歴史について
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To: 2021/12/18 23:09
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しょう。
一週間前に
神奈川の自宅に帰りました。車検の都合で例年より早めに帰省しました。早速自宅近くの出張所に行き
図書室から本を借りてきました。
世界と日本の歴史全15巻(大月書店)。今4巻目を読んでいます。これは読み出すと止まりませんね。何
千年もの人類史を一挙に流れ下っている感じがします。
人は歴史的存在である
私達は普通意識しませんが人はその生まれた世界の産物です。現在の立場から過去の歴史を振り返ると
先人が馬鹿に見えるものです。司馬遼太郎が大東亜戦争を振り返って日本人が「集団発狂していたとし
か思えない」と言っていましたが、あれから更に半世紀近くが過ぎた今振り返ると更にその感が深まる
と同時に人は大河のような時代の流れに埋没して生きる小石に過ぎないという感じもします。
帝国主義の時代に生きる人は帝国主義的な思考しかできない。否そのような教育しか受けなかったので
すね。大日本帝国において小学校で教えた歴史はまず「神代史」でした。何も知らない子供に神話を歴
史として教え、皇国史観を国民に植え付けたのです。当時既に縄文時代などの考古学は高度に発達して
いたのに学校では全く教えなかったようですね。今から思えば努力してバカを養成していたようなもの
です。これは特に軍隊において常軌を逸した「神がかり参謀」が戦略と戦術を誤り、多数の日本兵を戦
闘ではなく餓死、病死、野垂れ死にさせた愚行につながったのだと思います。
大東亜戦争の敗戦の遠因は日露戦争の勝利であると思います。これによって大日本帝国の国民は帝国主
義的思考から抜け出せなくなりましたから。それこそ人がその時代の産物である好例です。その桎梏を
打ち砕くには何百万人もの殺人と特攻のような狂気の作戦にもかかわらず日本全土を焦土と化した二十
世紀の戦争の悲惨な経験が必要でした。日本は敗戦により帝国主義戦争の惨害を直に知り帝国主義との
決別を日本国憲法に明記しました。日本国が平和主義により経済の高度成長を達成して戦前は想像もで
きなかった豊かな国に成長したのは世界各地の植民地が独立して帝国主義が過去のものになった時代背
景があると思います。それに対して第二次世界大戦に勝利した米国は戦後も帝国主義的政策を続けてベ
トナム、中東、アフガニスタンで多くの自国の若者を死なせ、測り知れぬ惨害を現地国に引き起こしま
した。
米国は日本との戦争にあたっては軍の中に徹底的な日本研究を行う部隊を創設しました。そこからD.キ
ーンやE.G.サイデンステッカーなどの日本学者が育ちました。ところがベトナム、アフガニスタン、イ
ラクにおいてはそのように真摯に相手を研究する努力はしなかったようです。米国は20年間のアフガン
戦争の間にアフガニスタンの専門家を活用し、その国の若者を多数米国に留学させて人材を育成したな
らば同国は今とは余程変わったより幸福な道を歩んでいた事でしょう。米国が軍事一辺倒だったとすれ
ば我帝国軍の神がかり参謀と大差ない稚拙な作戦しかできません。米国はもっと歴史を学ぶべきでした
ね。米国は全力で日本に当たったので勝利し、また日本の民主化に大きな寄与を成し得たのに対し、遥
かに小さなベトナム、アフガニスタン、イラクに対しては中途半端な姿勢で当たる事により大失敗をし
たのだと思います。
歴史を読むと人が軍国主義的思想に傾くのも理解できます。人類史は闘争史と言っても過言ではありま
せんから。敗者は奴隷になるか貢物を収めるか何れにせよ忍従するしか生きられない時代があまりにも
長く続きました。毛沢東は「銃口から国家が生まれる」と言いましたがまさにその通りですね。日本的
表現では「勝てば官軍」です。
しかしその長い歴史の上に今日の高度な科学技術と社会制度及び社会思想があります。前回報告した民
主主義が可能な現代は正に長い人類史の成果です。それを支えるのは正しい知識、真理と真実でありそ
れは日本国憲法が言うように「国民の不断の努力」によって支えられるものです。
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+ 市吉 修
+ 二十一世紀を楽しく生きよう会
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