ゲキメツインベーダー
GEKIMETSU INVADER
ELECGAME/シンセイ


Written by 史

21世紀型デザイン


この逆3角形ははじめてみる人には衝撃的です。まるで映画に出てくる「ピコン・・・・ピコン・・・・」と響くエイリアン探知器のようなシェイプです。今後のSF映画にそのまま使ってもよさそうですね。
操作系が右にあり、現在のそれとは逆になっています。しかし、電子ゲームに限っては何故か全くプレイに影響しないことが世界7不思議の1つと言われています。
パッケージには一方に日本語で、もう一方には英語(BLASTER GAME)で書かれています。つまり、海外シェアも想定したデザインであったことが伺えます。こういった魅力的なデザインの電子ゲームは、ゲームのデキに関わらず、是非手元においておきたいですね。
 
ゲキメツのロゴだ
変わった設定とネーミング

非常に面白い設定です。なんとこのゲームではUFOが大量に出現して、インベーダーがたまに出現するんです。オリジナルと全く逆ですね。
UFOが左右に移動しながら迫ってきます。そしてそのUFOは唐突にインベーダーへと変身し近距離を攻めてきます。この「実はUFOの化身が宇宙人だった」という設定は当時の子供達を納得させるに十分でした。何よりも今回は和名のネーミング「撃滅インベーダー」に技アリだと思います。70-80年あたりにみられる心地よい響きですよね。
他にバンダイの「パック」、タカトクトイスの「ドッチダベー」なども同種の響きですよね。シリアス志向のエポック社では絶対に却下されるでしょう。当時は皆ダサくて購入を敬遠していましたが、20年経過して見直される時期に来ています。合計4機のミサイル基地を使って最高得点99点を目指します。
 
UFOを撃ち落せ!

電子ゲーム界のダークホース「シンセイ」

新正工業(株)というメーカーを御存知でしょうか? 電子ゲームのほかにラジコンも作っていたようです。しかしあらゆる資料をもってしてもなかなか発見できないマイナーなメーカーなようです。同社の電子ゲームには、電子楽器にもなる「ワープインベーダー」、インベーダーが戦闘機になっただけの「ヒットスクランブル」、馬キャラで競馬からインベーダーまで遊べるFL「ポンカード5」等があります。シンセイの電子ゲームは資料上に登場しないものの、発掘先の玩具屋さんでは良く出くわすので、以外に入手しやすいです。

左はミサイルベーダー(バンダイ)
ミサイルベーダーVSゲキメツインベーダー

その頃ポータブルインベーダーゲームとして最も人気があった機種がバンダイ「ミサイルベーダー」です。
こちらはインベーダー1匹とタイマンで勝負する内容となっています。50発のミサイルが尽きるまでの間高得点を目指します。こちらのインベーダーは、なんとモニターの走査線らしきものまでデザインされているので非常にオリジナルに忠実です。また月面背景まで描かれているので、アップライト筐体さながらと言ったところです。そして今回のゲキメツインベーダーは、「黒1色で統一された大型の本体」「独特の世界観に基づいた宇宙空間をバックに、UFOを複数LED表示」「強そうなインベーダー(UFO)のデザイン(笑)」と目指したところが”移植”ではないところが素晴らしいと思います。
当時近所にミサイルを持っている子とゲキメツを持っている子と2人いましたが、「何かとても怪しげ・・・」とインパクトが強くゲキメツに軍配が上がっていました。「ゲキメツなんてダッサ〜」と思いながら順番待ちしていましたね。当時の思いでも加わり、私的評価において「ゲキメツインベーダー」の勝利! ただしその差はメートル法に換算すると僅か1mmですが(笑)



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