所以なのです。
(貴方はどう思いますか?)





ゲームのルール


ゲームAでは3箇所(ミスする度に3個所の位置が変わる)、ゲームBでは4個所からインディアンが出てきます。
インディアン、またはたいまつを1個叩くことに2点。
また得点の100の単位が2、または5になった場合、これまでのミスが帳消しになります。
そこまでは従来の機種と同じですが…何とその時点でミスがなければチャンスタイム!
スコア表示が点滅し、30〜50秒の間、得点が5点となります。
最高得点が9999点と厳しくなっているので、これは狙わない手はない!

ちなみにこのチャンスタイム制は、後のマルチスクリーンシリーズにも引き継がれているぞ。

ミスすると砦もろとも燃え上がる





不人気作?


「ファイアアタック」のパッケージ
というわけで、なかなか遊べる内容の割にはイマイチ評価の低いような気がする「ファイアアタック」。
当時でも「タートルブリッジ」を持ってる人はたくさんいたが、コレを持ってる奴は少なかったなぁ…(3部作ではタートル>>>>ファイアアタック=スヌーピーテニスみたいな人気順だった。筆者の周りでは。)
この後間もなく発売された「ドンキーコング」のあまりのインパクトに、存在感が霞んでしまった感じもありますが、そうでなくても内容的に地味な感じがしますしね。
この時期の機種としては。

と言っても、さすがは王道ゲーム&ウォッチ。
決して出来が悪いわけではありませんので、機会があれば手に入れておいて損はないでしょう。





「ファイアアタック」の全キャラパターン





週刊電子ゲームレビューINDEXに戻る

帰って来た電子ゲーム TOPに戻る