プーチンのロシアと本当のロシアは違う?

To: 2023/02/05 12:43

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プーチンのロシアと本当のロシアは違う

これは数か月前ロシアのウクライナ侵略関連の特集でロシアの作家アクーニン氏が語った言葉です。同

氏の筆名は日本語の悪人から取ったもので、彼は見事な日本語をしゃべります。ロシアと日本はほんの

40kmの宗谷海峡を隔てた隣国であり日露の関係は本来深いものです。ロシア民謡や文学が日本ほど浸透

している国は他に無いと思います。

ロシアは昔から良きにつけ悪ろきにつけ極端から極端へ幅の広い国だと言われて来ました。その悪ろき

の典型的な現れは今のウクライナに対する一方的な軍事侵略です。私は長年ラジオでロシア語講座を聞

いていますが、プーチン政権の愚考、悪業のために多少の違和感を感ぜずにはいられません。昨年2/24

にロシアが突如ウクライナ全土を攻撃した時私は「20世紀の亡霊が現れた」と題する小論を日本語と英

語で書いて二十一世紀を楽しく生きよう会のHPに掲載しました。その時はこの侵略戦争は短期に終結

するという見方が大半でしたが、私は長期化して遂にはロシア連邦の解体に進むであろうとの見方を示

しました。事態はだいたいその方向に進んでいるようです。私の論拠はロシアは本質的に20世紀の軍隊

のままであり、21世紀には通用しないと考えたからです。第一国内総生産が日本の1/4、マイコン一つ

作れない国に21世紀の戦争は無理です。この点は日本の隣国についても皆同じですね。国内に報道の自

由が抑圧されている国はPropagandaにより見かけは堂々としていますが、中身は薄いものです。それ

らの国の政府が得意とするのは国民の弾圧、とりわけ弱いものへの残酷な弾圧です。それがどんなもの

かは大日本帝国の愚行の歴史を知る日本国民にはよく分かるのではないでしょうか。私の父は軍隊につ

いて良い思い出は一つも無いと言っていました。実際ロシア軍と大日本帝国の軍隊はよく似ています。

例えば軍隊内部において横行する兵隊に対するlynchなど。それが外に顕れたのがロシア兵によるウク

ライナ市民への暴力、強姦、虐殺等の戦争犯罪です。

L.トルストイ民話

今は孫達を寝かしつけるのに物語を話して聞かせています。子供はバカにできません。中味の無い話に

はつまらないと言います。ロビンソン・クルーソーを話してやると人は孤独がどんなにつらいものか、

ロビンソンが捕まえたオウムに言葉を教えて疑似会話をしていた事、人食いから助け出した少年に

Fridayと名づけて英語を教えやっと人と会話できるようになった喜びなどをちゃんと理解していました。

中でも飽きる事無く何回も話すのがL.トルストイ民話です。誰でも知っている「イワンのバカ」の他に

「人は何で生きるか」にも共感を示しました。私は文学には門外漢ですが、トルストイ民話は闇の中に

もキラキラ輝く宝石や灯を連想します。その他「二人の老人」、「人はいくらの土地がいるか」、「火を消

さないでおくと」など真にL.トルストイ民話はロシアのみならず世界の至宝だと考えています。

大日本帝国にもL.トルストイ思想の信奉者であった北御門二郎は「戦争は絶対悪」と主張して兵役を拒

否し、銃殺を覚悟で官の呼び出しに出頭したところ精神疾患により兵役免除の宣告を受けました。司馬

遼太郎が戦争の時代の日本を回想して「集団発狂していたとしか思えない」と言っていました事を裏付

ける端的な例だと思います。

私は英国勤務時代に同僚の米国人に「イワンのバカ」を知っているかと聞くと知らないと言いますので

「是非読め」と推薦しました。北御門二郎は世界中の学校で「イワンのバカ」を教えれば世界に戦争は

無くなるであろうと言っていましたが、全く同感です。

イワンのバカはバカなれば

骨身を惜しまず働きて

物を惜しまず人を援け

来るを拒まず受け入れるなり

イワンのバカはバカなれば

心は空で思惑はあらず

あるがままに物事が見ゆ

空の心は病む事も無し

イワンのバカはバカなりや?

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+ 市吉 修

+ 二十一世紀を楽しく生きよう会

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