差出人: OsI [osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp]
送信日時: 201749日曜日 22:41
宛先: '
件名: RE: 第三の波の検証
 
転送歓迎
配信無用の方はお手数ですが返信願います。本MLは会員の紹介により加入する会
員の自主研究会です。返信または全員へ返信により意見交換をお願いします。二十
一世紀世界研究会とは「人が全国どこでも働き、生涯豊かに生きられる世界」を提案し
研究する会です。研究しながら理想の二十一世紀世界を実現しましょう。
 
 第三の波とは
Alvin Tofflerは著書 The Third Wave (Bantam Books, 1980)の中で約一万年前の農
業の開始を第一の波とし、18世紀後半に英国で始まった産業革命を第二の波とする
とそれに匹敵する、第三の波と呼ぶべき根本的な文明の変革が現在進行中である事
を提案しました。更にA.トフラー夫妻は著書Creating a New Civilization, (Turner 
Publishing, Inc, 1994)の中でそれによる社会の変革を分析しています。 それはJohn
Naisbitt著”Megatrends (Warner Books, 1984)の目次に簡潔に記述されています。
            Ch1  Industrial society --> Information Society
            Ch2  Forced Technology --> High Tech/High Touch
            Ch3  National Economy --> World Economy
            Ch4  Short Term --> Long Term
            Ch5  Centralization --> Decentralization
            Ch6  Institutional Help --> Self Help
            Ch7  Representative Democracy --> Participatory Democracy
            Ch8  Hierarchies --> Networking
            Ch9  North --> South
            Ch10   Either/ Or --> Multiple Option 
 
私はそれは我が国では福沢諭吉が唱えた学問立国であろうと考え「ガクモンのススメ」
と題する駄文をHPに公開しました。http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/gakumon%20no%20susume.pdf
 
当時はインターネット技術の可能性に期待して以下の楽観的な予想をしました。
            [1] 産業、経済、政治そして社会が平坦な構造になり民主化が進展する。
            [2]遠隔教育による生涯教育が可能になり学問が振興する。
            [3]産業と人の地方への分散が進み均衡のとれた国の発展が可能になる。
            [4]世界が一つの地球村に縮小しより平和で平等な世界が実現する。
 
あれから三十年余を経た今日の我が国の状況は如何であろうか。情報通信技術分野
において日本の優位は失われ、経済成長が停滞し<失われた10年が20年になり更
30年になろうとしているのではなかろうか。産業のあらゆる分野で不安定な非正規
雇用が広がり、社会的格差が拡大し、首都圏一極集中が続き、地方は各地の限界集
落がいよいよ消滅段階に入っていると思われる。
世界に目を転ずれば今世紀初めの9.11テロをきっかけに始まった「テロとの戦い」は
アフガニスタンから中東、アフリカ、ひいては欧米各国に広がり、膨大な数の難民の悲
惨な状況を生じている。テロ集団はインターネットを活用して過激思想をばら撒き人生
経験の浅い若者を勧誘して世界各地からの新規加入者によって勢力を拡大している。
昨年の米国大統領選挙においては悪意に満ちた虚偽報が真実を装ってインターネッ
トに流布された。第三の波がもっとも進展している筈の米国においてRust beltと呼ば
れる第二の波産業の地域で票を集めたトランプ氏が勝利した。同氏の公約は荒唐無
稽で政策は予測困難であり、世界の更なる不安定要因となる事を私は危惧する。
 
先日の米国のシリア攻撃は上の見方に合致すると思います。支持層と同じくTrump
は第二の波即ち帝国主義的思考法にとらわれた古者だと思います。残虐な毒ガス攻
撃は許されるべきものでない事は明らかですが、米国が支援している勢力が支配して
いる地域での出来事ですから現地調査を実施するのは容易だったはずです。アサド
は否定しているのに「お前がやった」と断定していきなり攻撃するのは「大量破壊兵器」
を口実にBushがイラクを攻撃したのと同じではないでしょうか。結局イラクに大量破壊
兵器は見つからなかったのですが、この戦争が引き起こした巨大な人災に対して
Bush氏は果たしてどんな責任を感じているでしょうか。 
 
現在の状況が第三の波理論が示した可能性と非常に異なる原因は
            [1]技術の進歩に人間が追いついていけなかった。
            [2]人間についての学問がおろそかにされた。 
日本では理系と文系に分ける無意味な分類が幅をきかせていますが上の[2]すなわち
人文学が疎かにされているのではないでしょうか。受験のために学校教育において歴
史を省くとか、職業教育を全くしないとか。
 
前世紀前半、中東のイスラム教徒はオスマントルコからの独立時の約束は反故にされ
英米の植民地分割に供され、さらに現地住民には全く相談なしにイスラエル建国を押
し付けられ今も屈辱的な二級市民扱いを受けています。
 
この歴史を確り学ぶ事なしには世界的な視野の政治を行う事は不可能です。肩書き
は壮麗でも世界の政治屋が言っていることは幼児がだだをこねているようにしか見え
ないのは私だけでしょうか。
 
 もちろん第三の波の可能性は現状の失敗に関わらず深遠なものがあると思います。
その一つの可能性は藻谷浩介氏の「里山資本主義」にあるかもしれません。
 
皆様はどうお考えになりますか。
 
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* 市吉 修   Osamu Ichiyoshi                    
* 二十一世紀を楽しく生きよう会                    
* Human Network for Better 21 Century      
* http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/
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