数の累乗について
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To: 2021/11/22 17:44
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ょう。
数の自然数乗
数aの二乗とは a x a = a^2
数aの三乗とは a x a x a = a^3
数の整数乗
数aのマイナス1乗とは a^(-1) = 1/a
数aのマイナス2乗とは a^(-2) = 1/( a^2)
数の分数乗
数aの平方根 √(a) = a^(1/2)
数aの立方根 a^(1/3)
以上のように自然数累乗から始まり、負数、分数すなわち整数、有理数更には実数に累乗の数を拡張し
て来ました。
累乗の計算規則
実数a,b, cに対して
a^b . a^c = a^(b+c)
( a^b)^c = a^(b x c)
となります。
それでは虚数についてはどうでしょうか。
虚数iとは
i x i = i^2 = -1
となる数です。
実数に対しては
1 x 1 = 1
-1 x 1 = 1 x (-1) = -1
-1 x (-1) = 1
なので任意の実数a,b,c,dに対して
(a-b) x (c-d) = a x b - b x c - a x d +
b x d
となります。これは長方形の面積の計算で最後の+b x dに-1 x (-1) = +1が使われています。実数の計算
規則はおそらく土地の分配などで長い歴史を通じて確立されたのでしょう。
端的に実数とはその平方が常に正となる数です。
a^2 = a x a >= 0
これに対して虚数i ( imaginaryからとられたi )とは
i ^2 = i x i = -1
ですので明らかに実数ではありません。これを数と言えるのかどうか専門家の間でも激しい論争があり
ました。この論争は複素数(complex number)の座標表示によって解消しました。
実数x,yに対して複素数zとは
z = x + i.y
と定義され
z = x + y.i = (x,y)
と表記します。
計算規則は
複素数(x,y)と(a,b)に対して
加算 (x,y) + (a,
b) = ( x+a, y+b)
乗算 (x,y) x (a,b) = ( a.x - b.y , b.x + a.y )
複素数の極座標表示
x = r.cos(θ)
y = r. sin(θ)
としますと
z = r.cos(θ) + r. sin(θ).i = r. ( cos(θ) , sin(θ) )
大きさ1の複素数については
z = cos(θ) + sin(θ).i
θで微分すると
dz /dθ = -sin(θ + cos(θ).i = i.z
これより
z = e^ (i θ) = cos(θ) + sin(θ).i
と指数関数表示が得られます。
特にθ = πに対して
e^ (i π) = -1 (オイラーの公式)
e ^(i π/2) = i
虚数の累乗
実数aのi乗
a^i = ( e^(log(a)) ^i = e^ (log(a).i) = cos(log(a)) + i.sin(log(a))
iのi乗
i^i = {e^((π/2).i) }^i = 1/e^((π/2)
ベクトルの累乗
ベクトルにはベクトル積(外積)とスカラー積(内積)の二種類があります。そこでベクトルスカラー環乗算
を以下の様に定義します。
ベクトルu, vに対して,
u (x) v = u xv - (u.v)
(ベクトル積) (スカラー積)
ベクトルスカラー環の極座標表示
[x ] = x + [X>
(スカラー部) (ベクトル部)
= ∣[x]∣. ( x / ∣[x]∣ + X / ∣[x]∣. [x> )
= ∣[x]∣. ( cos(<x) + sin(<x) .[x> )
= ∣[x]∣. e^( (<x).[x> )
但し
絶対値又は大きさ ∣[x]∣ = √(x^2 + X^2) ( Xはベクトル[X>の大きさ )
単位ベクトル [x>は ベクトル[X>の方向単位ベクトル
内積は <x][x> = 1
角 <x
cos(<x) = x / ∣[x]∣,
sin(<x) = X / ∣[x]∣
大きさ1のベクトル[x>については
[x> (x) [x> = -1
なので丁度虚数に似た性質があります。
ベクトル累乗
ベクトルスカラー環[x]のベクトル[y>乗とは
[x]^[y> = ( e^(<x).[x>) )^[y>
= e^ ( (<x).[x> (x) [y> )
= e^ (-(<x).<x][y> ) . e^( (<x). [x> x [y> )
特に[x> = [y>の時には
[x]^[x> = e^(-(<x) )
以上自然数に始まり、整数、有理数、実数、複素数そしてベクトル、ベクトルスカラー環と数の概念の
拡張を累乗について見てきました。数とは論理的に矛盾の無い計算規則が成り立つ記号の体系であると
言えるでしょう。応用に応じて便利なものを使えば良いのです。
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+ 市吉 修
+ 二十一世紀を楽しく生きよう会
+ HP ; http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/
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