差出人:   Osamu Ichiyoshi <osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp>

送信日時:             2020103日土曜日 13:40

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件名:      人の健康について

 

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現代人の健康問題

我国の死因の第一位を占めている癌を始めとする体の健康、毎年三万人近い自殺者に現れている各人の

心の健康、児童虐待や犯罪、戦争等に現れる社会の健康など現代人の抱える健康問題には深刻なものが

あります。

 

安保・福田理論によると癌を始めとする体の病の直接の原因は低酸素、低体温、高血糖であり更にその

原因は誤った生活習慣による心身の歪みにあります。半世紀前まで我が国では癌と言えば胃癌でしたが、

今は随分少なくなり、代わって肺癌が一位になっています。また今回のコロナ禍では我が国と欧米諸国

の間に被害の大きさに顕著な差がありました。これらの事実から心身の病の原因は生活習慣の歪に起因

する事が明らかだと思います。

 

普通気が付きませんが生活習慣の中で最も基本的なのは呼吸法でしょう。人は年をとると猫背になる傾

向がありますが、その原因の一つは浅い呼吸だと思います。現代人は読み書きのため背中を丸める姿勢

になりがちですが、そのため呼吸が浅くなり易いと思います。呼吸が浅いと肺が十分開かず肺の中に低

酸素の部分が生じそれが長年続くとそこに癌が出て来るのだと私は考えます。それを是正する方法は呼

吸を深くして肺をいっぱいに開き、全体に酸素が行き渡るようにすれば良いと思います。深呼吸の方法

は息を吐けるだけ吐き切り、吸えるだけ吸い込み、ゆったりと呼吸する事です。自然に胸が開いて姿勢

が良くなり、発声が楽になって会話や歌を歌う、特に長く伸ばす民謡などを歌うのが楽になります。

私は深呼吸をしながら指先で血中酸素濃度を測っていたら吸う時は心拍数が上がり、吐く時は下がるの

を観察しました。それは息を吸う時は交換神経優位になり、吐く時は副交感優位になるという自律神経

の動作を明確に示しています。普通自律神経は意志で制御できないとされますが上述の呼吸とそれ以上

に心の持ち方、生活習慣により制御する事ができます。

 

現代人の病気の一因は甘いものの摂り過ぎと食べ過ぎだと思います。その原因は美食と早食いではない

でしょうか。約十年前母が大腸癌の手術の後極端に体重が落ちた時に私は母に何とか食事をさせようと

一冊の料理本を買いましたが、最初の献立を見て諦めました。その代わり、昔の貧しい農家の食卓を思

い出して、御飯、味噌汁、加て物の三品にしてその味噌汁の中に野菜、魚、キノコ、海藻何でも入れる

事にしました。ゴボウ、大根、ニンジンなどはたわしでこするだけで皮は向かず、カボチャは種もワタ

も取らず、何でもそのまま入れました。すると極端に食欲の無かった母がおいしいと言って食べ、健康

を回復したのは私の原始的料理による所が大きかったと思います。果物も最もそれらしい味がするのは

皮と種の所です。多くの人がその部位を捨てているのは何とも勿体無いですね。現代人はわざわざ手を

かけて食べ物の最良の部分を捨てているのではないでしょうか。

 

早食いもまた甘いものの摂り過ぎと食べ過ぎの原因だと思います。上の私の原始的料理法では本当の料

理人は食べる人の口と舌です。母は色んなもののダシが出ておいしいと言っていましたが、口の中で色々

な食べ物を混ぜる事で微妙な味が出ます。よく噛んでいる間に脳の満腹中枢が満足するので美味しいも

のを腹いっぱい食べてかつ食べ過ぎを防止する事ができます。私は食べる時は目を閉じ十分噛んで食べ

物を味わうようにしています。

 

わざわざ手をかけて最良のものを捨てている

現象は食べ物だけでなく随所に見られます。いま流行りの終活で講演会などが盛んですが、最良の就活

は自分の親の生き方と最後を見届ける事です。家族に迷惑をかけたくないと自ら老人ホームに入る人が

ありますが、そうすると家族の行き来もままならず、返って不便です。深刻な病状でどうにもならない

場合を除いて最後まで自宅や高齢者対応マンションで独立した生活をするのが良いと思います。今は訪

問看護、介護体制が整っているので私は大して苦労する事も無く宮崎市内と近隣地域は隈なく自転車で

駆けまわり、両親の最後まで共に生活を楽しむ事ができました。

 

教育や学問についても同様の事が言えると思います。教育と言えば有名大学への入学を競う事が我が国

の文化と社会を歪める大きな原因だと思います。大学においてもまた卒業後も各種の指南書、参考書

が世に満ち溢れています。それ自体は勿論よい事ですが「効果的な学習法」は同時に「即時忘却法」で

もある事はTVの「ガッテン」で番組を見ている間は完全に理解したのに翌日にはもう忘れていることか

らも良く分かります。私の経験では最も効果的な学習とは徹底的な思考錯誤による膨大な無駄の上に初

めて確立する非効率な学習法に他なりません。整った教育体制の盲点は人が仕組みに頼って自分の頭を

使う事を疎かにしがちである事だと思います。

 

自分の頭だけでなく体も使う事が少ない事が問題です。昔は農民が農作業で立派な体格をしていたもの

ですが今は農業機械と自動車の普及で却って運動不足になっています。都会人の方が遠距離通勤により

運動している方ですが、それでも昔に比べれば運動不足です。運動不足の結果、血流の停滞と肥満、

そして低体温を生じ、癌などの病気の増加をもたらしているのだと思います。生活の中に運動を取り

入れて頭と体を動かす事が重要です。

 

心の持ち方はその人の思想で完全に異なります。前回報告した十勝の鹿追町の農業者にして画家の神田

日勝の場合で考えてみましょう。東京大空襲で焼け出されて国の政策で同地に入植した9家族の中、現

地に定着したのは神田家だけでした。入植の直後に戦争は終わったので慣れない奥地の開拓に見切りを

つけて入植者は次々と当地を離れました。神田家でも日勝の兄は東京に舞い戻り苦学して東京芸術大学

に入りました。日勝は固い決意を以て鋤と馬を使って開拓を続け農業で家を支えました。兄の手ほどき

で絵を描き始めた日勝は32歳という短い一生ではありましたが確かな足跡を残しました。鹿追町に行く

機会があれば神田日勝美術館を訪れてみて下さい。

 

児童虐待や犯罪、戦争

の原因は現代人が大自然から遊離してしまっている事ではないでしょうか。前回報告しましたように人

は皆その限られた知識、経験、ものの見方に制限されたいわば囚われ人だと思います。児童虐待者は間

違った「しつけ」思想を無理に子に当てはめて虐待に到り、犯罪者は目先の物しか見えず、戦争は権力

機構にぶら下がって生活しようとする人々の盲従の表れだと思います。

従って私は子育てをする者には「しつけを忘れて身を正そう」と呼びかけ、人の道を踏み迷う者には「野

山に出かけて大自然の道を歩こう」と言い、権力に盲従する者には「土地を耕し、大自然の恵みの上に

こそ人間社会は成り立つ事を知ろう、生業の道を立て自立しよう、人とつながって自由を守り、権力を

制しよう」と訴えます。

北海道に入植した開拓者の苦労を知れば、「生活のために自己を殺してまでする」権力への盲従から自ら

を解放をする事は可能だと思います。

 

人の健康はつまる所その人の生き方そのものですね。

 

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* 市吉 修   Osamu Ichiyoshi                    

* 二十一世紀を楽しく生きよう会                    

* Human Network for Better 21 Century      

*  http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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