差出人: Osamu Ichiyoshi <osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2019年4月6日土曜日 22:35
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件名: RE: L.トルストイ著イワンの馬鹿に学ぶ
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イワンの馬鹿
L.トルストイのイワンの馬鹿についての考えを次の駄作にまとめました。
イワンの馬鹿
バカのイワンはバカなれば
骨を惜しまず働きて
ものを惜しまず人にやり
人を拒まず助くるなり
バカのイワンはバカなれば
心は空で悩みを溜めず
思惑はあらず物事が見ゆ
空の心は病む事もなし
バカのイワンはバカなりや?
イワンは知能の意味では決してバカではありません。農業をしっかりやって両親と妹を養い、援助を求めて来る人は
誰でも助けています。しかし二人の兄の生き方が他人の犠牲の上に成り立つのを知ると頑として助けませんでした。
イワンは徹底した無欲である意味でバカなのです。無欲ではあるが無気力ではありません。悪魔の妨害にも負けず
自分の仕事はとことんやり抜く気力に溢れています。バカにつける薬は無い、バカの一徹には悪魔の力も通じませ
んでした。
悪魔の説くところは「働かないで楽に暮らす事」ですがそれが成り立つ筈は無いので現実には「他人を搾取して暮
らす事」になります。即ち争いに満ちた世界ですね。
私がこの話を読む度に感ずる事は骨を惜しまず働く事により生活が安定している安心感と無欲の心の平安です。
劣等感とか優越感、自分の不幸を嘆いたりその原因を他に転化して憤慨する、将来を悲観して悩む等の心の悩み
が全くありません。また「すべては神の御心のままに」などと宗教的な救いに頼る事もなく、すべてを受け入れると
ともにすべてを産み出す大地のような心を感じます。私が幼かった頃の故郷の村にもどったような懐かしさと土の
匂いを感じます。
現実の世界は悪魔の説く世界であり、他人との競争のために現代人の心は優越感と劣等感、楽観と悲観、耽溺と
疲労感等に満ちており、心身の病が人を苦しめています。私もその一人ではありますが少しでもバカのイワンに近
づきたいものだと念じています。
イチローが国民栄誉賞を辞退したそうです。しかも今回で三回目だそうです。球界では以前盗塁王の福本選手の
例があるそうです。私はこのニュースを聞いて国家の表彰を拒否した福沢諭吉や文学博士号の授与を拒絶した
夏目漱石の例を思い出しました。彼等の行動にはバカのイワンにも似た広大な心を感じます。
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* 市吉 修 Osamu Ichiyoshi
* 二十一世紀を楽しく生きよう会
* Human Network for Better 21 Century
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