差出人:  Osamu Ichiyoshi <osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp>
送信日時:           2019218日月曜日 0:03
宛先:     
件名:     種子島旅行報告
 
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または全員へ返信により意見交換をお願いします。二十一世紀世界研究会とは「人が全国どこでも働き、生涯豊か
に生きられる世界」を提案し研究する会です。研究しながら理想の二十一世紀世界を実現しましょう。
 
先週は種子島宇宙センターにて電子情報通信情報学会の衛星通信、宇宙航空エレクトロニクス研究会が開催され、
私も参加しまました。発表会は二日間で三日目にはロケット発射場の見学会もありました。今回の研究会の特長は
参加者が多かった事です。そのため二つの会場に分かれて発表が行われました。
 
今日札幌に帰ってきたらNHK Special2002年にノーベル化学章を受章した島津製作所の田中耕一さんのその
後の活動、最近の画期的な成果が紹介されていました。番組の中でJournalistの国弘さんが昨年ノーベル医学生
理学章を受章された本庶 佑さんにinterviewして日本の基礎科学の現状と問題点について聞いていました。曰く、
日本のノーベル章受章者の栄光は昭和の遺産であり現状は日本の科学力の世界的地位が低下を続けており、
これを何とかしなくてはならないというものでありました。本庶さんはノーベル章の賞金を若手研究者育成のための
基金に寄付されました。若い研究者にもっとチャンスを与えるべきだと力説されていました。
 
私は以上の見方に多少違和感を覚えます。研究なるものは金をつぎ込めば成果が出るものではありません。金を
もらうとむしろ精神的負担になって研究の方向がずれてしまいます。田中さんの場合は思いがけずノーベル章を貰
った事は今は思い出しくもない事だったそうです。受賞を機に設立された田中記念研究所長にされたため会社の
投資に報いようと苦労されました。しかしその甲斐あってまたまた画期的な成果があがりましたが。
 
私見によれば人は、特に報道関係者は権威に弱い。各国の科学力順位なるものに振り回されていますがその根拠
は何でしょうか。一つの客観的とされる指標が論文引用件数なるものです。これは単に研究の流行を示している
ものに過ぎません。流行歌と同じく研究にも流行があるのです。それは今回のように研究会に出てみればすぐ分か
ります。今はAIbig data,自動運転用画像レーダ等ですね。流行歌と同じく流行に乗る研究なるものの大半は早
晩忘れられてしまうものだと思います。全体の研究費から見ればそれらが大半を食っているわけです。
 
本庶さんは基礎研究の大家であり、もっと若手研究者のためのポストを作れという主張とそのために為された膨大
な寄付には敬服しますが、私はそのお説に必ずしも全面的に賛同するものではありません。
奇跡の1905年と言われる画期的な基礎物理学の論文を立て続けに出したA.Einsteinの当時の職業は特許局の
審査官でした。また人が空を飛ぶという偉業を達成したWright兄弟の職業は自転車屋でした。
 
私が若者に勧めたい事は研究職にこだわらず適当な仕事に就いて研究は趣味としてやる事です。仕事が終われ
ば後は自分の時間です。好きな研究を幾らでもやる事ができます。実は一日中研究をする事も可能です。仕事の
合間にも空き時間は幾らでもあります。そういう時間に研究の事を考えれば良いのです。私は経験から学習は時間
の長さよりもそれを考える回数が効果的だと感じています。最も効果的な思考法は寝ながら考える事です。
 
今日は鹿児島で朝飯を食べ、九州新幹線にて二時間足らずで移動した福岡で昼食を食べ、飛行機で帰って来た
札幌で夕食を食べました。飛行機の窓から下方に佐渡島が流れて行くのを眺めながらWright兄弟の偉業を思い
出していたところでした。
今回の学会の最中に学問の方法について考え、以下の駄作にまとめました。
 
現実を知り、
現象を捉えて
仮説を立つ
仮説の帰結を
実験に付す
仮説が実証され
法則になるまで
考えて止まず
 
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* 市吉 修   Osamu Ichiyoshi                    
* 二十一世紀を楽しく生きよう会                    
* Human Network for Better 21 Century      
*  http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/
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