豊中に伝わる民話
むかし、むかし、ここらへんにかまど神社という神社があってな。
その境内(けいだい)に井戸があったんじゃ。
えらいぼうさんが杖(つえ)を突(つ)いたところから
清水があふれたと聞いたような気もするが、ようはしらん。
水は湧(わ)き出て、南側の浄行寺(じょうぎょうじ)という
お寺のまわりを西から南へ、南からさらに東へ流れ道路に出て、
石橋がかけられたところは、村の洗濯場(せんたくじょう)となり、
家の庭を過ぎては水草に花を咲かせ、やがて野に出て
畑や田んぼをうるおしたのじゃった。
その川は、今はもう流れてはおらん。
千里川を改修(かいしゅう)した時に川床(かわどこ)が高くなって、
水が涸(か)れてしもうたそうな。
神社も移(うつ)されてここにはないしなあ・・・・