孤独問題の解決
2024/05/27 00:20
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世界の平和と繁栄のために
意を発し、想いを語りて世に現しませう。
孤独問題の原因
それはそれが自然だからでしょう。生物の大半は親も子も知りません。原生生物は細胞分裂により増え
ますが娘細胞の誕生は則ち母細胞の消滅です。多細胞生物の大半も親は卵を産み付けるとたいてい死ん
でしまいます。従って孵化した幼虫は最初から一匹で生きて行きます。親の愛はわずかに卵を最適条件
の場に生んでやる事くらいのものです。親は子を見ず、子も親を見ず、生命は続いて行きます。
私は中学生の間は家に電気が来ていなくて灯油ランプで勉強しました。蚊を捕まえて頭を火に突っ込む
としばらく胴をもぞもぞ動かして尻からぽろっと卵を産むのを見て生命力の強さに感動した事がありま
す。
哺乳類や鳥類は親が子育てをします。私は家の牛が子を産むとその世話係りになりました。学校から帰
ると草かりに行き、いつも牛に新鮮な草をやりました。夏に親牛を川に連れていく時には子牛は後にな
り先になり走り回りながら付いて来ました。ある朝父に言われて母牛を山に引いて行き木につないで自
由に草を食べさせ、その間に家中総出で子牛を牛馬市場に連れて行きました。牛馬市が立つ時に市場は
盛大な祭りで様々な物売りがテントを連ね、親戚中でご馳走を持って行って食べました。我が家の子牛
は5万円で売れて、私の努力も報われたと感じました。
夕方山に行き、親牛を家に連れ帰りました。母牛は胸騒ぎがするのか私を引きづるように自宅へ急ぎ牛
小屋へ駆け込みました。勿論そこに子牛はもういません。
それから一週間くらいは昼夜を問わず母牛が子牛を呼ぶ声に私はたまらない思いをしました。やがて母
牛もあきらめて啼くのを止めましたが、それからかなり月日が経った頃、牛に車を引かせて遠出した時
たまたま牛馬市場の前を通りかかると急に牛が啼きだしました。おそらく子牛の匂いがしたのでしょう。
私は改めて母の子に対する愛情の深さを知りました。
人間の孤独問題
上述の牛の親子関係は人間も同じですね。我が家の牛も子牛がもう少し大きくなってから売るのであれ
ば、誰もあんなにつらい思いはしなくて済んだでしょう。子が成長するまで大人が保護する、これは鳥
類と哺乳類の性です。ましてや人においてをや。幼児虐待の報道がある度に私はたまらない思いがしま
す。親が保護する事ができない子供は人間社会全体で保護して、一人前に育て上げる事が必要不可欠で
す。
成長すると共に人間は孤独を味わう事が多くなりますが、それは自然な事ではないでしょうか。逆に孤
独が許されない環境、完全に全体主義の社会においてはその窮屈さは大変な苦痛だと思います。
人は孤独ではない状態を理想として、孤独に陥るとそれを不幸と感じる、それは上の生命の在り方から
みれば不自然な事ではないでしょうか。生命は本来孤独である、そう考えれば孤独も一概に不幸とは言
えないと思います。場合によっては孤独の中にこそ深い平安があるのではないでしょうか。人の自由と
は即ち孤独を恐れない気概にあると思います。
孤独の不幸
とは言え勿論孤独の不幸もあります。最近自宅で事故死した義兄は弟妹も娘も遠方に住んでいるので、
配偶者を病気で亡くして以来14年間一人暮らしをしました。この間本人がどういう気持ちで暮らしたか
は分かりませんが、電話をしても通じない時などは当方もずいぶん心配しました。結局義兄の人生は自
宅での溺死に突然終わりましたがこれは正に不幸と言わざるを得ません。
私達もやがて義兄と同じ境遇に到るのは明らかです。おそらく私達と同年代の人は大半が同様でしょう。
義兄は老人ホームや高齢者対応マンションへの入居なども検討していましたが、自宅があれば自宅で暮
らすのが最も費用も安くてかつ気安くて良いと思います。それを目指して作られたのが介護保険制度で
す。
孤独問題の解決
[1] 孤独を恐れず
孤独は裏を返せば自由です。人は仕事や子育て、社会人としての責任を果たせば後は自由です。自由を
活かして理想を追求し、それを実現して行きましょう。
[2] 健康第一
人は健康であれば一人暮らしも、高齢化社会も恐れる事はありません。現代人の病気の原因はたいてい
運動不足と、食べ過ぎ、及び悩み過ぎです。昼間は精一杯活動して夜はゆっくり休み、色々な食べ物を
よくよく噛んで食べ、人事を尽くして後は天に任せれば健康寿命はうんと延びると思います。
[3] 人の為になる事をする。
孤独を免れる最良の道は人の為になる事をする事です。そもそも人に感謝される事以上の喜びがあるで
しをうか。C.DickensのChristmas CarolやG.ElliotのSilas Marner等は若い頃読んで感銘を受けまし
た。何れも利己主義者が孤独に陥っていたのが、ひょんな事で人助けを始め、人間性を回復する物語です。
私は近くの団地でアジア人の子供の勉強の手伝いを長年やっていますが、そこでは与える以上のものを
もらっています。
[4] 生涯学問
前述の如く人は何もせず年を重ねるとやがて老年の孤独に陥ってしまいます。毎日聞かない日が無い「お
れおれ詐欺」の被害者は殆ど一人暮らしの老人です。投資詐欺などで何億円もの大金を騙し取られたと
聞くとその被害者の無知にも腹が立ちます。
私は会社を定年退職してから既に17年経ちますが、毎年電子通信情報学会の研究会に参加しています。
日韓合同の宇宙、衛星通信研究会です。研究会は勿論ですが、そのために各地を訪れ、同好の士と交歓
する事はとても愉快です。
また科学技術者Forum (STF)も私には貴重な活動の場です。毎月各界の一流の講師を招いて行うセミナ
ー、および会員の中から講師を選んで行う交流会から多くを学ぶ事ができました。科学技術者には資格
は要りません。科学技術に興味がある事が唯一の資格です。皆様の積極的な参加をお勧めします。
以上を次の駄作にまとめます。
孤独と共生
人はおのおの 一人なり
おのれの道を 歩むべし
孤独なれば
人は人と共に 生きるなり
おのがために
生きれば世界が 狭くなり
人のために
生きれば世界が 広くなるなり
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+ 市吉 修
+ 二十一世紀を楽しく生きよう会
+ HP ; http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/
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