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宛先:件名: 日本と朝鮮の二千年
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全国緑化フェア
今日日比谷公園に行ったらNPO祭りと全国緑化フェアがありました。これは10月一杯続き、今日はその初日でした。そのためか人出はそんなにありませんでした。緑化フェアについては下記URLをご覧下さい。 http://greeneryfair-tokyo.jp/
日本と朝鮮の二千年
という本(中村新太郎、東邦出版)を読んでいます。この本によって以前から気になっていた埼玉県の高麗の事が分かりました。IPSTARの地球局に出張する度に乗った西部秩父線の高麗(こま)駅に朝鮮風の二本の木柱が立っているのが見えたので予想はしていましたが思ったとおりここは高句麗から来た人々によって開かれた所でした。百済、後には高句麗の滅亡によって多数の人々が家族とともに日本に亡命し大和朝廷に受け入れられました。奈良時代の日本文化は渡来人によって支えられたと言っても過言ではありません。防人が主として関東地方から徴集されたのも渡来人が多く入植していたためだと思います。
韓衣(からころも)、すそにとりつき泣く子らをおきてぞ来ぬや母なしにして
これは万葉集にある防人の歌で今でも私はこれを詠むと目頭が熱くなりますが、高校でこれを習った時になぜ母をオモと読むのか不思議に思いました。この本でこれは韓国語のオモニだと知って疑問が氷解しました。私が日本人として最も誇りに思うのは千年以上も前に万葉集という歌集が編まれ、そこには上は天皇から下は遊女まで社会のあらゆる階層の人の作品が収録され名前の分かっている作者だけでも500人もいるという事です。上の短歌は防人の作品で作者の名は分かりませんが万葉集の中で私が最も好きな作品の一つです。万葉集は8世紀ころに作られたと思いますが5世紀頃の古墳時代からほんの二、三世紀の間に日本の社会は飛躍的な発展を遂げました。ちょうど明治維新と似たような変化が起きた時代だと思います。明治において西洋文明の流入が果たしたのと同様の役割を朝鮮半島からの渡来人による文明の流入が果たしました。渡来人は日本に帰化してその子孫は家伝来の技術や芸術によって文化の発展に大きな役割を果たしました。万葉集は万葉仮名と呼ばれる漢字で書かれていますがその書法の成立には渡来人の力が大きかったはずです。防人の歌に見られるように帰化人も数世代のうちに完全に現地化してしまいました。しかし全体に文化的水準が高かったですね。渡来人たちが新天地で大いに努力した結果だと思います。
10月の韓国旅行では百済ゆかりの地を回りたいと考えています。
国の真の担い手は民
万葉集は編者は不詳ですが大伴家持が中心的役割を果たしたと言われています。朝廷が政治的意図から編纂した日本書紀は官選の書であるのに対して万葉集は民間の手で編纂された民選の書です。だからこそ社会のあらゆる階層の声が集まっていると思います。万葉集ではまだ国家の階級分裂がそんなに甚だしくないような印象を受けるのはつい百年前まで残っていた原始平等制の記憶があったのではないでしょうか。時代を下るにつれて社会の階級分裂は進み江戸時代には身分制度が固定化して実に窮屈な社会でした。義理と人情の葛藤に苦しんだ江戸時代の人々と比べると万葉集から聞こえる上代の人々は何とおおらかで人間的でしょうか。明治維新と昭和の敗戦によって民主化された今日の日本においても階級社会の残滓は私達の心に深くしみこんでいます。それは出世欲、自己顕示欲、排外主義です。本来取るに足らないものであるが日中台から微妙な位置にある尖閣問題にわざと火をつける人間は下司ですがそれに乗せられる民衆もまだ未熟ではないでしょうか。ただ情報通信技術が高度に発達した今日では民間の自発的活動が非常にやりやすくなっています。実に多くの人々がNPOや組合、連絡会を結成して活動しています。お時間が取れればNPO祭りが開催されている日比谷公園にお出かけ下さい。
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市吉 修
Osamu Ichiyoshi
二十一世紀を楽しく生きよう会 Human Network for
Better 21 Century
http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/
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