差出人: OsI [osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2017年7月10日月曜日 22:31
宛先: '
件名: 水害対策は山対策
 
転送歓迎
配信無用の方はお手数ですが返信願います。本MLは会員の紹介により加入する会員の自主研究会です。返信
または全員へ返信により意見交換をお願いします。二十一世紀世界研究会とは「人が全国どこでも働き、生涯豊か
に生きられる世界」を提案し研究する会です。研究しながら理想の二十一世紀世界を実現しましょう。
 
 九州北部の水害について
映像で見ると山崩れが被害を何倍にも増幅しているのが分かります。日本の山はびっしりと木が立て込んで一見緑
が濃いのですが、それは山が病んでいる姿だと思います。戦後の大植林事業で杉の大森林が日本の山を覆ってお
り、その樹齢も70年程度で正に切り時ですが、林業が廃れて年々無駄に成長するばかりです。 
 
以前丹沢の山を歩いた時に原生林では適当に日光が入り、シダ類やしゃが等の濃い緑の草が地面を覆い、実の
なる木が多いので鳥のさえずりが賑やかでしたが一歩杉の人工林に足を踏み入れると昼なお暗き森で地面には草
が無く、しかも降雨時の水の流れが地面を掘って土地が侵食され砂利がごろごろした荒れ地面になっていました。
これでは今回のような豪雨に会えば山の侵食が一挙に進み、山崩れが起きるのは当然だと思います。何より鳥が
いなくて不気味なほどしーんとして正にR.Carsonの著書名、沈黙の春そのものでした。
 
 被災者には申し訳ないのですが、今回のような大災害は人災だと思います。山間地に住みながら山を放置した
つけが回ったと言えると思います。鉄道の地方線の廃線の原因も住民が車ばかり使って鉄道を利用しない事です。
廃線となってから反対運動をやったところで間に合いません。山は遥かに巨大な規模でそうだと思います。日本は
全体が山ですので今回の大災害を機に「日本列島大改造」に取り掛からなくてはならないのではないでしょうか。
 
解決案
(1) 山の手入れを怠ると日本は滅ぶ
と言っても過言ではない。
今のまま放置すると戦後行った大植林が一斉に寿命を迎える時が来ます。そうなれば日本全国立ち枯れた木で山
が骸骨のように白くなり豪雨時には到るところ山崩れが起こるでしょう。
 
(2) 林業の開拓
間伐、本伐材の用途を開拓する。
建築、家具、燃料、肥料そして化学工業の原料と用途は無限です。
 
(3) 有るべき国土の姿
山はよく手入れされた人工林と原生林が緑の樹海を成し、日光がたっぷり地面に届いて地面はびっしり草で覆われ
る。川には広い河原を取り、通常は運動場や歩道として地域の用に立てると共に自転車交通の用にも供する。
例　
私は相模原から調布方面には大栗川、横浜方面には鶴見川などのサイクリング道路をよく利用します。日本の流通
はもともと水運が中心でしたので今も川を利用すれば自転車で大抵の所には行けます。
 
山の斜面が草で覆われれば大雨の時にも山は雨合羽を着た状態で過度に水が地面に沁みこむ事なく川に落ちる
でしょう。川は広い河原によって豪雨時の水容量を増やし水害を防止できると思います。
 
今回の大災害の原因は地域社会の崩壊だと言えるでしょう。明治以前には各地の山は入会地として地域住民が建
築材、薪、牛馬の飼料、堆肥などを自由に取れるところでした。それを明治政府がいきなり取り上げて国有林にして
しまった事が今日の山の荒廃の原因だと思います。明治政府は地域社会を破壊して国民を直接支配し、愚な戦争
遂行の具にしました。明治10年の秩父事件は規模こそ西南戦争より小さけれ、内容においては地域住民の専制
政府に対する反乱でした。政府が残酷に弾圧して秩父事件と呼び矮小化に勤めたのも無理ありません。反乱軍の
総裁田代英介が大宮郷役所に掲げた「自由元年」の4字を私は日本人として誇りに思います。
 
日本は何処に行っても公民館があり自治会活動が盛んです。ここにこそ草の根民主主義の下地があると思います
。悲惨な内戦が続く外国の事情はいかがでしょうか。
 
上述の治山治水には全国各地の地域社会の力無しには実行不可能です。国土の保全には地域社会の再生と発展
が必要不可欠です。 
 
今週宮崎に中学の古希同窓会と父母の一周忌のため帰郷する序に鹿児島は知覧の平和記念館を訪れ、帰りに
自発的地域振興で名高い鹿屋市の柳谷(やねだん)を見学する予定です。
***********************************************
* 市吉　修　　 Osamu Ichiyoshi 
* 二十一世紀を楽しく生きよう会 
* Human Network for Better 21 Century 
* http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/
***********************************************