From: osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp

Sent: Sunday, January 22, 2023 10:12 PM

To:

Subject: RE: 加害者も含めて救うべし

 

宮川様、

貴重なご意見をありがとうございます。

 

永山則夫の「無知の涙」は昔私も一部読んだ記憶があります。彼が「師マルクスは」で始まる文章を書

いていたのを記憶しています。

 

今回永山則夫の記事をインターネット

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E5%B1%B1%E5%89%87%E5%A4%AB

で読みました。

 

確かに難しいとの感を強くしました。それにしても何とも悲惨な人生ですね。

これは自民党が憲法に書きこもうと運動している「家族主義」の弊害の典型的な例だと思います。

これではだめな親の下に生まれた人間には悲惨な生活しかありません。

 

これと対極にあるのが鹿児島県の知覧町にて特攻隊員の母と慕われた鳥浜トメさんです。何しろ自宅に

泥棒に入った男の子が警察に捕まったとの連絡を受け、警察に行って何とその子を家に引き取り、後に

その子は鳥浜家から高校に通ったそうです。実の娘さんの思い出によると「一頃は30人くらいの家族で

誰が実子で誰が養子か分からない程だった」そうです。

 

東京池袋駅前にある居酒屋「さつまおごじょ」は鳥浜トメさんが出した居酒屋で戦後長らく元特攻隊員

たちの憩いと相互連絡の場として機能しました。この店は今もあります。

 

永山則夫の死刑執行を聞いた時私は意外の感を強く持ちました。どうも時の法相は「みせしめ効果」の

ため執行を命じたようです。私は日本の法相には人物がいないと感じていますが、それは日本に法学が

無い、つまり懲罰思想と些細な条文こだわりの域を出て居ないからだと思います。何しろ大宝律令にし

ろ詔勅、宣命にしろ、要は「お上」のお達しであり、「朕は国家なり」と豪語したルイ14世の域を出て

いないと思います。

社会の本質を捉えたJ.J.ルソーや法学の基礎を据えたモンテスキューのような思想家は日本では出ませ

んね。

 

永山則夫の近くに鳥浜トメさんのような人があったならば、全く異なる人生があったであろうにと考え

ると実に残念な事です。

 

確かに誰でも鳥浜トメさんのようになれるわけではありません。そこで地域ひいては政府がそのような

社会的仕組みを作る事が必要だと思います。そこでは長い人生経験を有する定年退職者が力を発揮でき

る場があるのではないでしょうか。

 

市吉

 

------ Original Message ------

差出人: "宮川 勝之"

To:

送信済み: 日曜日, 2023/1/22 10:53

件名: RE: 加害者も含めて救うべし

 

市吉 修様

近況と世の中の事象に関する観察を拝読しました。

市吉様の人柄がにじみ出ているような文章で、かなりに好感を持ちます。

特に、ご自身のご経験を述べておられる個所は、そうだなと納得します。

博多駅事件関係について、感想を述べておられましたが、私が、市吉様の感想を読んで思い出したのは、

池田晶子という若くして亡くなった哲学者が書いていた、「死と生きる」という本でした。刑務所にいる

死刑囚と哲学者との心の交流を書いている名著であり実践した哲学者ですが、死刑囚との心の交流をす

ること自体も結構、難しい、という感じも持ち、他方、それをなすにも哲学者は命がけで行っていた、

という感想です。

 

かって、50年ほど前に殺人をして死刑宣告を受けた後、「無知の涙」を書いた永山則夫という死刑囚がい

ましたが、この方の弁護人をされていた方は死刑囚と途中では、散々、喧嘩をしていました。

なかなか、人の更生を図るという作業は優しいものではない、という事実があり、実践するには大変な

覚悟が必要であるかと思っています。

 

拝読して、私が抱いた感想です。

 

宮川勝之

 

From: osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp

Sent: Saturday, January 21, 2023 10:40 PM

To:

Subject: 加害者も含めて救うべし

 

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人は以言伝心、乞う発信。そして返信、全員に返信して語りませう。

 

1/17()札幌

に帰って来ました。日中最高気温10Cの関東から零下3度の寒地へ。しかし相模原の我が家よりも札

幌の集合住宅の方が暖かいので手足のヒビや霜焼けは一変に消えました。

 

寒地の最低気温にも増して血も凍る殺人が福岡で行われました。福岡は私が青春時代を過ごした地なの

で一層ショックを受けました。これは典型的なStalker殺人の様ですね。

犯人の男について被害者の女の人は警察に相談し、男には女の人に近づくなという命令が出ていたそう

です。

命令で犯罪が防止できるものでしょうか。ここには加害者も人間だという観点が欠けていると思います。

禁止されれば増々愛憎が募るでしょう。これでは犯罪を助長するようなものです。

 

為すべき事は加害者に研修を義務化する事でしょう。Stalkerは極端な自己中心主義者であり、当人は自

分が被害者だと考えています。こんなに愛しているのに何故応えてくれないのかと。Stalkerには当人の

意志を尊重するという人間の自由権の観念が欠けているわけです。従って根本的な対策は加害者の心の

歪を正す事こそ為すべき事でしょう。それには加害者に心理学、法学、哲学的な研修を義務つけるのが

必要だと思います。

 

同様の事は児童虐待についても言えます。加害者となる親は自分の偏狭な「しつけ」思想に合わせよう

と努力しているつもりなのです。基本的に間違った思想が問題なのでそれを正す事が必要です。こちら

は警察や児童相談所だけの力では手に負えません。何より地域住民が加害者の親も含めて家族全体を地

域社会に受け入れる活動が必要不可欠と考えます。

 

米国で今問題になっている中絶禁止法についても同様です。中絶を禁止するなら望まれない出産で生ま

れた子を社会全体で育てる仕組みが必要ではないでしょうか。

 

私達は双子の孫育て支援で年の大半を札幌で暮らす生活をもう五年以上続けています。今年は孫達が小

学校に上がりますが、それは環境の変化が大きいので今後ともできるだけ支援して行きたいと考えてい

ます。

私達は長らく孫ができなかったので私は子供はみんな自分の孫だと考える事にしていました。それは今

でも変わりません。札幌に来てしばらくして不登校の中学生を週二回教え始めました。その子は高校に

入ると毎日通学して学年でもtop級の成績を取るようになりました。私はこの子が成長したなと感じる

のは試験前になると来ないでくれと連絡して来る事です。学習は自分でやる他に道無しという事を体得

しているのだと思います。

 

自分の孫と思えばこそ幼児虐待の報道があると暗澹とした感に撃たれます。加害者を罰するだけでは犯

罪は防げません。加害者を含めて万人を救うという思想で社会を構築する必要があるのではないでしょ

うか。

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+ 市吉

+ 二十一世紀を楽しく生きよう会

+ HP ;   http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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