差出人:	Osamu Ichiyoshi <osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp>
送信日時:	2019年9月8日日曜日 12:19
宛先:	
件名:	RE: 幼児虐待の原因と対策

皆様
この問題について色々な意見をいただきました。本日の毎日新聞電子版には次の題で虐待問題が報じられていま
した。以下書き写しです。

虐待なぜ防げないのか
一時保護、二の足踏む児相 
出水・野田・目黒 3事件に共通点

鹿児島県出水(いずみ)市
で8月末、大塚璃愛来(りあら)ちゃん(4)が死亡した事件は、同居する母親の交際相手の男(21)が暴行容疑で
逮捕された。顔にあざがあるとの情報があったが市は自相に伝えていなかった。母子は7月に薩摩川内市から転入
していた。

今年1月に千葉県野田市の栗原心愛(みあ)さん(当時10歳)が死亡、2018年3月に東京都目黒区で船戸結愛
(ゆあ)ちゃん(当時5歳)が死亡と、「虐待死事件」が続く。児童相談所や警察ら関係機関の対応など、三つの事件
には共通の課題も浮かぶ。

千葉県野田市
の小学4年、栗原心愛さん(当時10歳)が今年一月親から虐待を受けて死亡した。父雄一郎被告(41)(傷害致死罪
などで起訴)が食事を与えず、浴室などに放置したとされる。母(32)は父親の虐待を手助けしたとして懲役2年6月
保護観察つき執行猶予5年の判決を受けた。

東京都目黒区のアパートから船戸愛ちゃん(当時5歳)が救急搬送され死亡が確認された。親愛(ゆあ)ちゃんは
「パパ、ママ、おねがい、もうゆるして下さい」とノートに書き残していた。体重は同年齢の平均を6kg下回る12kg
だった。父雄大(34)、母優理(27)両被告が保護責任者遺棄致死罪で起訴された。

私は毎日新聞と契約していませんのでこれ以上は読めません。詳細をお読みの方でお気づきの点があればお知ら
せ願います。

今年夏の札幌市での虐待死事件でも上と共通する点が多々あります。すべてに共通するのは暴力です。家庭内
暴力や施設内暴力あるいはStalkerに共通するのは暴力と加害者の自己中心的な思想ですね。しつけのつもり
だった、悪い事をしたとは思っていない、障害者は存在自体が社会に不幸をもたらすと思った、等々。Stalkerは
自分は加害者ではなく被害者だと思っているそうです。曰く、こんなに尽くしているのに何故応えてくれないのか。

幼児虐待の原因として家庭内教育の欠如、戦後の米国的価値観の影響等のご意見を頂きましたが、家庭内暴力
の主観的な動機がしつけ、即ち教育である事に注意して頂きたいと思います。私が高校生の頃戦前に育った人が
戦後育ちの私達の自由、特に男女交際を羨んでいたのを思い出します。戦前の教育には多くの欠陥かあったのは
明らかです。戦争の最大の被害者である戦争孤児を国として放置したのに勝る幼児虐待があるでしょうか。

暴力は人間関係の否定です。飽くなき自己主張の衝突です。一つの自己主張に凝り固まった状態は思考の不確
定性が機能していない状況であり一種の狂気ですね。それが進むと人間性の喪失に行き着きます。その一例が
ナチスによるユダヤ人絶滅計画ですね。規模こそ小さけれ、世界には虐殺の枚挙にいとまは有りません。暴力の
否定こそ人間教育の基礎に据えるべきだと思います。

私の提案は
(1)	暴力の否定を生活においても、教育においても実践する。
(2)	人間社会の存在原理(人間とは人と人との助け合いにある。)を実践する。
           衣食住、学問芸術、科学技術、交通、医療、経済どれをとっても完全自給自足している人は地球上に
           いないでしょう。古代ギリシァの哲学者アリストテレスの「人間は社会的動物である」という定義はますます
           真実です。
(3)	幼児虐待の予防のためには地域で子育て支援をする。
               警察への通報は問題家族をますます孤立化するだけです。上述の幼児虐待がおおにして引越し家族
               に起きています。虐待を隠すためもありますがもっと良い所を求める動機もあったのではないでしょうか。

市吉 修

2018年3月2日、東京都目黒区のFrom: etsuromori@jasmine.ocn.ne.jp 
[mailto:etsuromori@jasmine.ocn.ne.jp]  
Sent: Saturday, September 07, 2019 6:07 PM 
To: ' Subject: RE: 幼児虐待の原因と対策

小西様
森と申します。小西様の仰る「家庭教育」とは親の子どもに対する教育のことでしょうか、それとも子供を育てる親に
対する教育のことでしょうか。最近の事件の数々を見ると親の子供への虐待やネグレクトばかりですので、後者の
意味と理解致します。
これは世界中で問題になっています。特にアメリカでは大きな問題となっています。以下の記事はVirtual Lab 
Schoolという子供のケアや教育についての専門家が書いていサイトからの引用です。タイトルは「Keeping Children 
Safe: Introduction to Child Abuse and Neglect for Infant and Toddler Caregiving Staff」です。ご承知とは思いますが
toddlerとは2〜4歳の子供を指します。
以下はIntroductionの部分のみですが、これをお読みになると日本の家庭教育はアメリカに比べ何と優れているか
と驚かれるでしょう:
For most of us, it's hard to imagine anyone harming a child. It can be even more difficult to imagine anyone 
intentionally harming a baby or toddler. As disturbing as it can be, child abuse and neglect is very real. More than
 600,000 children per year are victims of abuse or neglect in the United States (U.S. Department of Health and 
Human Services, 2012). 
Most of us will never understand why an individual commits abuse or neglect. The purpose of this lesson is to help 
you understand what child abuse and neglect is. It is also to help you understand your obligations in reporting and 
preventing abuse and neglect. You are a mandated reporter. This means you are legally required to report 
suspicions of abuse or neglect to appropriate authorities (e.g., Child Protective Services,). If you are unsure
whether something is abuse or neglect, or rather an infraction of a policy, you may want to discuss this with your 
supervisor. You never have to seek permission to report. If YOU think a case of abuse or neglect has occurred, 
you are required to report it properly.

森 悦郎
From: 小西 眞裕 <konishiusa@yahoo.co.jp>  
Sent: Saturday, September 7, 2019 4:23 PM 
To: Subject: Re: 幼児虐待の原因と対策

市吉さん

幼児虐待は戦後の教育が家庭教育の重要性を無視してきたためです。家庭教育の重要性を教育の根幹に据えて
本当の教育体制の革新をいなければ、社会の体制は変わりません。

小西眞裕

----- Original Message ----- 
From: Osamu Ichiyoshi <osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp> 
To: Date: 2019/9/7, Sat 15:12 
Subject: 幼児虐待の原因と対策

転送歓迎
配信無用の方はお手数ですが返信願います。本MLは会員の紹介により加入する会員の自主研究会です。返信
または全員へ返信により意見交換をお願いします。二十一世紀世界研究会とは「人が全国どこでも働き、生涯豊か
に生きられる世界」を提案し研究する会です。研究しながら理想の二十一世紀世界を実現しましょう。
 
幼児虐待に共通の要因
またまた起こりました。今度は九州の薩摩川内市で。インターネット朝日新聞報道によるとこの事件では、出水市
明神町の建設作業員、日渡駿容疑者(21)が8月27日夜、大塚璃愛來(りあら)ちゃん(4)の頭部を殴ったとして、
31日に暴行容疑で逮捕された。璃愛來ちゃんは28日に死亡した。日渡容疑者は璃愛來ちゃんの20代の母親と
交際し、3人で生活していた。
(中略)
直後の3月22、28、29、4月2日の計4回、璃愛來ちゃんは自宅近くの路上や駐車場で一人でいたところを発見され
、薩摩川内署に保護された。時間帯は午後8時50分〜午後11時で、うち3回は午後10時20分以降だった。同署
が計4回保護し、児相に「親への指導の必要性がある」「一時保護の必要性がある」などネグレクト(育児放棄)の疑
いもあるとして2回通告。保護の際、太ももに約2センチの薄いあざを確認したが虐待と判断せず、児相も保護し
なかったという。
(以下省略)
 
幼児虐待に共通する要因を挙げますと
(1) 家庭内暴力
(2) 母親の交際相手による暴力
(3) 加害者は「しつけのつもりだった」「悪い事をしたとは思っていない」
(4) 児童相談所の失態
(5) 地域社会における孤立
 
以上の要因の根本にあるのは何でしょうか。私はそれは思考力の欠如、あるいは人間の思考の限界に関する認識
の欠如だと思います。
 
人間の思考の限界
以前ゼノンの逆理「飛んでいる矢は止まっている」は論理的には正しい事を説明しました。Euclid幾何学原論の
最初に点とは位置はあって大きさが無いものと定義されています。従って一点が同時に二か所にある事は論理的
には有り得ず点の運動は論理的には不可能です。物体が点の集まりだとすると飛んでいる矢は止まっているという
論理が成り立ちます。上の点の定義は幾何学には本質的な定義ですが、実際には矢が飛んでいるのですから
現実には合いません。これは論理の限界を示す好例ではないでしょうか。
現実に矢が飛び物体が運動するのは物質を構成する基本粒子は運動状態に置いては波として時空間に広がって
いるからです。他方全く運動せず一点に静止を続ける粒子は有り得ない事は位置と運動量の不確定性として物理学
の基礎に確立しています。幾何学の根本を成す点の定義を現実の物理に無批判に適用してはならないという事です
。 
思考の不確定性
二つの事を同時に集中的に考える事は不可能です。沢庵和尚は「木を見ている状態で一枚の葉に注意を集中する
とその木の全体は見えなくなる」と説き、剣術の立ち合いに置いて心をどこに置くべきかと問われて「何処にも置かざ
るべし」と答えています。
私達は車の運転免許は勤務先の米国で取りましたが、DMV発行の手引きでは車の運転に置いてはScanningが
大切だと書いてありました。前を中心に左右のside mirror、Back mirrorを次々と万遍なく見る事をscanningと呼ん
でいます。沢庵和尚の教えと似ていますね。私は思考の不確定性を次のように表現しています。
 
思考の限界
知らざる事は考えられず
一事を思わば余事は考えられず
考えるとは考えざる事なり
思考の限界を知りて考えるべし
 
思考の不確定性の量子力学に似たもう一つの点は健康な脳は同時に二つの事は考えられず一つの事にしか集中
して考えられないと同時にその一つの事にずっと集中し続ける事もできないという事です。自分の主張と異なる、
時には正反対の事も同様に成立する事は現実によくある事ではないでしょうか。このような思考の不確定性は知識
を広げまた深めて行くように進化してきた人間の脳の特長だと思います。
 
世は思考の欠陥に満ち満ちている
現実の世を見ると思考の限界を知ってか知らずか偏った主張に満ち満ちています。政治の世界は特にそうですが
、悲惨な幼児虐待は正にそうです。「しつけのつもりでやった」という言明の裏には「自分は絶対に正しい」という
主張がありますね。個人に限らず国家レベルでも同様な事はあり、その最も悲惨な表れが戦争でしょう。口に防衛
を唱えて他国を攻撃をするのが戦争です。司馬遼太郎が戦争を振り返って「集団発狂していたとしか思えない」と
いうのも分かりますね。ズバリ集団発狂していたわけです。それはそのような国家から利益を得るものが戦争以外の
思考ができないように国民を洗脳したからでしょう。報道機関が政府発表を無批判に報道して国民を知らざる状態
に置いたのが根本的な欠陥だったと思います。ナチスによるユダヤ人の虐殺を多くのドイツ人は戦後「知らなかっ
た」と言っていました。「知らなかった」と「記憶に無い」の二句を知っていれば政治の世界ではどうにでも泳げるので
はないでしょうか。今やFake Newsの代名詞にもなっている大本営発表を多くの日本人は信じるしかなかった、
現実を知らなかった、あるいは隠した事が戦争の始めから終わりまで続き、長引かせ悲惨な災厄を極限まで拡大し
た原因だと思います。
 
狂気とは思考の不確定性の不機能
ドン・キホーテは正義感に溢れ、世事に通じた思考力もあるのですが、中世騎士物語が真実と信じる一点でちょっと
いかれていました。この一風変わった狂気からドン・キホーテの物語は世の中の断面を良く表現していたのでしょう
。A.ヒトラーも芸術家を自認し、もっともらしい話を作り上げ、彼が編み出した大衆の扇動の極意(大衆には分かり
やすい簡単な句を繰り返せ、それが正しいかどうかは問題ではない、繰り返せばやがて疑うべからざる真実となる)
を巧みに活用しました。A.ヒトラー型の人間は世の中の到る所にいるのではないでしょうか。
 
知性と人間性
幼児虐待の原因は知性と人間性の欠如と見る事もできます。その根本は「他への思いやりの欠如」です。「しつけの
つもりでやった」とはその子のためと称して実はその子への思いやりは無くあるのは無反省の自己主張のみです。
世間では知性とは「頭の良さ」と取られていますが私の定義は違います。
 
知性とは
異なる位置に身を置きて
万くものを究むる事なり
人間性とは
他人の立場に身を置きて
我が事の如く思う事なり
 
幼児虐待増加の原因と防止策
昔に比べて幼児虐待が増えたと感じますがその原因は何でしょうか。私はそれは上の知性と人間性の弱体化だと
思います。他への思いやりの欠如ですね。江戸時代の文学のテーマは「義理と人情の葛藤」でした。身分社会に
おいては個人への束縛が多く、明治以降の社会は社会的束縛からの個人の解放が大きなテーマだったと思います
。私の母は田舎を引き払って関西に移住した時に大きな解放感があったと言っていました。私達も進学や就職で
故郷を発った時似たような解放感があったのではないでしょうか。
今や個人の解放が進んで年金制度などのおかげで人は老年においても他人に頼らずとも生きられるようになりました
。自由は素晴らしいものですが、それだけではややもすると他人との絆が失われて増々自己本位に生きていくしか
ない状況もあるのではないでしょうか。老人の孤独死と幼児虐待の増加の原因は同根だという気がします。即ち人
と人との絆、他人への思いやりの弱体化です。
 
そのように考えれば幼児虐待の防止策として次の方策を提案します。
 
(1) 隣近所の助け合い
  子育ては大変です。ちょっとした近所の手助けがあればとても助かります。
(2) 地域全体で支援する。
  警察、児童相談所、隣近所の連携が大切です。人を育てるのが親だとすれば私にも多くの親がいます。
  「地域親」を制度化し実践しましょう。
  石井十次は三千人の親と呼ばれましたが、私達も何人かの親になりたいものです。 
 
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* 市吉 修   Osamu Ichiyoshi                    
* 二十一世紀を楽しく生きよう会                    
* Human Network for Better 21 Century      
*  http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/
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