与作とドン平
YOSAKU TO DONBEI
ELEC GAME/シンセイ


Written by T鈴木


イカす本体

何か最近の携帯ゲーム機みたいな本体ですね(笑)。
いや、これでも20年近く前の携帯ゲーム機なんですよ。ええ、しかもLEDの!
したがって通信対戦だの、モバイルアダプタ接続だの、ルキーブルーカラー限定本体など、間違っても存在しないので間違えぬよう・・・・。
そんなわけでシンセイ(新生工業)という、あまり聞いたことのないメーカーの誇るLEDシリーズ(と言ってもあと2〜3種類しかないが)「与作とドン平」ですが、最新の本体デザイン(?)に最古のテクノロジーという、何ともアンバランスな感じのするゲームです。
はてその内容はいかに!?


カラスに攻め込まれるな!

ゲーム内容

タイトルからカラスをかわして木を切るゲーム(「与作」/SNK)を想像しましたが、全然違うゲームでした(汗)。
猟師(与作)を操作して、飛来するカラス(ドン平)を銃で撃ち落とすという、何ともバイオレンスな内容となっています。
まあ、言ってみればインベーダーもどきですね。

カラスは3段目まで来ると、急に敵意を剥き出しにして攻撃の構えに入ります。本当に敵意を剥き出しにしています。
このカラスが画面を3往復する前に撃ち落さないと、自機がどれだけ残っていようがゲームオーバーです。
インベーダーでいう「侵略」された状態ですね。

そして何と言うか、昔のゲームらしくいろいろ制限があって(汗)、一列に弾は1個しか表示されません。
つまり相手が弾を撃ってきている間は、こちらが同じ列にいる間は攻撃できないのです!(ドドン)。
これ知らないと「あれ?今弾撃ったのに出ないよ〜。ボタン壊れたのかな?自分で直して壊れたらやだな〜。メーカーに修理出さないといけないのかな?っていうかシンセイってまだあるの!?」と大変苦悩するわけです。
筆者も「あれ?今弾撃ったのに<中略>ってまだあるの?」と苦悩しましたよ。ええ(笑)。


アーケード版。何かな〜。


アーケード版

この「与作とドン平」、一応アーケード版も存在します。
正確には「与作とゴン平」と言うのですが、何かインベーダーブームのときに生まれた亜流のひとつっぽい作品で、ヘボい画面といい、点滅移動するカラスといい、インベーダーの足元にも及ばない出来となっています。
開発元は「ウイング」という、これまた何を作っているメーカーかよく分からないのですが(笑)、「与作とゴン平」を1979年に発表したあと、85年に麻雀ゲームを出すまで一本もゲームを発表していません。
その間何をやってたんだ、ウイング(笑)。
まあ、なぜこんなマイナーゲームを電子ゲームで出そうと思ったか理解に苦しむところですが、当時はメジャーかマイナーかはあまり関係なく、とりあえず「この間社員旅行で行った温泉旅館で見かけたゲームを移植しておけ〜」というノリだったので(たぶん)こういうゲームも存在するのかと・・・・。
でも「サスケ&コマンダー」あたりを移植するよな、普通(笑)。


「与作とドン平」のパッケージ

ところで

この「与作とドン平」のオリジナルがインベーダーの亜流だということは前述しましたが、電子ゲームオ世界にも亜流(って言うかキャラだけ変えた同じゲーム)が多数存在することは、電デー大好きなお友達ならすでにご周知のことかと思います。
このシンセイというメーカーも「ワープインベーダー」「ヒットスクランブル」という色だけちがう全く同じゲームを発売していたので大変不安になっていたのですが、第48回の史さんの「ゲキメツインベーダー」の記事を読んでその予感は的中しました。
「ゲキメツと同じやん・・・・!!」
「ゲキメツインベーダー」自体、オリジナルの「スペースインベーダー」をパクったゲームであり、さらにそれをキャラ変えして発売(しかもそれのオリジナル自体本家の亜流)すると言う、何とも書いててわけの分らない展開になってきましたが、ゴチャゴチャ言わんと面白ければ何でもええんや!
・・・・ってたいして面白くもないのですが(ぎゃふん)。



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