クレージーカラス
CRAZY KARASU
LCD GAME DIGITAL/バンダイ


Written by T鈴木





ツッパリカラス先行型!?


バンダイ「クレージーカラス」です。
「ん?これって同社ゲームデジタルシリーズ、ツッパリカラス」と似てるな〜。どう違うの?」
とお思いの方。かなり鋭い!
そう、この「クレージーカラス」は、後年発売された「ツッパリカラス」の先行品、プロトタイプと言うべき存在なのです。

果たして、「ツッパリ〜」と何がどう違うのでしょうか!?
電ゲーファンなら興味津々ですね!(でもないか)。





シューティングゲームだ!


カラスを狙い撃て!
ハンターを左右に動かし、上空より滑空してくるカラスを猟銃で狙い打ちます。
この辺は「ツッパリカラス」と同じなのですが、「ツッパリ〜」と決定的に違うのが、カラスに直接攻撃を食らうとミスになるということ。
舞い降りるカラスの軌道を読みつつ攻撃を裂け、ライフルの弾を当てねばなりません。
(その代りヘビは出てこない)

GAME1ではカラスは1匹だが、GAME2では2匹のカラスが舞い降りてきます。
「インベーダー」型のゲームかと思いきや、意外にも「ギャラクシアン」タイプのゲームなのだ。





ハイスコアを狙え


と言っても、狙えるカラスは上2段のカラスだけ
3弾目以降に降りてきた奴は撃つことができません。
(この辺は「ツッパリカラス」も踏襲してますね)

なお、カラスは倒す位置によって得点が変わってきます(右図参照)。
雲の上にいるカラスは撃つことができないぞ。
位置によって点が変わるぞ





バイオレンス・カラス


襲い来るカラス
カラスに突かれると、哀れミスになってしまいます。
このとき、ハンターの首が「グキッ」と折れるのがかなり笑える(笑

首がグキッと…

なお、ハンターの残機はなぜか5機設定。
かなり長く遊べる仕様となっております。





先進の5大機能!


この「クレージーカラス」、「モンキーココナッツ」「サーキットチャンピオン」などと同じく、初期ゲームデジタル(シルバー)シリーズと呼ばれています(「バクダンマン」「クロスハイウェイ」などの後記シリーズより値段が高く、ボディもシルバーで統一されている)。

パッケージには「先進の5台機能!」などと謳われており、「アラーム」「時計」「日付」「ストップウォッチ」「ゲーム」の5つの機能を搭載しているこを大々的にアピールしてますが、ただの電子ゲームに様々な付加要素をくっつけることがステイタスと思われてたんですね。当時は(漫画雑誌が「○大付録!」というのを売り物にしていた時代の様に)。

ライフル発射ボタンも「サーキットチャンピオン」同様、本体左上に付いており、押しにくい上に無駄にコストがかかっているように思われますが、これが当時のジャリにとっては、何とも言えぬゴージャス感を醸し出していたのでしょう(たぶん)。


発射ボタンは本体左上に設置





残念な出来


「クレージーカラス」のパッケージ
というわけで、電子ゲームで「シューティング」という題材を扱ったこと自体は珍しく、貴重な感じがしますが、内容的には消化不良であることは否めません。
まず「ギャラクシアン」タイプと前述しましたが、これは見た目だけで、実際に狙えるカラスは上段2列のみ。
それも殆ど「流れ弾に当たる」レベルで、「狙って撃つ」という要素は皆無に近い(ってか上2段は遠すぎる!)。
また画面上に弾は1発しか撃てないので、「弾幕を張って次々と敵を撃ち落とす」的な爽快感とも無縁だったりします。

当然「滑空してくるカラスをギリギリまで引きつけて狙い撃つ!」と言ったこともできませんので、その辺りの緊張感が醍醐味だった「ギャラクシアン」とは根本的にゲーム性が異なるわけです。

何はともあれ、「緊張感」と「爽快感」。この2つが欠落してしまったら、シューティングゲームとしてはどうかと思うのですが(笑)。

また、残機が5機と言うのも多すぎる。
長く遊ばそう…という配慮かもしれませんが、ゲームの難易度自体それほど高くないので、ちょっとダレてしまいますね。
通常通り、3機で充分だったのでは。

以上の反省点を考慮して(?)改良されて後に発売されたのが「ツッパリカラス」かと思われますが、「ツッパリ〜」のレビューを参照してもらえれば分かるように、それほど内容的に改善されてるとは思えません。
それどころか、一番改善しなければいけない部分をおざなりにしているような…

いづれにしても、数が少なく、なかなか出てこないレアゲーであることに違いはないので、高値になっていたらよくよく考えてから購入しましょう。

カラス兄弟、要注意!(笑





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